楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

mission impossible intelligence 待望論

2017-05-14 19:58:12 | 時評

 

 

中国で一帯一路の大会議の初日に、金正恩がミサイルを打つ。常識では判断できない独裁王朝国家。

狂気のカルトが集団自決を望んでいるかのようだ。

かつて、連合赤軍浅間山荘事件。

終わってみると内部粛清の凄惨な事実が明るみに出た。

歴史において、平等社会の性急な実現を掲げた全ての革命が、凄惨な大量殺戮を繰り返した。

フランス革命、ロシア革命、中国革命--。

それらは貧しきもの、虐げられてきたものの「恨」(ルサンチマ)を原動力にした、殺戮抹消による平等の実現、平滑化であった。

結果は、知恵を持って社会のバランスを計り、秩序形成を計った知識人らを、不平等を作り出した「悪」として大量成敗する愚策を繰り返した。

「自由、平等、平和、人権」の普遍理念はフラットではない。状況に応じて、優先すべき事項が違う。

北朝鮮問題。明白にこの国では「自由、平等、人権」が損なわれている。

ただ、大規模な争いがないという奇妙な、カルトの「平和」という名の秩序が保たれている。

「スワット」待望論、mission impossible intelligence --

「最小の犠牲で多数を救え」との異常な世論が支持を得る戦争状態にある、と認識せねばならなくなっている。厭な時代だ。

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世界の変わり目

2017-05-10 06:07:14 | 歴史

世界の変わり目

 フランス、韓国で大統領が変わった。今回はサプライズはなかった。マスコミ予想もうまくなったということか。あるいはSNSで世論を動かす術も定着したということか。2つに割れた世論は事前予想をそう簡単にはひっくり返せなくなってきているとも言える。

 直前までの北朝鮮とアメリカのガチンコパフォーマンスあるも、結果として何もなかったことをどう見るかも興味深い。これからは、国間の対立点はギリギリ衝突直前まで持って行って、他の要素が効いて、その対立熱が冷めていく、そんな子供の喧嘩とその調整のような関係が続いていくのだとしたら、とても疲れる。でもそれを人は大人の関係というのだろうか。

 お隣、韓国と日本の間は、「冬ソナ時代」の雪解け時に一気に進んだ。私も、その時に合わせて楽しんだ歴史韓ドラから、私の知識の空白であった半島の歴史と、2000年の「恨」の歴史、儒教の歴史を学んだ。日本の古代史、飛鳥時代の謎は、ますます興味深くなった。アジア人類史もますます面白くなった。

 それらを全て包み込んで世界は進んでいく。

 ちなみにドイツのメルケルも、そして今回の韓国大統領も、いずれも分裂国家の東(北)側出身であるという歴史の皮肉は何を意味するのであろうか?アメリカが盗聴をしてでも本音を探りたがる理由も賛成はできないが理解できる気がする。所詮大きな政治は、性悪説なのである。

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春の泡沫読書ー騎士団長殺し

2017-05-06 23:54:40 | 人間

 

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編
村上 春樹
新潮社
騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編
村上 春樹
新潮社

今、最もポピュラーな最新村上本を連休に読んだ。正確に言えば、読むことに流された。

考えねばならぬこと、記さねばならぬことがかつてないほど多いにも関わらず、何故流されたか?

それは、人生この歳に及んで、なお「ねばならないこと」に身を費やす自分、その中で生き長らえようとするジレンマからの逃避があったからだろうと思う。

読んでどうであったか。スッキリ爽やか!

この作の中の具彦(=騎士団長=イデア、と思う)の死に様、「私」の「父」としてのリセット、少女まりえの初期人生の飛躍、それぞれの人生の再生が「騎士団長殺し」というところに鍵があったというパラドックス人生賛歌。

村上は大衆迎合作家と言われながらも根強いファンをもつ秘密を見た気がする。読んでよかった。つけは大きいが。

読書途中で、さる女性教授(同僚というか後輩というか)と、この小説の話をしたら、「私は処女作から村上は読んでいて、もうxx年の付き合い!全部読んでいるわよ」と。

「え!今回は少々エロいのに、どう思う?」と・・、出そうになった言葉を飲み込んだ。

 そう言えば彼女、熱気球とか、ファンタジー溢れる趣味で有名な人でもある。確かに村上春樹に出てくる女性のようだ。

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サイコパス

2017-05-06 05:11:25 | 人間
サイコパス (文春新書)
中野 信子
文藝春秋

サイコパス 今売れている中野信子  

 全ての人間には表と裏があり、その葛藤の中にある。  
 性善説、性悪説 古くからの葛藤がある。  
 近い関係は性善説で、遠い関係は性悪説でがうまくいく、と読める。  
 それを間違うと、人間関係も、社会関係も、国際関係も大火傷。  
 それらを破滅させる無感情冷血人間(サイコパス)が必ず一定存在する。
 
 決めているのは、脳内のやりとり。  理性は前頭葉、感性は小脳原始脳という議論が昔あったな〜、と思い出す。  
 
 カントの感性、悟性、理性も脳の技、ということか。 
 
 サイコパスにも生存理由があったとの挑戦的(?)仮説
 面白いが独裁者合理論、村八分合理論へ繋がる危うさあり(?) 
昔、酒の席で、「私らの頭は湧き出る泉、学生らはそれを受け止め流す河川レセプター、一般人は海」
と平然と言ってのける教授がいて背筋が寒くなった。それまでの尊敬が一気に吹っ飛んだことがあったのを思い出した。
横溝猟奇推理小説にみるサイコパスと社会、などと考え出す者もが出てきそうだ。     
 
 脳の能力は、先天性と後天性の両者が決めるが、先天性が意外と重要と本書。先天の上にちょっと後から味付け。  
 でもこれ気をつけないとDNA優生論になるので不正確な理解は危険と著者自身も警告。
 自らのIQの高さを記しながら述べる自己顕示的著述様式は、Conflict of Interest でいかにもだが、それは本人の意思?  
 それとも出版編集者の意思?  
 
 脳科学って何を考えているのかの片鱗を見た気がした。
 理解を目的とする基礎科学のうちはいいが、「役に立つ」ことをoutcomeとして期待する応用科学としての目的は何?
 善悪判断も人工頭脳にやらせてしまうのが展望?  
 
 最終ボタンは人間に持たせなくて良い。全てを読み込んだ「人工頭脳」
 まるで「2010宇宙の旅」のモノリスだ。
 
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3つの激動の時と人

2017-05-05 05:23:18 | 歴史
3つの激動の時と人

私は、物事を考え行動する時に、3つのピラミッドで整理することにしている。日常はその整理の繰り返し。

1)研究
2)社会
3)人間

憲法改正で揺れ動くであろう社会の理解と意見を保つ上で欠かせないのが歴史理解。
3つの激動時代理解をより深めたいと思っている。

1. 1930年代の世界とドイツ・ロシアと人、トロツキー
2. 戦後日本再生と憲法と人、南原繁、吉田茂
3。明治日本の創生と人と学問、地質学、木戸孝允、青木周蔵兄弟、ナウマン、ライマン、

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