友人Yから大学を勧められたものの尚樹が住む田舎には
あると言えば、「国公立大学」で『社会人入試』などやっていなかった。
となると、外に出なければ行けなかったが、道場生40人あまりのことを思うと、
すぐさま「YES!」とは言い難かった。
尚樹はずいぶん悩んだ・・・「再就職すべきか、進学すべきか・・・」
最後に背中を押したのも友人Yであった。
「道場に指導者の代わりはいるはず。今まで尚樹に依存していたのが間違い。」
というモノであった。
確かに尚樹は、自分の仕事があっても職場の先輩や後輩に後をお願いして、
早々に職場を定時に後にして、道場に向かうのであった。
尚樹は自分に「ここは自分の為の選択をしよう!」と言い聞かせた。
尚樹を道場で育ててくれた先生には事前に「・・・こういう訳で。」と言い。
道場の忘年会で20人近く集まった父兄、社会人道場生に
「来年には大阪の大学に進学する!」と宣言したのであった。
今まで道場の実情は「尚樹依存」だった為、皆の衝撃は強いように見て取れた。
その十二に続く