異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

小説 『ボケ茄子の花 その三十三』

2018年05月17日 01時04分40秒 | 小説『呆け茄子の花』

『本部』の面々がニヤニヤしていたのは、尚樹が察するに

専務の前で部長がDr.に叱責されたらしいのだ、『本部』の面々は、

前から部長のことを快く思っていないため、内心胸のすく思いがしたのであろう。

「ニヤニヤ」の原因はそれでったに相違ない。

尚樹の想像は当たっていた、Dr.は「部長の下に尚樹さんを置いておくわけにいかない、

即刻部署から外して、私の直属にしてもらいたい。」とDr.は言った。

さすがに体裁上、そういうわけにもいかず、尚樹は部署内でも「治外法権」

つまりは、部長がとやかく言える人間ではなくなった。

部長はその意趣返しとして、部署の白板から尚樹の名前が入っている

マグネットを無くし、また部署内で回す回覧板からも名前を外した。

部長の性格を色濃く反映したいわば「反撃」であった。

尚樹は気付かぬ振りをして、部長に対して日々のあいさつや業務上の相談をしていた。

 

 

三十四につづく・・・

 

 

 

 

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