尚樹が剣道にエネルギーを注ぎ込んだ影響で道場生は40人を超えた。
それ以前は、2人であった。
40人を超える道場生全ての名前を覚え、ひとりひとり熱心に指導した。
尚樹は、今までの指導者とは違い膝を床に着け道場生と
同じ目線で個別に教えることを心掛けた。
他の道場と比べて初段への合格率が高く、多く輩出した為、
「初段製造工場」と他道場から言われた。
道場と会社での尚樹は、「明・暗」であった。
さて、会社を辞めた尚樹は今後のことをどう考えていたのだろう。
ひとことで言うと「ノープラン」であった。
自然に考えれば、「再就職だろう」と、おぼろげに思っていた。
そこで最近知り合った友人Y氏にアドバイスをもらった。
「社会人入試で大学入ってみれば?」というものだった。
その十一に続く
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