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警察庁 取り調べの可視化 進捗を発表

2017年05月28日 | 事件から学ぶ


捜査機関の取り調べ中の可視化(ビデオでの録画と録音)は、2016年5月に法律が
成立して、機器が導入になった警察署の施設から始めているようです。

今回、警察庁から5月25日に2017年3月末までの実施状況が発表になりました。
(警察庁なので検察での可視化は含まれていないのでしょう)




以下の毎日新聞の記事が詳しいです。(全文)

毎日新聞2017年5月25日
裁判員裁判 取り調べ全過程の可視化73% 大幅増


警察庁は25日、2016年度に全国の警察が裁判員裁判対象事件(3194件)の
取り調べで全過程を録音録画(可視化)したのは全体の73%に当たる2324件
だったと発表した。前年度の49%から24ポイント、アップした。刑事訴訟法が改正
され、裁判員裁判事件は19年6月までに全過程で可視化するよう義務付けられた。
警察幹部は「実施率をさらに高めたい」と話している。


警察庁によると、対象事件のうち、1回でも可視化が行われたのは3028件で
95%(前年度91%)を占めた。実施件数は3万9609件で、1事件あたり13.1件
(同12回)だった。


また、警察庁は昨年10月以降、「指定暴力団員に係る事件」など四つのケースに
ついて可視化する必要のない「例外」と規定しており、それぞれの件数を初めて
集計した。それによると、昨年10月~今年3月の対象事件(1432件)のうち可視化が
全く実施されなかったり、一部しか実施されなかったりした事件は324件あった。
その理由(複数回答)を捜査員に聞いたところ、「指定暴力団員に係る事件」が
89件で最も多く、「容疑者の拒否等」87件▽「機器の故障や不足」70件--だった。
「加害等のおそれ」は0件だった。


ただ、機器の操作方法を誤るなど捜査員のミスなどが原因のケースも93件あり、
警察幹部は「捜査員のミスは例外に当てはまらない。限りなくゼロにしなければ」と
強調する。


一方、裁判員裁判事件以外にも、知的障害がある容疑者の事件については可視化が
実施されてきたが、16年度からは発達障害や精神障害などの容疑者も対象となった。
対象事件3412件のうち、1回でも可視化されたのは3399件で、全過程で可視化
されたのは1982件だった。録音録画を行う機器は16年度末で約2000台が整備
された。前年度末より約150台増えたが、取り調べを行う施設の約7%で機器が
常備されていないという。




取り調べ中の可視化とは、裁判員裁判の対象の事件や検察が可視化すると決定した
事件を警察や検察が取り調べの状況をビデオやマイクで録画・録音することです。
これは、検察が証拠改ざんを行ったことが明らかになった裁判で、当時の厚生労働省
局長が無罪となった大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件があります。
この事件が可視化の法制化を加速させたと言われています。

大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件(Wikipedia)



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2017年6月3日 追加

ゴルフのタイガー・ウッズ選手が5/29にアメリカのフロリダで酒気帯び運転の疑いで
逮捕され、留置所( jail weblio )でのアルコール検査のビデオを見ました。
検査の部屋には普通の防犯カメラと集音マイクが設備されているようです。
カメラは、可動するPTZカメラ(パン・チルト・ズーム)です。多分、この部屋を常時
連続で録音・録画しているのでしょう。

以下は、YouTube へのリンク(ビデオは全部見ると10分位あります)

Video of Tiger Woods' breathalyzer test after DUI arrest.
PalmBeachPost 2017.06.02
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