雛人形等顔猪木

よく晴れた休日の午後、
リビングで『酔拳』の練習～イメージトレーニングの部～に精を出していたところ、
寝室から父を呼ぶmy娘の声がする。

用件があるのなら土産物（酒樽）の一つも携え自ら出向くのがスジであろう、
イマドキの若いモンはそんなコトも知らんのか、と立腹しながらも寝室に向かうと
十二単に見立てた赤い掛け布団を身にまとい、
ハート型クッションを扇のごとく胸の前に掲げ涼しげな表情でベッドに鎮座っているmy娘の姿があった。

なるほど、午前中に飾ったお雛様にそっくりである。

「そのまま動くな！」とだけ言い残し、
リビングに置いてあったカメラを携え再度寝室に突入、無事画像として記録することには成功したのだが、
酔拳イメトレから覚醒しきっていなかったらしく、はげしく手ブレした画像しか残っていなかった。
こんなことならカクカクした動きの『木人拳』習得を目指すべきであったな。

…なんてコトがあったのは去年の話しで、今年は箱すら出していない、お雛様♪
誰一人、今日が「モモノセック」であることを覚えていなかったmy家族なのであった。