明日、5月31日は火星が接近する日ですが、今週前半は東京では天候に恵まれない感じです。
なので、少し遡りますが28日(土)にGTL125/1200APOで火星を観測した様子を紹介したいと思います。
この日は南中近くになるとちょうど火星の名所である大シルチス・サバ人の湾・子午線湾が見えています。低空なのでシーイングの影響を受けてしまうためXO5mm(240倍)で見ると、それなりに揺らいではいますがこれまでよりは良好で、火星面の模様がはっきり確認できます。この点は副鏡による中央遮蔽がなく、コントラストが高いアポクロマート屈折は威力を発揮しているのではないでしょうか。
しかし、見え方については天文ソフト等で確認し、自身の経験や望遠鏡の性能もあって模様が確認できると感じており、小望遠鏡と経験が少ない人が火星を見た場合、言われると何となく模様があるような気がする程度になってしまい土星のようなインパクトを感じにくいかも知れません。それだけに観測することに経験を必要とする天体ですが、そのハードルを乗り越えれば、模様だけでなく、極冠や白い雲、砂嵐などダイナミックな様子を楽しむことができるかと思います。火星は観測者を鍛えてくれる天体なのかも知れません。
それを実証されたのが、以前ブログで紹介した鈴木壽壽子さんの著書「星のふるさと」でしょうか。氏の観測は口径6㎝ながら表面の様子をしっかりとらえているだけでなく、その日の情景にも触れたり、地球にも思いを馳せながら火星を見ていることでしょうか。筆者は氏には到底及びませんがそのような視点で火星と接していければ良いなと考えています。(kon)
惑星を撮影した画像は下記のギャラリーに掲載中です。
http://gototelesco.co.jp/gallery3_planet.html
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