6月28、29日に開かれた主要20カ国・地域首脳会議G20サミット)では、メイン会場のインテックス大阪(大阪市住之江区)を訪れた海外メディア関係者らに地元の文化や技術をPRする活動に、学生通訳ボランティアが一役買った。

 「ロボットが自分の体の傾きをセンサーで覚知して、バランスを取りながら動いているんです」

 28日、会場の一角に設けられた電子部品大手の村田製作所京都府)のブース。回転する玉の上でゆらゆらと揺れながら動くロボットを不思議そうに眺める外国人記者に、大阪府立大大学院工学研究科2年の塩川健斗さん(23)が英語で話しかけた。ロボットの技術は塩川さんが学ぶ航空宇宙工学と共通点があるといい、「仕組みを理解した上で通訳できた。研究も生かせてうれしい」と喜んだ。

 ログイン前の続きボランティアは大阪府内の大学などに通う英語が得意な学生ら。介護用ロボットや茶道の実演など各ブースにいる係員の説明を通訳するため、サミット開催前後を含む4日間で延べ計42人が参加した。

 追手門学院大2年でインドネシア人留学生のタティ・マリヤナ・ウィナタさん(20)は、舞妓(まいこ)とのお座敷遊びを実演できるブースを担当。「手の動き一つ一つに意味がある。ボランティアを通じて、さらに日本を知ることができた」と話した。(国方萌乃)