お寺や神社でもらえる御朱印のような「御城印(ごじょういん)」が、奈良県大和郡山市の郡山城跡にある柳沢文庫で今月から販売され、「お城ファン」の間で人気を集めている。訪問記念のお土産として喜ばれているらしく、柳沢文庫は「郡山城跡PRのきっかけになれば」と期待している。

 郡山城跡と宇陀松山城宇陀市)は2017年4月、公益財団法人・日本城郭協会の「続日本100名城」に選ばれた。これら全国の城を巡るスタンプラリーを趣味とする人も多く、柳沢文庫の受付窓口に設置してある「大和郡山城」のスタンプを押しに来た来館者は昨年度、4522人にのぼった。

 スタンプを押した来館者から、「御城印はありますか?」と尋ねられることも増えてきたが、寺前良昭館長らは何のことかわからなかったという。調べたところ、近年、お城や城跡がある地元の観光協会などが販売しているケースが急増していることがわかった。

 ログイン前の続きこのため、今年度になって郡山城史跡・柳沢文庫保存会が御城印の作成を検討し、5月に正式決定。デザインも自分たちで考え、今月1日から1枚300円で販売を始めた。

 はがきサイズで、代々郡山城主を務めた柳沢家の家紋の花菱(はなびし)が中央にあり、「和州 郡山城」と書かれている。和州は「大和国」の別称で、「大和」より響きが柔らかなことから採用された。今月17日までの2週間あまりで約100枚が売れ、寺前館長は「予想外に多い」と驚く。一度に3枚も買い求める人もいたという。

 柳沢文庫(0743・58・2171)は月曜と第4火曜休館(祝日の場合は開館)。(伊藤誠)