22世紀の気温、5.8度高くなる可能性 フランス予測
2019年9月20日06時00分
フランス国立科学研究センター(CNRS)は17日、2100年までの温暖化を予測した報告書を発表し、世界の平均気温が最大で現在より5・8度上昇するとの見通しを明らかにした。研究結果は国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がつくる報告書の参考資料となるという。
調査にはCNRSのほか、仏気象局や仏原子力・代替エネルギー庁などの研究者約100人が参加した。化石燃料に依存する形で経済が著しく発展するというシナリオでは、2100年に5・8度上昇するという。世界の平均気温は1880年から現在まですでに1・2度上昇しており、温暖化のスピードがさらに上がるとの見通しだ。
報告書は最も楽観的な見通しでも、現在から0・7度上昇するとしている。そのレベルに抑えるには、2060年ごろまでに世界全体で二酸化炭素の排出を実質ゼロにすることに加え、持続可能な開発を最優先にする国際協調の実現なども条件になるとしている。
報告書は、どのシナリオが実現するかは各国の政策によって大きく変わるとしている。
IPCCは昨年、産業革命以降の気温上昇を1・5度未満に抑えないと異常気象や自然災害が深刻化すると警鐘を鳴らしている。(パリ=疋田多揚)