◎あいだ みつを さんの詩◎
学校の就職案内の掲示板には「世界に飛び出す若さあふれる商社」給料は一万六千円と書いてあった、別に世界に飛び出そうとは思わなかったが若い会社が気に入ったし、支店が九州にもあるのもその気になった原因だったかも知れない。とにかく申し込みをした。社員総数400人 資本金4億円だった。
入社試験は簡単な論文と面接だけで、筆記試験は小論文で「最近思った事を書け」だった。何を書いたか記憶は薄いが その頃、ソ連で有人宇宙飛行が成功したばかりで、宇宙時代と国境についてと書いたと記憶している。
面接では吃驚した。相手が時の大物政治家だったからだ。
いきなり、手を見せろと言われ、じっと手のひらを見ていた彼は「不採用」と言った。理由は手のひらが体の割には小さかったのが気に入らなかったらしい。隣に座っていた副社長との会話が「こいつは労働も運動もしていないと言い切り、副社長は眠り狂四朗タイプで面白い奴と思うと小声の会話が聞えた。
◎孫娘の1年生の時の手形◎
昭和36年の暮れの事だった。オリンピックを控え、経済が急速に伸びて、中小企業が大卒を積極的に採用し、証券会社が数千人単位で大量に採用を始めた時代だから別に慌てる必要は無かった。然し、採用の通知が来た。後に副社長の長男さんが学校の先輩で応援したらしかった。体育会系でオリンピック担当大臣だった実質的にはオーナーだったその大物は元々爺の母校が嫌いだったらしい。
ところがこの話を親父にしたら何故か最高に喜んでくれた。その政治家一派を親父が戦前から私慕した政治家の集団だったからだった。
そんな経緯があって爺の会社勤めの生活が始まった。昭和37年3月1日16人の仲間と一緒だった。不思議な事に4年間仲良く一緒に遊んだ同じクラスの仲間が3人居たが内ち一人は傍系の会社に配属になった。
目白駅から新宿で乗り換え、東京駅で下車しサラリーマンが始まったのだった。入社初日に高齢の会長が会社に来て○○屋の息子はいるか? と爺の実家の屋号を大きな声で呼ばれその会長は故郷のお寺さんの出身だったそうで、大きな声で激励された。びっくりしたのは小学生時代同じ学年だった女性がOLで居たりして、会長が田舎の方あることを教えてもらった。爺の採用にも力を入れて貰ったのかも知れない。この会社で不思議な出会いが重なった。
会社には社長の席は無かった。実質的にはあの大物政治家が実質的にはオーナーだったのだろう。あの日以来一度も会うことはなかった。そして爺はあの落花生等を扱う穀物部の油脂課に配属なったのである。
所が、その年の暮れ彼の息子さんが出向先の大手商社から帰ってきたのだった。そして事件が起きて望み通りに門司支店に配属されたのだった。
学校の就職案内の掲示板には「世界に飛び出す若さあふれる商社」給料は一万六千円と書いてあった、別に世界に飛び出そうとは思わなかったが若い会社が気に入ったし、支店が九州にもあるのもその気になった原因だったかも知れない。とにかく申し込みをした。社員総数400人 資本金4億円だった。
入社試験は簡単な論文と面接だけで、筆記試験は小論文で「最近思った事を書け」だった。何を書いたか記憶は薄いが その頃、ソ連で有人宇宙飛行が成功したばかりで、宇宙時代と国境についてと書いたと記憶している。
面接では吃驚した。相手が時の大物政治家だったからだ。
いきなり、手を見せろと言われ、じっと手のひらを見ていた彼は「不採用」と言った。理由は手のひらが体の割には小さかったのが気に入らなかったらしい。隣に座っていた副社長との会話が「こいつは労働も運動もしていないと言い切り、副社長は眠り狂四朗タイプで面白い奴と思うと小声の会話が聞えた。
◎孫娘の1年生の時の手形◎
昭和36年の暮れの事だった。オリンピックを控え、経済が急速に伸びて、中小企業が大卒を積極的に採用し、証券会社が数千人単位で大量に採用を始めた時代だから別に慌てる必要は無かった。然し、採用の通知が来た。後に副社長の長男さんが学校の先輩で応援したらしかった。体育会系でオリンピック担当大臣だった実質的にはオーナーだったその大物は元々爺の母校が嫌いだったらしい。
ところがこの話を親父にしたら何故か最高に喜んでくれた。その政治家一派を親父が戦前から私慕した政治家の集団だったからだった。
そんな経緯があって爺の会社勤めの生活が始まった。昭和37年3月1日16人の仲間と一緒だった。不思議な事に4年間仲良く一緒に遊んだ同じクラスの仲間が3人居たが内ち一人は傍系の会社に配属になった。
目白駅から新宿で乗り換え、東京駅で下車しサラリーマンが始まったのだった。入社初日に高齢の会長が会社に来て○○屋の息子はいるか? と爺の実家の屋号を大きな声で呼ばれその会長は故郷のお寺さんの出身だったそうで、大きな声で激励された。びっくりしたのは小学生時代同じ学年だった女性がOLで居たりして、会長が田舎の方あることを教えてもらった。爺の採用にも力を入れて貰ったのかも知れない。この会社で不思議な出会いが重なった。
会社には社長の席は無かった。実質的にはあの大物政治家が実質的にはオーナーだったのだろう。あの日以来一度も会うことはなかった。そして爺はあの落花生等を扱う穀物部の油脂課に配属なったのである。
所が、その年の暮れ彼の息子さんが出向先の大手商社から帰ってきたのだった。そして事件が起きて望み通りに門司支店に配属されたのだった。