日本では、感動、感激続きで、濃く、重く(いい意味で)充実した時間を過ごし、無駄にした時間なんて無いと思うくらい、素敵な11日間でした。
中でも、一番一番嬉しかった、出来事。
マルティニーク と言うのは、まえに私が店長として働いていたイタリアンレストラン。
凄く素敵な建物で、内装も素敵で、本当に私の大好きなお店だった。
そこに集まってくる、社員、アルバイト、長く続く子はみ~んな優しくて、でも、とっても個性的で、心 が通じ合う 子達だった。
私がお母さん、そして2人いた社員のSさんがお父さん、そしてもう一人のSさんが大きいお兄ちゃん(←この子は今は、EMIの旦那様。)
そしてアルバイトの子達はみんな兄弟姉妹。
み~んな、私の自慢の息子、娘達だった。
素敵な素敵な家族だったと、今でも自慢に思う。
でも、去年の4月、そのお父さん役の子が…交通事故に遭って…頭を怪我して…意識不明になって…ず~っと眠り続けていました。
その事が私に伝わってきたのが一月後の5月中旬。
オーストラリアには、その事故の事も、その後の様態も届いてこないし…
様子も分からないのに、ご家族に、聞くわけにもいかないし…
それを聞いても、私には何も出来ない。
頭の中が空っぽになっちゃって、仕事をしてても、バスに乗ってても…突然涙が出てきちゃって…
私の人生の中で、こんなの初めてだった。
両親を亡くした時も、こんなには心乱れなかった。
何も出来なくて、悔しくて、泣きながら、一羽一羽祈りながら千羽鶴を折った。
「神様、私の命と彼の命、交換して!彼を起こして!!」
今年に入ってから、彼が自分で呼吸をしてる。
まぶたが動いた。
目を開いた。
手を動かした。
少しづつ嬉しい情報が入ってきてた。
日本に行ったら、絶対に会いたい!!って思ってたんだけど、行くまでに上手く連絡が取れずに…ほとんど会うことを諦めて、日本に行った。
5月23日(日) 東京まで出て来れない人たちに、名古屋駅まで来てもらって11時から5時まで、名古屋駅にいて、東京に帰ってきた。
勿論、彼には会えずに…
その日に沖縄のエミから私へのプレゼントが届いてて、「ありがとう」の電話をした。
久しぶりに長電話をした。
エミはこのゴールデンウィークに愛知に帰って、結婚のお披露目をしていたんだけど…
離婚している私は…出席…出来なかったの。
その時に、エミは彼のお見舞いに行って来たと!
彼はちゃんとエミが分かったと!!
その後はエミが彼のお母さんと連絡を取り合ってる と!!
(早く言ってよ~~!! ) …ま、エミとは必要最小限の連絡しか取り合ってなかったし、エミ達の愛知でのお披露目が終わるとすぐに私が動いて、その間はゆっくりと話をする時間も無かったから…ねえ。
なにせ、一年ぶりくらいの長電話が、この日だったんだもの
それを聞いた時点で
『逢える!逢わなくっちゃ!!!』って。
思っただけで、嬉しくって、涙が出てきて
エミに、彼のお母さんに連絡を取ってもらい、東京でのお友達との約束をキャンセルやら変更やらしてもらって28日(金)を空けて
ひたすら愛知に!!
近くの駅までお母さんにお迎えに来て貰って、病院に行って。
彼は、げっそりとやせてると思ってたら、ほとんど昔と変わらず、とっても綺麗な、いい顔をしてた。
目を開いてじっと私の顔を見た。
「Sさん、店長(私はこう呼ばれてた)来たよ!分かる?」
そしたら、彼、喋れないんだけど…分かるって 言った。
(やった~~!!もう、これだけでいいよ~~!! )
そして彼は右手にはめられてる手袋(無意識に動かしてしまうので、赤ちゃんみたいに手袋をはめてた)を取ってくれ!と、お父さんに言わないけど、言って。
私が手を握ったら…ぎゅ って握り返してくれて…
私の手をおでこに持っていく。
私は私のおでこを彼のおでこにくっつけて
「ははは、Sさんのおでこと、店長のおでこと、ペッタンコ~~!!」
今度は右手で自分の頭の手術のあとを指差す。
「そっか~、ここ、痛かったんだね~?まだ痛いの?」『イエス』
傷に手をあてて
「痛いの痛いの 飛んでけ~~!! 直った?」『イエス』
「あのね、よく聞きなさいね。あなたは今まで、あんまり努力したこと無かったでしょ?」 『イエス』
「でもね、今度は頑張らなきゃ 駄目!頑張ってリハビリして、身体 動かせるようにして、そしたら、日本語は喋れなくてもいいから、英語を勉強しなさいね!」 じ~~っと私の目を見て 『イエス』
「そしたらね、店長のとこにおいで。オーストラリアよ!今ね、私、オーストラリアでお寿司巻いてるの。あなたお寿司握れる(彼、マルティに来る前におすし屋さんでバイトしてて、マルティで時々お寿司握ってくれたの。)でしょ?」 『イエス』
「だからね、また一緒に仕事しよ! 今度はイタリアンじゃなくて おすし屋さんよ!私一人じゃ大変なの。Sさんと一緒に仕事したいよ~~!!!」
もう、泣きながら、いっぱいいっぱい、何話したのか…覚えてないけど…
30分、ひたすら話し続けて、彼のお顔触り続けて…
「店長ね、もう、帰らないといけないの。Sさん、頑張ってオーストラリアに来るって、約束!指きりって 分かる?」 『……』
私が彼の右手の小指を無理矢理引っ張って開いて、私の小指を差し入れて
「ほら、こうやって!」 ってぎゅってしたら、彼の小指が…ぎゅ って…
もう、嬉しくって嬉しくって、地に足が付いてない って感じだった
そして今度はお父さんに駅まで送って貰って、東京に帰ってきました。
ご両親が言うには、神経が戻ってきてて、身体を触られると、痛いのか、凄く嫌がるんだって。
でも、私がいた30分、私、ず~っと触り続けてた。
「あなた、触られるの 嫌なの?」 『イエス』
「でも、店長は怖いから 我慢してるの?」 『イエス』
こんな楽しい会話もした。
『神様、仏様、お化けさん…みんなみんな ありがとう 』 って叫びたいくらい、嬉しい 30分でした