大失敗に至るまで です(笑)
一通り、グラハムの部屋を見せて、説明してくれて…
「OK! これで僕の事はお終い。さあ、YASUKOの英語のレッスンだよ!何処でする?ここでもいいし、キッチンのテーブルでもいいよ。」
「メモしたいから、テーブルの方がいい。」
と、場所を移して、
「英語の何が知りたい?」
「先ず初めに、私は、あなたのレッスンにお金を払わないといけないと思う。1時間にいくら払えばいい?」
「そんなお金の話はしなくてもいい。」
「でも、私は以前プライベートレッスンを受けてて、そこでは25ドル払ってた。お金を受け取ってくれないと、次に来れない。」
「友達だから、僕はYASUKOを助けたいと思う。その気持ちにお金は要らない。」
「でも、忙しいあなたの大切な時間よ?」
「そんなの問題ない!」
「OK!分かったよ。ありがとう!
日常会話。若い人達の言葉じゃなくて、私の歳に似合った丁寧な英語。それと…お店でのお客様との失礼でない会話。それから…前置詞の使い方が分からない…
」
「たとえば?」
「う~ん、お客様をテーブルに案内する時の丁寧な言い方は? … …」
と、ここからは限りなく…
「ちょっと待って、YASUKOと話してると、時間を忘れちゃうから…」
と、彼が寝室から持って来た腕時計。
普通に普通の腕時計…なんだけど…
10分毎に 喋る
『センテンス=言葉の集まり』
『フレーズ=センテンスの一部』
『Are you ready to go? よりも Are you ready to leave? の方が丁寧』
『Would you like to pay separate? だと思ってたけど、正しくは would you like to pay separately?』
ブラ~ブラ~ブラ~(どういうスペルか分からないけど…日本語の 云々)
と、突然
「I love dogs. ワタシハ イヌガ スキデス」
「日本語ではこう言うでしょ? 英語とは逆なんだよね。だからお互いに難しいんだよね。」
凄いよ、この人!!!
で、ふと気がつくと時計が 「11時です
」
「大変!行かなくっちゃ!
」
「そうだね、気をつけて! ここから ○×道路に出るには、二つ目のラウンドアバウトを… △×して…」
(大丈夫、カーナビついてるもん!
)って思いながら…
「ありがとう!本当に素敵な時間だった
」
「来週も来るかい?」
「来てもいい?」
「勿論だよ!朝は、いくら早くても大丈夫だからね。今日は来てくれてありがとう。本当に嬉しかったョ!」
と、家を出て、車に乗って…
まずは次のラウンドアバウトまで行って、車を端に寄せて…
カーナビに次の行き先 『サニーバンクヒルズ』を入力しようとするんだけど… 出来ない
仕方なく、何処に行くのかわからないけど、ナビのお姉さんが言う方向に動いてみる…
…知ってる景色に…ならない
もう一度、カーナビを!
住所は分からないからショッピングセンターで検索しようと思うんだけど…
地域検索に…出来ない
時間は…11時20分! 歯医者さんの予約の時間
仕方がないので電話をする。
「すみません、少し遅れてもいいですか?」
「あんまり、よくはないけど…どのくらい?」
「車でとっても近くに来てるんだけど…迷っちゃってるの
」
「近いのね? じゃあ、できるだけ早く来てくださいね。」
「あ、すみません、住所を教えてください。」
「4階よ。サニーバンクヒルズショッピングタウンの。」
(だよね~。それは分かるんだよね~
)
もう一度、ナビにトライ!
(そうだ!ホーム にすれば家に帰るんだから…サニーバンクを通るはず
)
急いで 『ホーム』にセットして…
ナビのお姉さんの言うように走り始めた。
…?…?
でも、なんだか 変?
(グラハムに電話しようかな?…でも…彼の眼…見えないんだよね~
心配かけるだけだから…自分で、何とかしなくっちゃ
)
と、走れば走るほど…分からなくなる
(こりゃ駄目だ~!! もう、間に合わない~~!!) とまた、歯医者さんに電話。
「すみません、カーナビが上手く使えなくて…行けそうにないの
今日の予約、キャンセルしてもらえませんか?
」
「大丈夫ですよ。じゃあ、次はいつにしますか?」
「水曜日ならいつでも…」
「じゃあ、12月21日。」
「はい、分かりました。ありがとう!」
「家には帰れる?」
「はい…多分…大丈夫…です
」
と、歯医者さんをキャンセルしたら、ちょっと落ち着いた。
すると、歯医者さんの後で、ナオとガーデンシティーで待ち合わせてるのを思い出した。
あわてて携帯を見ると
「もう、家に帰ってきたから、いつでも出られるよ!終わったら連絡してね!」
うっひゃ~
急いで、ナオに電話して今の状態を説明した。
「じゃあ、ナビを “ホーム”に設定をするとサニーバンクを通ると思うから、そこまで出れればママ、分かるじゃん!」
「そうだね、やってみる!(…でも、さっきも…やってみたんだけど な~?…)」
もう一度、“ホーム”に設定しなおして、もう少し走る。
と、なんだか見覚えのある道路…
そこで気がついた(ナビのお姉さんは高速を使って帰ろうとしてる
サニーバンクを通る道は、高速とは逆方向だ
)
次の信号でUターンして、少し走ると、ナビのお姉さんは高速を諦めて、普通の道での案内を始めてくれた
すると、その角には…
私が、どうしても行きたかった “サニーバンクヒルズ”のショッピングタウンが
あ~あ、グラハムの言うように、彼の家からなら5分の距離だった
(あ~あ、彼の道案内、ちゃんと聞いておけば良かった
)
と、こんなふうにして、とにかくガーデンシティーに行き着いて…
ナオと 大笑い
ナオとランチをして、お買い物して、家に帰ると…
グラハムからメールが来てた。
彼のコンピュータで見せてくれたテストメールが2件。
『Hello Yasuko, I am so pleased that you can come to my place.
I love you.
Graham』
『Yes here I am again and very happy.
Love
Graham』
急いで、ありがとうのメールを書いた。
勿論、その後の大失敗は 内緒で
そうしたらすぐに返事が来た。
『 Hi Yasuko, I appreciate your email and comments. I enjoyed our time together and I am so ppleased to assist you.
I will comment on your Grammar as I think it will assist you some more. For example you typed in your note, "I had wonderful time today".
This should be "I had a wonderful time today".
Just the inclusion of that "a" in there makes correct grammar.
Also you say "I got big energy from you"
Should be"I felt much stronger from your company".
My dear Yasuko, please don't think I am criticizing you but, of course assisting you with your grammar. As I said on Wednesday I need to hear your words so I can make change to improve your grammar which is what you asked me to do. Of course I only want to help you because I love you.
That is O K, I will change my date for the following Wednesday because you need to socialize with your friends for Christmas so, next week is O K.
Love
Graham 』
なんと!
私の送ったメールの文法が…
添削されて…
「あなたの書いた文章の文法を直すけど、うっとうしいやなヤツだと思わないで欲しい。」って。
そんな事、絶対に思わないよ!!!
(でも、本当はちょっと思った ケド…笑。)
本当に、私を、読まれてる~~
私、57年生きてきて、今までにない経験を、今日した。
それも、72歳の、目の見えない彼に、物凄いエネルギーと優しい心をもらった
その凄い経験を、私の知ってるみ~んなに知らせたい!
本当に拙い文章で、伝わらないかもしれないけど…
私の感動を、伝えたい
そして、彼の望む、迷惑にならないお手伝いをしながら、
素敵な “お友達(お友達なんて、失礼?大師匠だよね~?)”を続けたい