今野敏
これまた7編の短編集。
竜崎伸也の取り巻く人々の各々の視点から書かれている。
短編なので、流れが早く読みやすい。
『竜崎署長は世間話の相手には、
最も向かないタイプだ。
結局黙って立っていることにした』
『「ナイフを持っていたので検挙しました」
「ナイフだって小さなスイスアーミーのナイフだよ。
これ銃刀法には違反ていないはずだよ。」
「銃刀法には違反品してなくても軽犯罪法で引っ張れるんだよ。危険防止の観点からナイフの携帯は厳しく取り締まることになっているんだ。」
「そんなバカなこれ1本持ってるだけでずいぶん便利なのに」』
『昔、子供たちは「肥後守」と呼ばれる折りたたみ式のナイフを持ち歩いていた。
若者が言った通り、ナイフは便利な道具なのだ。
子供たちは「肥後の上」で鉛筆を削ったり、竹とんぼなどのおもちゃを作ったものだ。
ナイフの使用法は生きていくための技術だ。
武器と決めつけるのは間違っている
だが、昨今は刃物による殺傷沙汰が目立つのも事実だ。
警察としては何か手をうたなければならないのだ』
『「スーパーで包丁買ってたんですよ。
包丁を買ったら捕まるんですか」
「一体どういうことだ」
「どういうことも、何も、、、
銃刀法に抵触する疑いがあるじゃないですか」
「買い物だろ。自宅で使う包丁をスーパーで買ったと言うだけのことだ。
それが銃刀法に違反するとしたら、刃物を売り買いすることができなくなる」
「しかしこの女性が所持していたものは、明らかに携行が許される、刃物の範疇を超えています」
「本気で言っているのか規定を超えたものであっても、『業務その他正当な理由』があれば携行できることになってるじゃないか」
「この女性が所持していた刃物が『業務その他正当な理由』によるのか調べが必要です。
さあ、調書を撮ります。いいですね?」』
2番目からの文章は全部『検挙』というお話なんだけどね。
もう、めっちゃ笑える 🤣