はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.340 デザイン×経営の最先端 デザイン思考の先を行くもの

2018-12-15 09:31:46 | お勉強


たまたまトム・ケリーの本を読んで
IDEOという会社に興味を持って、
自分の勤めている会社と比較して、
こんな会社を作れたらいいなと思っていたのが10年くらい前。

理想の組織像を求めていたが、
ビジネスプランは何もなくて、
結局、自分で会社なんてできなくて、
そっちの方が楽だから就職してしまった。


勤務先の仕事でロフトワークという会社に出会った。

ロフトワークはまるでIDEOのようにクリエイティブで、
「そう、自分はこういう会社を作りたかったんだ」と思い
ロフトワークに大きな興味を持った。

大学院のマーケティングや消費者行動論の授業で、
デザイン思考を学び、
デザイン思考にさらに強い関心を持った。

さらに企業戦略の授業で
入山先生の論文をテキストとして使っていたので、
入山先生に会ってみたくなった。
だから、このセミナーの告知を見て、
迷うことなく参加することにした。


入山先生の講義から始まり、
各務さんの講義、
そして二人のディスカッション、
質疑応答という構成。


入山先生の自己紹介の中で
いきなりロフトワークの話が出た。

ロフトワークの代表取締役 林さんが中心となり、
今年、経産省と特許庁から「デザイン経営宣言」という提案があった。

その件もあって、
WEBで林さんと入山先生との対談があったという話。

ハーバードビジネスレビューの論文から入山先生を知ったから、
研究者のイメージを持っていたけれど、
すごい気さくで、好奇心旺盛で気取らない人で、
面白い話をたくさん聞くことができた。

各務さんの視点もユニークで、
よくあるパネルディスカッションとは違う、
ディスカッションらしいディスカッションで素晴らしかった。
IDEOの話もたくさん出た。

BIOTOPEという日本の会社の話が出た。
戦略デザインファームともいうべき会社で、
マッキンゼーやボストンコンサルティングと張り合うどころか
負かすような仕事もしているとのこと。

ロフトワークやBIOTOPEのような
これからの時代を象徴する企業の研究したいと思っているので
本当に楽しくて、興味深いセッションだった。


終了後、
入山先生には挨拶できたが、
各務さんとは名刺交換できなかった。

自分のテーマの中にデザイン思考があるから、
いずれお会いする機会はあると思っている。



さて今日も入山先生の論文を読んで予習しなくては。





次回のブログ予告


SHOE DOG 靴にすべてを。



Vol.329 親鸞フォーラム〜人間とは何か〜AI×ゴリラ×仏教

2018-12-02 21:09:49 | お勉強


2018年4月21日(土)に丸ビルで開催された親鸞フォーラムに参加した。

人生なんてあっという間なもので、
以前勤めていた会社の大阪支社勤務時代に、
大阪で生まれた長男がもう16歳。

その頃仕事では自分は京都の大学をお客さんとしていた。
京都の大学は仏教をバックボーンにしているところが多くて、
京極夏彦の「鉄鼠の檻」で仏教に興味を持っていたので、
大学に行って仏教と宗派のお話を聞くことが楽しかった。

真言宗は高野山大学。
禅宗の臨済宗は花園大学。
浄土真宗、西本願寺派が龍谷大学と京都女子大学。
そして東本願寺派が大谷大学だった。

みうらじゅんといとうせいこうの「見仏記」が大好きで
京都や奈良のお寺をたくさんまわった。

関東に帰ってきて、
お寺を拝観する機会はめっきりなくなってしまったけれど、
「仏教」はやっぱり好きで反応してしまう。

それがAIと仏教と、そしてゴリラ!をテーマとして、
著名な京大の山極総長と大谷大学の学長、
そして曹洞宗の駒澤大学准教授まで加わって
親鸞フォーラムを開催するときたら
参加するしかないではないか。




フォーラムの中で、
「AIがエビデンスを持って神に変わる時代」
という発言があった。

街のあらゆるところに防犯カメラが設置され、
車にはドライブレコーダーがつけられ、
誰もが記録できる端末を常に携帯している時代。
GPSで行動が監視され、
どこからどこへ電車で移動したのかログが残されている。

言い訳の効かない相互監視時代。

そしてあらゆる判断を正義の名のもとに
融通の効かないAIが全て行う、
そんな時代が間近に迫っている。

弱者を守る観点からは、
もちろん良いことがたくさんあるけれど、
行き過ぎた正義はいつだって人を傷つける。

石ノ森章太郎のSF漫画にもそんなテーマが含まれているよね。

例えば、交通違反をパトカーに見つかって、
でも知り合いの警察官だったから見逃してもらって良かったよ、
なんて、不公平ではあるだろうけれど、
正直、良い時代だったんだと思う。

今の時代でそんなことがあったら、
知り合いの警察官がまずクビになってしまうから
絶対できることじゃない。



神がゆるしてくれても、
AIはきっとゆるさない。

正義が絶対の時代は、
つまりどんな間違いもゆるされない時代。

自分は自由でマイペースな人だから、
正しさを常に求められる社会は、
窮屈過ぎて嫌だ。

そんな感想を持ったフォーラムだった。





明日のブログ予告

川口マラソン

Vol.303 バカ田大学

2015-12-31 15:57:06 | お勉強


東京大学でバカ田大学の講義が行われている。

赤塚不二夫生誕80年記念企画のイベントだ。
講師はみうらじゅん、安西肇、泉麻人、坂田明、浅葉克己 and more(敬称略)

京都の寺子屋という企画でみうらじゅん、安西肇、泉麻人の講演を同時に聴いたことがある僕は、それと似たラインナップなので迷った。
迷った上にチケットの販売日をすっかり忘れていて、夕方にアクセスしてみたらすでにみうらじゅんの講義は完売していた。
さすがみうら先生、相変わらずすごい人気だ。

とはいえ、バカ田大学の講義があるのに行かないわけにはいかないと思った僕は、宮沢章夫講師を選んだ。
12月26日(土)に宮沢講師は連続して2回の講義を行った。
今年最後の仕事を終えて、僕が参加したのはその2回目。

目をつむって聞くと忌野清志郎の声にも聞こえる宮沢講師が語る講義の内容は「道化」と「道化とは異なる笑い」。

由利徹は道化でトニー谷は道化とは違う。
ビートたけしは道化でタモリは道化とは違う。
竹中直人は道化でいとうせいこうは道化とは違う。

内田裕也の政見放送に見る道化性。
普通の坂上二郎をボケに見せてしまう萩本欽一のエキセントリックな特殊なツッコミ。

竹中直人といとうせいこうはどう違うのか。
どうすれば道化で、道化と違うものの正体は何か。

宮沢講師がずばり答えを言うのではなくて、
資料の映像を見て、言葉を聞いて、各自がその意味を考えていく。

例えばタモリにはプライドがあって、
本物のバカだと人に思われたくはないと思っている。
すべてをわかってバカを演じているうちは道化ではないのだと僕は思った。

この人って本当にバカかも、
とお客さんが思う。

オレってバカかも、
と本人までもが思う。

そんな振り切れている人が道化であり、
そして道化には圧倒的な魅力がある。






Vol.267 ボードゲームで教育

2013-06-26 05:58:46 | お勉強



ボードゲームを子どもたちの学びに活かすというメソッドがある。
イスラエル初のマインドラボという教育プログラム。

以前から興味があったので、ちょっとだけ体験してきてみた。

僕はあまりゲームは得意ではなくて、好きでもない。
オセロと人生ゲームくらいしかやった記憶がない。
将棋も強くなくて、その割には負けたくないので一手一手じっくり考えて
勝負にすごい時間がかかる。
オセロ(今はリバースというのかな)もそう。
最初はそうでもなかったけど、だんだん時間がかかるようになってしまった。
時間がかかるから簡単に取りかかれない。
めんどくさい。
やらない。
という図式になってしまった。

テレビゲームも苦手で、
風船割りゲームは駄菓子屋で10円くらいでできたのでやったこともあったが、
インベーダーゲームはゲーセンで1回100円だったのでとてもじゃないけどやれない。
ブームが去って駄菓子屋で安くできるようになった時には上手な子との
差ができていたので、人前でやりたくはなかったし、
自分でやるより人がやるのを見る方が好きだった。

以来、ゲームはほとんど興味がない。

プレイステーションもWiiも家にはない。

そんな環境の家なので子どももゲームをやらないかというと
そんなことはない。
親の僕の目を盗んで、パソコンやiPhoneで無料のゲームを探してやっているようだ。

今回、やってみたゲームは「ラッシュアワー」と「アバロン」。
ラッシュアワーは駐車場に停めてある車を
ルールに沿って駐車場から外に出すパズルのようなゲーム。
一見不可能に見える問題が解決される瞬間の気持ちは例え難い。
ちょっと難しい数学の問題が解けた時の爽快感と近い。

アバロンは対戦するゲーム。
ルールは簡単なんだけど、
やっぱり勝ちたいので、将棋やオセロのようにやっぱり時間がかかる。
ここでは勝つことが目的なのではなくて、
ゲームの自分の戦術を振り返って、改善したり、
言葉で他の人に説明したりすることで学んでいく。

負けたくないという自分の気持ちに気づくことも学び、
勝負を最後まであきらめないということも学ばせてもらえる。

で、結局負けちゃったけど、
久しぶりにやったゲームは案外オモシロかった。

Vol.266 簿記検定の試験ができなくて、センター試験の廃止の話題について考えてみた

2013-06-10 22:49:25 | お勉強
簿記は学校とかに通わないでただひたすら過去問題集をやるという方法で勉強した。
昔から、僕はそういうやり方をしていて、それで簿記2級も合格したし、個人情報保護士もCDAの筆記試験もクリアした。もう20年も前の話ではあるが、過去問題集をやり続けただけで簿記の2級は1回のチャレンジで満点合格だった。

最初は答えを見ながらであっても、答えを暗記しちゃうくらいまで問題集をやり続けると、なんとなく傾向と対策が見えてくる。
1級は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算と4科目あってボリュームもあるので時間が掛かりなかなかそのレベルまで達しない。
何年経っても先が見えないので、今回思いきって申し込んじゃうことにした。

申し込んだら仕方なく勉強するだろうと思ったら、その通りで、確かにいつもよりは勉強をした。
試験前日の2日間は10時間ずつくらい勉強した。最後は直近3回の過去問に絞って繰り返し解いたので、それぞれ7割~8割は解けるようになった。ただし、時間がかかり過ぎるのと、ケアレスミスが多いことが課題だった。それでも過去3回と同様の問題が出題されれば何とかなるかなと甘く考えていた。
過去問10回分を勉強してきて、商業簿記は決算整理後残高試算表の問題が出る確立が高いと考えた。決算整理後残高試算表の問題ならば、パーフェクトは無理にしても7割はかたい。会計学は「のれん」の計算か有価証券だろう。社債の問題は苦手なので出なきゃいいな。工業簿記は原価差異。原価計算は「割引キャッシュフロー」の計算。とそれぞれ予想を立ててそこに特化して勉強した。
過去問をただひたすらやるやり方でしか勉強していないので、やったことがない問題が出てしまうとアウト。ちゃんと理解していればやさしい問題であったとしても僕には手も足もでないのである。そしてまんまとその通りの状況になってしまった。
商業簿記の問題が決算整理後残高試算表じゃないなんてね。工業簿記は原価差異の問題で原価計算はキャッシュフローの問題には違いなかったけど、いつもある原価係数の表がない。勝手が違うよ。

何のために簿記の試験はあるのか。

会計に関する理解度を測定するため。
傾向と対策で効率よく学習して点数を取れても実践で使えなければ仕方がない。きちんと理論と方法を理解していないと解けない問題というのは、実はそれは良問なのだろう。過去の対策だけじゃなくて未来の対策もしないといけないとしたら、学習方法から見直さなくてはならないのだから。


大学の入学試験って何のためにあるのだろう。

大学に入ってからろくに勉強しなくても、その大学に入ってさえしまえば将来何とかなる、という時代だったから、公平でさえあれば選抜方法なんて何でも良くて、入学定員まで絞ることこそが入試の役割だったのかも知れない。だとしたら一発勝負まぐれやアンラッキーもありのマークシートのセンター入試で良かったのだろう。大学で学ぶことよりも入試それ自体が目的になってしまって、高校時代は大学入試に向けての勉強をする時間になってしまった。そうした薄っぺらな試験勉強が本当の意味で勉強と呼べるのかどうかはわからないけれど、少なくとも努力をしたかどうかは測定できる。
高校や中学の時間を無駄な時間にしないように、学びの質をあげるために、大学入試が変わる必要がある、そういうことなのだろう。
だから到達度テストの傾向と対策みたいなものが表れて、効率の良い学び方を予備校や塾が教え出しちゃうと、それは思っているところと違うところにいっちゃう。

簿記だったら1級の先に税理士試験や会計士試験があって、そうした次のステージに進む基礎ができているかどうかを測る意味がある。
ただ単に試験に通りさえすれば良いのではなくて、学んできたことをこれから実践で使って行くプロフェッショナルになるのだから、まぐれで合格されては困る。

大学入試にもそういう意味がないわけじゃない。
大学で学んで行く上で学ぶために必要な基礎的能力があるのかどうかを測るということは意味がある。
理系の大学にはそういうところは多分にあるだろうし、上位の大学、リサーチユニバーシティに属する大学でも、ちゃんとしっかりと基礎学力のある学生を入学させなければ入学後に勉強についてこれないという状況がおこるだろう。

一部の大学は入試は成立するだろうけど、きっと多くの大学にとって入学試験は不要なものになる。入試が不要なら高校生は勉強しなくなるのだろうか。
そんなことはないだろう。お受験なんかなくたって小学生はちゃんと勉強する。しかも楽しく。
諸問題の解決策が到達度テストなのかどうかはわからないけど、コンセプトや意味がしっかりと多くの人に伝わるようにしつこく丁寧にきちんと説明してくれることを期待しよう。