はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.114 岡本かの子 「老妓抄」

2011-03-31 16:52:35 | 文学


岡本かの子。
岡本太郎の母親で作家である。

今年、岡本太郎生誕100年を記念しての展覧会が開かれ、またNHKで「TAROの塔」というドラマが放映されている。
僕は「TAROの塔」を見て太郎の母が作家であることを知り、興味を持って、作品を探した。
もしかしたら一生出会わない作品であったかも知れない。

それでも、実際にはこうして読んでいるのだから、仮に生誕100年でなくても、「TAROの塔」を例え見ることがなかったとしても、いずれきっとたどり着いたのではないかとも思う。

題材の選び方、言葉の選び方、突然終わる物語に美学を感じる。
上品といって良いのか、粋と言う言葉が良いのか、あるいは作家の教養の豊かさなのか、
僕の言葉では表現し尽くせない味がある。

今年、岡本太郎とともにブレイクしそうな予感。


Vol.113 岡本太郎展

2011-03-19 09:47:13 | 芸術


震災があったため書きそびれていたが、実は開催が始まってすぐに「岡本太郎展」へ行ってきた。

今年は岡本太郎生誕100年。アンディ・ウォーホールとかバスキアなんかもそうだけど、僕が子どもの頃にはリアルに存在していて、「芸術は爆発だ!」という言葉が流行したり、バラエティ番組に出たりしていたので、生きていたら100歳かと思うと少しびっくりする。

以前、文庫で出た「今日の芸術」を読んでいたので、岡本太郎展があったら行きたいな、とずっと思っていた。

太郎の彫刻は面白い。なんかウキウキする楽しさがある。
拒否する、という意味での「ノン」という作品があり、その造形が別の「河童」という作品に似ている。
僕は子どもの頃からずっと「ノン」と呼ばれている。そのうえ、ちょっと最近は「河童」に近いヘアスタイルだな、と自虐的なネタを考えて、一人でぷっと吹き出してしまった。でも誰かに話すのはやめておこう。

太郎の絵は赤と黄色が印象的でさらに濃紺が画面を引き締めている。その色の鮮やかさで、見た瞬間にはっとさせられる作品が多い。
「まひるの顔」は唯一の自画像なのかも知れない。
「美女と野獣」はどっちがどっちの影響なのかわからないけれど、赤塚不二夫とのつながりも想像される。僕にはニャロメに見えちゃうんだよね。
「装える戦士」は浅葉克己を連想した。

タモリの番組に出た映像を見ていて、なんとなく水木しげるに似てるなあと思った。
そういえば妖怪に見える絵も多い。出口近くに四方の壁一面が絵で囲まれたコーナーがあるが、僕はそこで百鬼夜行をイメージした。

グッズが充実していて、カタログはもちろん、他に紙製のコースターとポストイットを買った。
美術館の出口には、太郎の作品の海洋堂製フィギュアのガチャガチャがある。これは買いだ。早くしないと売り切れちゃうよ。(写真はフィギュアの「河童」)

地震の特番でNHKの「TAROの塔」は3回目以降を放映していないけど、これも楽しみに見ている。

Vol.112 社会人基礎力育成グランプリ2011

2011-03-09 19:28:13 | キャリア教育
今日は終日、経済産業省が主催する「社会人基礎力育成グランプリ2011 決勝大会」を見学した。

社会人基礎力とは経済産業省が提唱している「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの力。さらに12の能力要素にわかれている。
大学のゼミ、授業、研究等を通して、この社会人基礎力をいかに成長させることができたかを学生たちがプレゼンテーションをして競うのが社会人基礎力育成グランプリだ。

さて、見学した感想だが、目標や目的を持っている人は輝いているなあと思った。若さが羨ましい。

今の学生は、さまざまな活動や授業でマインドマップやSWOT分析など、親和図法など多様な会議ツールを使っていたりする。あたり前なのかも知れないけれど、学生時代にそんな経験などしたことのない僕はすごいなあと感心するばかりだ。

僕はビジネス書を読むのが好きなので「プレゼンテーションZEN」や「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」などプレゼンテーション関連の本を結構読んでいる。しかし、こうして実際のプレゼンテーションを見てみると、プレゼンにとって大切なことは何なのかをいろいろと気づかせてもらい、すごく勉強になった1日だった。

それにしても学生たちのプレゼンテーションがあまりに上手なので驚いた。スライドなんかも本当に上手に作ってある。

Vol.111 フェルメール(地理学者)とオランダ・フランドル絵画展

2011-03-05 07:18:32 | 芸術


生活は忙しいけれど、僕のクリエイティブな精神まで忙殺されてはいかんと、強行に美術展をまわってきた。

まずは東京都庭園美術館で開催されている「20世紀のポスター(タイポグラフィー)」。
東京都庭園美術館へ行くのは初めてだ。なかなかの雰囲気だが、部屋一つずつがあまり広くないので人が混んで見づらいのが残念。
バウハウス、DADA展のポスターから、ウォーホール、ポール・ランド、マックス・エルンスト、ベン・シャーンなど見どころも満載。
横尾忠則のポスターもあったが、日本人では浅葉克己のポスターが良かった。

10年前に新宿伊勢丹にあった美術館でやはり同様の展示があり、その時も僕は行っているので、家に帰ってから図録を比較したら重複している作品がほとんどだった。
なるほど、だから知ってる作品が多かったのか。ベン・シャーンもポール・ランドもすでに見ていたと云うわけだ。
だけど10年前とは僕の方が、知識や、好み、感じ方が変わっている。印象に残る作品も違うのだろう。
トイレもいい雰囲気。Ifoというメーカーの便器がクリエイティブな感じだった。

そのあとはBunkamuraに移動して開催がスタートしたばかりの「フェルメール(地理学者)とオランダ・フランドル絵画展」を観る。
宗教画、肖像画、静物画、風景画と絵が分けられていてわかりやすい。点数はそれほど多い印象はなく、ゆっくり見ても30分で充分観終わる。
この間の上野のフェルメール展と比べると少し物足りないかも知れない。
比較的最初の方のコーナーにフェルメールの「地理学者」は展示されている。
縦50cm×横40cmくらいの割と小さな作品だが、展示の仕方が良いのか、展示されているコーナーに行くとぱっと目に入ってくる。
地理学者が来ている服の色が青で、なるほどこれがフェルメールの青かと感心。その青に隠れて印象は薄いが黄色も美しい。
青と黄色が中心のフェルメールらしい絵だと思った。
まだ開催が始まったばかりの平日で、全然混んでいないという訳ではないけれど、まあまあじっくり見ることができて良かった。

肖像画の一角にバーレント・ファブリティウスという画家が描いた自画像がある。
長男が一緒に来ていたら「お父さんマイケル・ジャクソンだ。」って言っただろうなと思ってにやにやしてしまった。

Vol.110 100かいだてのいえのひみつ展

2011-03-02 06:22:39 | ライフ


実は妻が入院しているため、今は僕が主婦をやってる。主婦を初めて2週間目。
昨年の夏も会社を休んで2週間程度主婦業をした。その時は夏休みだったので、長男が実家の母親のところに行っていた。
いやあ、つくづく主婦業は大変で、世の中の主婦の人には本当に頭が下がる。

朝、早起きして朝ご飯の準備をして、ゴミを出して、子どもを起こして、ご飯食べさせて、雨戸を開けて、布団を直して、小学生の子どもを送り出して、洗い物して、洗濯して、またご飯つくって、掃除して、2歳児に昼寝させるために一緒に布団に入って、そっと起きて、洗い物を済ませたらやっと一息。子どもが起きたら買い物に行って、長男が帰ってきて、夕ご飯の準備を初めて、風呂も準備して、夕飯食って、風呂に入って、歯を磨いて寝る。の繰り返し。
忙しいし、自分の事は何もできないし、ほんとにマイルスデイビス。マイルスデイビスと云えば、「BITCHES BREW」というCD(CD3枚、DVD1枚組)を買った。

今週には妻が退院できそうだが、まだスケジュールは決まっていない。
退院してきても、すぐに全部の仕事はできないだろうから、引き続き僕が頑張らなくちゃと思っている。
それでも妻の退院は待ち遠しい。


妻が入院する前の土曜日に吉祥寺市立美術館へ「100かいだてのいえのひみつ展」というメディアアーティストの岩井俊雄展に家族で行った。
絵本を縦に開くという発想からつくられた絵本で、下にめくっていくと上にあがっていく感じになるので地上100階、上にめくると下っているような感じなので地下100階。
うちの子たちもクリエイティブなので(親バカ)、思った通り大喜びで展示にはまっていた。

岩井俊雄氏とYAMAHAで共同開発したTENORI-ONという、「音と映像を演奏する」をコンセプトにした楽器も展示されていて、少し触ることができた。以前から欲しいなあと思っていた楽器で、これを主軸にしたテクノなバンドを結成しようとも考えている。楽器は2タイプあって、プロフェッショナル仕様なら12万円くらいする。

ふと見ると、岩井俊雄氏ご本人がいる。思わず近づいて言って「岩井俊雄さんですよね?」と話しかけてしまったが、まさか本人に会えると思っていなかったので会話の準備も質問の準備も何もしていなくて、その上に緊張もあり、自分でも何を言っているのかわからないくらいグダグダな会話になってしまった。良い大人がダメダメだ。

いつかイベントなどで講演とかしてもらいたいと思っているので、無理矢理に僕の名刺を押し付けてきてしまったけれど、きっと迷惑だったろうな、変な人だなって思われただろうな、と自己嫌悪。岩井氏のブログを探してそこにお詫びをコメントを書いて何とか気持ちが収まった。以外と器小さいんだよね僕って。繊細とも言うけど。