今年はじめの花が咲きました!!!
“オレンジデュエット”といいます。
こんなに小さい株張りで咲いてしまうのはいいとはいえませんが、かわいければいいじゃないですか!
まあ、私たちの間では“バカッぱな”と呼んでいますけれど。
そもそも春の花だったパンジー・ビオラを秋に出荷して冬中楽しんじゃおうということ自体大きな間違いなのですから仕方ありません。
毎日暑いので、植えてから3週間はB棟(温室)の中で管理されて、昼間は遮光をして暑さをさえぎって、暑くて光合成もできなかろうと勝手に想像してアミノ酸資材をかけ、根っこも張れなかろうと勝手に酸素供給剤を潅注し、文字通り『箱入り娘』状態のこの子達。でも3週間しかこの楽園に居られません。そして露地に出されてしまうのです・・・・・・。
さて、そんな“バカッぱな”が咲き出したハイフラワーのパンジー・ビオラですが、毎日の露地の管理をどうしているのかというと・・・・・・
水くれは主にこのように潅水チューブで水を飛ばしています。
解りますか? よく見ると水の筋が見えませんか?
このチューブには小さい穴が規則的に空いていて、そこから水が空に向かって出てゆきます。
その水が風に揺らぐことによってシャワーのように雨を降らせてくれます。
ハボタンも気持ちよさそうです。
このチューブは10メートルの幅で水をかけてくれるのです。
パンジー達も同じように水をかけてもらいます。
そのほかに液肥(液体肥料)をあげます。
これはホースに液肥混入機をつけて、ノズルで潅水します。
これが混入機の群れ。
ここには4台、農場中には全部で14台・・・あると思うのです。
そしてこれが本体、
白いタンクには液肥の10倍液が入っています。
青い物体は混入機本体。
ここにダイヤルが付いていて、70倍から300倍の倍率で液肥を水に混ぜてゆきます。
つまりタンクの液肥が10倍なので、700倍から3000倍の液肥が植物にかかるということです。
使われる液肥は全部で15種類。
主に使うのはそのうち5種類かな。
毎日の状態と植物の好き嫌いによって使う種類と濃度は違ってきます。
B棟内で“Pi-chan”が根っこを張らせるように液肥を選んであげていたのですが、外の出してからは別の液肥に代わります。
株張りを良くして、枝を多く吹かせて、葉っぱはあまり大きくならないようにして、茎が伸び上がらずに硬くしっかりとしたいい子に育てます。
このときの液肥は「あれ か それ」になるのですが、その選択と濃度が天気とパンジー達の状態で変わります。
もちろん花色によっても変わりますよ!
パンジー・ビオラは花色が違うとまったく違う花を育てているかのように性質が違います。
花の早いもの・遅いもの、
株張りが大きくて花が咲くもの・小さくて花が咲いてしまうもの、
枝吹きがよく形が整いやすいもの・枝吹きが悪く、立ち上がってきてしまうもの、
花上がりがいいもの・ポツポツとしか上がってこないもの、
花首がやたらと伸びるもの・いい高さで花を咲かせるもの・・・etc.
液肥は手潅水になるのでそれぞれの花色によって加減して出来るだけ同じ成長をするように管理します。
そしてそれを追いかけるようにわい化剤をかけてゆきます。
わい化剤とは成長ホルモン『ジベレリン』を抑制する薬剤です。
これも花色によって反応が違うので、液肥同様色別のかけ具合で対処しないとちっちゃい品種が更にちっちゃく、大きな品種が延び延びになってしまいます。
おまけにこのわい化剤、かけすぎるとチンチクリンなパンジーになっちゃってどうしようもないことになります。
そして仕上げは『花』ですよね。
花びらが軟弱ですと雨が降ったり輸送時にシミが出たり、とろけてしまったりします。
そんなことがないように肥料も「あれ と それ」のバランスを変えて、「その」肥料も使ってゆきます。
嫁入り前なので、葉色も重要です。そんなときには「これ と あの」肥料も欠かせません。
いろいろ複雑なことを書いてしまいましたが、言葉にするとハイフラワーのパンジー作りはこんなことになっています。
でも、実際は・・・・・・気分です。 アハッ!
「今日はなんとなく肥料を濃くしたほうがいい感じがするなあ・・・。」 って。
そしてその次の日には、
「今日は肥料はあげない! 水だけにして!!」 とか。
そしてこんな複雑なことは全て“Shi-mo”に任せてしまいます。
だって大変なんですもの。 ・・・・・・ねえ。
頑張れパンジー
頑張れビオラ
そして、頑張れ“Shi-mo”
農場長は・・・こそっと見ているだけ!
今日の大作(?)はいつも農場長のブログを読んでくださっている“Yumi”さん“博士”さんのリクエストにお答えしてパンジー・ビオラの管理について書いてみました。
生産者もこれでけっこう苦労しているものなのです。
お店で花を含めた農産物を見かけたらちょっとだけ私たち生産者のことを思い出してくださいね。
“オレンジデュエット”といいます。
こんなに小さい株張りで咲いてしまうのはいいとはいえませんが、かわいければいいじゃないですか!
まあ、私たちの間では“バカッぱな”と呼んでいますけれど。
そもそも春の花だったパンジー・ビオラを秋に出荷して冬中楽しんじゃおうということ自体大きな間違いなのですから仕方ありません。
毎日暑いので、植えてから3週間はB棟(温室)の中で管理されて、昼間は遮光をして暑さをさえぎって、暑くて光合成もできなかろうと勝手に想像してアミノ酸資材をかけ、根っこも張れなかろうと勝手に酸素供給剤を潅注し、文字通り『箱入り娘』状態のこの子達。でも3週間しかこの楽園に居られません。そして露地に出されてしまうのです・・・・・・。
さて、そんな“バカッぱな”が咲き出したハイフラワーのパンジー・ビオラですが、毎日の露地の管理をどうしているのかというと・・・・・・
水くれは主にこのように潅水チューブで水を飛ばしています。
解りますか? よく見ると水の筋が見えませんか?
このチューブには小さい穴が規則的に空いていて、そこから水が空に向かって出てゆきます。
その水が風に揺らぐことによってシャワーのように雨を降らせてくれます。
ハボタンも気持ちよさそうです。
このチューブは10メートルの幅で水をかけてくれるのです。
パンジー達も同じように水をかけてもらいます。
そのほかに液肥(液体肥料)をあげます。
これはホースに液肥混入機をつけて、ノズルで潅水します。
これが混入機の群れ。
ここには4台、農場中には全部で14台・・・あると思うのです。
そしてこれが本体、
白いタンクには液肥の10倍液が入っています。
青い物体は混入機本体。
ここにダイヤルが付いていて、70倍から300倍の倍率で液肥を水に混ぜてゆきます。
つまりタンクの液肥が10倍なので、700倍から3000倍の液肥が植物にかかるということです。
使われる液肥は全部で15種類。
主に使うのはそのうち5種類かな。
毎日の状態と植物の好き嫌いによって使う種類と濃度は違ってきます。
B棟内で“Pi-chan”が根っこを張らせるように液肥を選んであげていたのですが、外の出してからは別の液肥に代わります。
株張りを良くして、枝を多く吹かせて、葉っぱはあまり大きくならないようにして、茎が伸び上がらずに硬くしっかりとしたいい子に育てます。
このときの液肥は「あれ か それ」になるのですが、その選択と濃度が天気とパンジー達の状態で変わります。
もちろん花色によっても変わりますよ!
パンジー・ビオラは花色が違うとまったく違う花を育てているかのように性質が違います。
花の早いもの・遅いもの、
株張りが大きくて花が咲くもの・小さくて花が咲いてしまうもの、
枝吹きがよく形が整いやすいもの・枝吹きが悪く、立ち上がってきてしまうもの、
花上がりがいいもの・ポツポツとしか上がってこないもの、
花首がやたらと伸びるもの・いい高さで花を咲かせるもの・・・etc.
液肥は手潅水になるのでそれぞれの花色によって加減して出来るだけ同じ成長をするように管理します。
そしてそれを追いかけるようにわい化剤をかけてゆきます。
わい化剤とは成長ホルモン『ジベレリン』を抑制する薬剤です。
これも花色によって反応が違うので、液肥同様色別のかけ具合で対処しないとちっちゃい品種が更にちっちゃく、大きな品種が延び延びになってしまいます。
おまけにこのわい化剤、かけすぎるとチンチクリンなパンジーになっちゃってどうしようもないことになります。
そして仕上げは『花』ですよね。
花びらが軟弱ですと雨が降ったり輸送時にシミが出たり、とろけてしまったりします。
そんなことがないように肥料も「あれ と それ」のバランスを変えて、「その」肥料も使ってゆきます。
嫁入り前なので、葉色も重要です。そんなときには「これ と あの」肥料も欠かせません。
いろいろ複雑なことを書いてしまいましたが、言葉にするとハイフラワーのパンジー作りはこんなことになっています。
でも、実際は・・・・・・気分です。 アハッ!
「今日はなんとなく肥料を濃くしたほうがいい感じがするなあ・・・。」 って。
そしてその次の日には、
「今日は肥料はあげない! 水だけにして!!」 とか。
そしてこんな複雑なことは全て“Shi-mo”に任せてしまいます。
だって大変なんですもの。 ・・・・・・ねえ。
頑張れパンジー
頑張れビオラ
そして、頑張れ“Shi-mo”
農場長は・・・こそっと見ているだけ!
今日の大作(?)はいつも農場長のブログを読んでくださっている“Yumi”さん“博士”さんのリクエストにお答えしてパンジー・ビオラの管理について書いてみました。
生産者もこれでけっこう苦労しているものなのです。
お店で花を含めた農産物を見かけたらちょっとだけ私たち生産者のことを思い出してくださいね。