心のままに・・・

実体験をもとに小説仕立てでお話を書いています。
時々ひとりごとも…

約束の行方・・・vol.50 ~啓太の気持ち その先へ~

2013-04-22 10:13:49 | 約束の行方


君に初めて会ったのは、高校生の時だった

気の合う仲間と集まって他愛もない話をする毎日だった

学校のこと、音楽のこと、女の子のこと・・・

僕はその頃好きな子もいなくて、もっぱら杉山や前田たちの自慢話ばかり聞かされる日々だった

“そのうち僕だって、とびきりな女の子を見つけてみせる!”と断言したものの

周りには全く気になる子はいなかった

バレンタインに妹の真理子の友達からいくつかのチョコをもらったが、中学生相手ではお話にならない

あの子達には悪いけど、全く興味がなかった

そんなある日いつも一人で熱心に本を読んでいる人を見つけた

綺麗な髪に隠れた顔が見えなくて・・・何度か振り向かせようと

亮介たちと騒いでみたが、知らん顔 なかなかこっちを見てくれなかったね

やっと振り向いてくれた時、ちょっと怒った顔をして僕たちを睨んだでしょう?

“うるさい! だまってろ!”とでも言われたようだったけど 

でも僕は、その顔にドキッとした・・・・ひとめぼれだったよ

二人きりで話せないかといろいろ考えた 君はいつもうつむいていたから 顔をあげてほしかったんだ

海が見えることを話したら、とても驚いていたね

それがきっかけで、僕は君と話すことが出来たんだ



あれから今日まで何年たったんだろう・・・



自分を失ってしまうほどのショックな出来事があった

もうだめかと思う出来事もあった

それでも今こうして君が隣にいる 美しいベールをまとって微笑んでいる

これは夢か? いいや・・・違う





エリー・・・・ 君の手は暖かいね





“僕は一度も諦めたことはない” そう言うとイチ兄ちゃんには “お前ちょっと怖いぜ” って笑われたけど

イチ兄ちゃんも祝福してくれたよ、君はどう思うかな?

ちょっとだけ怒るかもしれないね

でも、何があってもこれからは二人で・・・・





あ、そうだ・・・ さっき君が少しだけつらそうにしていた訳を叔母さんがこっそり教えてくれたんだ

僕は知っているって言った方がいいのかな? それとももう少し黙っていようか









エリー、君がどんな顔で話してくれるのか? 僕は、楽しみにしておくよ・・