お式は挙げなくてもいいって思っていたから探していなかったのに、
叔父の紹介で、急きょ式場が確保できた
“大事なことだからきちんとした方がいい”と周りの大人が口をそろえてそう言った
啓太のご両親も私たちのことがきっかけで、再び一緒に暮らすようになったと聞いている
たまたま空いていただけあって、式までには2ヶ月しか時間がなかった
無理のきく身近な人にだけ連絡をして、バタバタと慌ただしく今日の日を迎えた
気がついたかな?
とにかく今日は、笑って過ごそうと思っていたけれど、さっきちょっと気持ち悪くなった・・・
今日の日を迎えるために忙しい日が続いた 自分では疲れているだけだと思ったけれど違っていた
嬉しいけど・・・・微妙な気持ち・・・こんな私で大丈夫?
でも、“こんな私を選んでくれてありがとう” と心の中でつぶやいた
啓太にはいつ話そう・・・大事なことなのに、つい言いそびれてしまった
まだ100%確定したわけではない、でもほぼアタリだろう
言ったら慌てるかな? 喜ぶかな? どんな顔をする?
順番が違うって父には言われるだろうからしばらく内緒にしておこう
でも・・・・母や叔母・姉には、さっきばれてしまった
女は鋭い・・・
姉は「私と同じやな~」と面白がっていた
義姉の百合子さんは 「うわぁ~私が思いついた事!!現実になったんやね~」と、
嬉しそうに笑っていた
なんとなく二人で過ごしてゆく中で、自然に天使が舞い降りるものだと思っていたが、
天使は慌ててやってきたようだ
さっき総一郎の姿が見えた・・・ちょっと太ったんちゃう?
奥さんである志穂さんと一緒に来てる様子・・・志穂さんのお腹、大きかったな・・・何人目かな?
二人のお腹を見て安心した、仲良くやってるんやろね・・・
啓太の手に一瞬だけ力が入った・・・きっと啓太の方が緊張してる
ふふふっと笑った私の顔を見て、安心してくれたかな?
遠い昔あなたが言ってくれた可愛い約束
私は本気で聞いてなかったけど、あなたは約束をちゃんと守ってくれたんやね
律儀と言うのかなんと言うのかわからんけれど・・・
知らない場所での生活は少し不安もあるけど、啓太・・・あなたと一緒なら大丈夫な気がする
これからも、こんな私とあわてん坊の天使を よろしくね