屁でとんだ豆の粉
むかし、むかし、あるところに仲の良い じっちゃとばばがいてあったど。
ある日 じっちゃが庭を掃いていたら 砂の中さ豆が二粒 混ざっているのを見つけたど。
じっちゃは、すぐにばばを呼んで、「ばば、ばば、この豆一粒炒って 一粒種にするべ」
ばばは、さっそくじっちゃの言った通りに、一粒の豆を火で炒って、それからその豆をすりつぶした。
したば、じっちゃは、また
「ばば、ばば。隣がら、豆の粉を通すフルイ借りに行ってけ」と言ったど。
ばばは、「じっちゃ、じっちゃ 隣さ おっきい犬いで、おっかねして借りにいがれね」
じっちゃは、それを聞いて、まだ「ばば、ばば、したらば裏の家さ行って ふるい借りてけ」と言ったど。
ばばは、まだ「じっちゃ、じっちゃ、裏の家さ大きだ(大きな)べご(牛)いで、おっかねして行がれね」
じっちゃは、それを聞いで 「んだが、んだが」とうなずいて
「したらば、ばば、ばば、向かいの家さ行って、借りでけばいいねが(借りてくればいい)」と言ったど。
したっけ、ばばはまた 「じっちゃ、じっちゃ、そんたごと言ったって、向かいの家さ おっかね馬いで
なんとしても借りに いがれね」と答えたと。
じっちゃは、ばばの言うごどを、黙って聞いて
「んだが、んだが、したらば もういい。おれのふんどしの まねぎ(前に垂れ下がっている布)で通すべぇ」
と言ったど。 そしてじっちゃの まねぎですりつぶした豆を 通していだとき
じっちゃが「ブウーッ」と、大きな屁をいっぱつ ひってしまったど。
したっけ まねぎの上にあった 豆の粉がみんな吹っ飛んでしまって
なんも ねぐなって(無くなって)しまったと。 とっぴんぱらりのぷう・・・
敷地に咲く最後の花です。このまま枯らすのも もったいないので バケツに入れて風除室に
コメント欄閉じてます