穏やかに…シニアブログ

日常・民話など

エッセイ・歌の力

2021-02-26 18:36:15 | 日記・雑記

3・11の大震災後、さまざまなジャンルの歌い手が、被災地を訪れて歌で

励ましを送っている。仮設住宅を訪れたり、大きな会場でのコンサートなど。

歌でなにが変わるかと思われるでしょうが、被災者のみなさんの笑顔と、

一歩前に出る力を 引き出していると思う。『ふるさと』をうたうときは、

失ったふるさとへの、想いが大きなこだまとなり、テレビで見ているこちらも、

繋がっているように思い一緒に歌っている。『ふるさと』と同じように、

復興支援ソングの『花は咲く』も、同じように歌われて一日何度もラジオ、

テレビから流れ、まるで、エンドレステープのように メロディが

頭の中で流れていたときもあった。被災地にゆかりのあるタレント、

スポーツ選手らが歌う「花は咲く」は、楽曲の印税全額が義援金として、

被災地自治体に寄付されるとの事。テレビ、ラジオに流されるたびに義援金が

増える仕組みになっているそうだ。わたしもCDを購入して聞いているが、

ほんとうにいい曲だと思う。印税がどのくらい寄付されたのだろうか、

どんな形の 支援になっているのだろうか。

 

話は変わるが、去る10月わたしは、青森県深浦町で開催された

「深浦のうたごえ」に5年ぶりに参加した。うたごえに来ませんかと、主催者から

連絡をいただき迷っていたが、仙台の知人たちにも会いたかったので、

自分への褒美だと参加を決めた。久しぶりに再会した知人のひとりは、

津波に家を流され、自身も車に乗っていて波にさらわれ、

もう駄目かと思ったそうだ。

流れている瓦礫が車の窓を破ったので、脱出できて助かったと話していた。

彼女はご主人、息子さんと車で来たという。海岸線を走るときは 海を見るのが

嫌で、目隠ししてきたという。それでもうたごえに、参加したかったとのこと。

このイベントは、11年前に個人夫妻が始められたものだが、だんだん参加者が

増えて今では、深浦観光ホテルを貸し切っての開催だ。神奈川、東京、千葉、

仙台の方々が、仙台から大型バスで来られ、その数200名の 大うたごえ

交流会が行われた。

わたしは、介護でうっ積していたものを、吐き出すように歌いまくった。

一部はうたごえ喫茶スタイルで、会場からリクエストを出しながらリーダーが司会。

東京のうたごえ喫茶で リーダーをなさっているそうだが、秋田ゆかりの方とか。

ピアノ、アコーデオン、ギターの伴奏で歌う。みなさんのパワーがすごい。

どれだけ歌っても次から次へと、リクエストが出てくる。二部はフォークシンガー

横井久美子さんのミニコンサート。参加する楽しみのひとつだった。にこやかに、

パワフルにうたう、彼女の世界に引き込まれ、心に響きわたった。その後、また

みんなで歌う時間になり「友よ」をリクエストした年配の男性が、前に出て

涙を浮かべながら歌っていた。その歌に友との出来事を重ねたのだろうか。

かくして夕方6時から、日にちの変更するまで歌い、また来年会うことを約束して、

大型バス組は翌朝帰っていった。人口1万人の日本海に面した深浦町に、

ホテル貸し切りの歌のイベントは、地域おこしにも大きく貢献しているものと思う。

わたしは、胸につかえた物が取れて、スッキリした気分で帰宅。

介護にも鼻歌が出るようになった。たかが歌。されど歌なのだ。こうして

時々自分に褒美をあげながら、活力をもらい精神的にも、身体的にも維持しながら、

これからも、介護をがんばっていこうと思う。 

 

*8年前に ある所へ投稿したエッセイですが、「深浦のうたごえ」は 

昨年は、中止になりました。今年はどうかなぁ? 

「うたごえサークルおけら」で、検索すると「深浦のうたごえ」も見られます。

膨大な数の歌、楽譜が見られ たまに楽譜を拝借してオカリナ練習を。

bunbunさんと言う方が運営してます。

 

*この時は、自分で運転して一人で参加しました。それ以前は、秋田から

参加する車に 便乗させて頂きました。途中で 不老不死温泉や 道の駅に

寄ったりしながら、居眠りをしないように ゆっくり日本海に添って北上しました。

感動した歌ごえの 横井久美子さんは、今年 お亡くなりになりました。

母を看取ってから、5月になれば6年です。その2年前の事を懐かしんで・・・

 

長い文を 見て頂きありがとうございました<(_ _)>