―牛になった小僧―
昔トントのまた昔。あるところに貧乏な家があって 爺さま(じさま)と婆さまが、暮らしておったと。
ある冬の吹雪の夜「ごめんなんしょ」って戸を開けて入ってきた者があった。
「こんな夜に誰だべ」爺さまが出て行くと 土間に小僧さんが立っていたと。
「旅の小僧コだども、道ィに迷って困ってます。どうか一晩だけ泊めてくだされ」
「ありゃ、そりゃまんず、まんず大変だったな。見た通りの貧乏家で何も無いども 火っコばり あっさげ
あたりなされ」って 小僧さんを上げて 囲炉裏端に招いたと。
「まんず、お湯コの一杯も あがってけされ」って出したら 小僧さんは
よっぽっどくたびれていたもんだから 炉ふちに寝転んで お湯をすすった。それを見た婆さまが
「あれぁ小僧さま 寝で 飲むもんでないてば」って言ってる間に 小僧さんは
かわいい黒牛になってしまったと。爺様と、婆さまはビックリして 家の中の仏さまや神様に
願かけをした。したが、どう拝んでも元の小僧さんの姿に もどらない。
仕方なくその牛を わが子のようにして育てたと。そしたらこれがまた 良く働く牛で
じさまと、婆さまの暮らしがたちまち楽になったと。
隣に住んでいる欲深い爺さまと 婆さまがいたと。隣の貧乏家が たちまち福々しくなったので、
うらやましくてならないので わけを聞きにいったと。
「こっつの家で なじょして こがえ福々しくなったのか 話しコして けもさい」
っていって 小僧さんが牛になった話を聞いたと。
「オラも いっちょ真似して べごコ儲けてみんべ。まず、ごめんなんしょ」って わらわらと家に戻って
欲深爺さまに話してきかせたと。 そしてその日から 街道を通る小僧さんはいないかと
目をきょろきょろさせて待ち構えたと。 そしたら向こうから小僧さんが一人 お念仏を唱えて
やってくるのが見えたと。 欲深婆さまは その小僧さんをつかまえて「まんず、まんず一晩泊まってけさい」
って頼みこんだと。小僧さん「先を急ぐから出来ねぇ」って 断るのを 無理やり引き止め
お膳に ご馳走をたんと盛って それ食え、やれ食えってすすめながら 婆さまも食ったと。
小僧さまが「ごっつおさま」って お礼をいうと、欲深ばさまは、「お礼なのええがら。まず寝てござえ」って
すすめたと。
「食ってすぐ寝ると 牛になり申すから、寝ることぁでげね」
その小僧さんが賢い事を 言うので 婆さまは 気をもんで
「んだば、オラ先に寝で見っから、小僧様も寝でござえ」って
婆さまが寝転ぶと ありゃまぁ、すぐに年寄り牛になってしまったと。
牛になった欲深婆さまは一生、小僧さんを乗せて旅したと。
ドンピン サアスケ 人の真似するもんでねぇ・・・
*当地のお話に 牛の話が見えないので、お隣の山形県に旅した時に
買って来た民話の本より・・・
食後すぐ横になるのは、悪いことでは無いですが、睡眠状態に入ると、
胃や腸の働きが低下して、消 化不良を起こしやすくなるそうです。
みなさまも 牛にならないように ご用心くださいね(笑)
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本日(12日)当地は快晴でした。屋根の雪がほとんど落ちて その後片付けも
けっこう大変ですが、除雪機で畑の方へ飛ばし まだたくさん残ってますが・・・
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