日々是好日

楽しみあるところに楽しみ 楽しみなきところに楽しむ

白川女

2009年12月20日 | 京都
19日の朝刊に大八車を引く最後の「白川女(シラカワメ)」
が引退するニュースが載っていました。

白川女とは、京都市左京区北白川辺りから、
大八車に花を積んで、市内を売り歩く女性の事です。

最近では大八車を軽トラに変えて続けている人も
居るようですが、それらの人も時代とともに数が減り、
昔ながらの大八車で売り歩く白川女は
たった1人しか残っていなかったようです。

私が子供の頃、我が家では

「花、いらんかぇ~~」

という売り声と共にやって来る白川女のオバチャンから
仏さんのお花を買うのが慣わしで、
売り声が聞こえたら、母親に

「お花買ぉて来て」

と言われて家を飛び出し、
小銭を握りしめて出て行くと、
大八車に積まれた花から、手際良く花を選んで、
ちゃっちゃと切り揃えて紐で結び、
仏壇にお供えするお花を作ってくれる…
そんなオバチャンの手さばきに見とれたものです。

現在、
我が家の周辺には、毎朝、鷹ヶ峰や上賀茂辺りの農家から、
オバチャンが軽トラで野菜を売りに来るのですが
それも利用した事はめったになく…
(来てくれる時間帯には家に居ない…とか
買ってるのもオバチャンばかりで輪に入りにくい…
とかっていう理由もあったりして)
休みの日に、こちらから車を運転して、
わざわざ直売場まで買いに行ったりしてる…

別に、近所のスーパーでも同じような野菜は
売っているのだけれど。。。
作り手の顔が見えるところで買ってると、
何故だかとても落ち着くって言うか、
心の奥底から湧いてくる安心感があるのです。

幼い頃に、花を売りに来てくれた
オバチャンから受け取った「ぬくもり」は
いくつになっても心の奥底に残っているのかも
知れません。

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