てんもうかいかい そにして もらさず
天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。
はっきり言えば木村太郎氏の個人的な発言は、ほとんど共感できないことが多いのですが、東京新聞の連載コラムの情報は、情報としては参考にしています。
7日のコラムも納得の内容でしたので、ご紹介します。
祖国で歓迎されぬ理由
「レバノンはゴーンを暖かく迎えなかった」
レバノンの英字紙「デーリースター」電子版に3日こんな見出しの記事が載った。
「ゴーンはレバノンの成功物語そのものだが、彼が戻ったルーツの国は、これまでと違い、腐敗した政治家や百万長者に対して寛容ではなくなっている」
前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告が日本から突然帰国した際には、レバノンではヒーローを迎えるような歓迎ムードでミシェル・アウン大統領も同被告を招いて歓迎したと伝えられた。
しかしその後、レバノン大統領府はアウン大統領がゴーン被告を歓迎した事実はないと発表し、マスコミが街で拾う市民の声も同被告を支持するものばかりではなくなってきた。
その背景にあるのが、レバノンで昨年後半から続いているいわば、「遅れてきたアラブの春」の改革だ。10月には全国的に広がったデモで、サード・ハリリ内閣は総辞職し、いまだに新内閣の組閣もできない状態が続いている。
この反政府運動は、政府がスマホのアプリに課税することをきっかけで始まったが、その根底にはこの国の支配層が政治とビジネスをコネで結び私欲を肥やしていることに対する反感があったとされる。
この改革の機運が高まっているレバノンへ帰ってきたゴーン被告に対して、市民は優しく迎え入れる寛容さは持ち合わせていなかったようだ。
「カルロスさん、レバノンへようこそ」
レバノンの権威紙「アンナハル」英語版記事見出しは、ゴーン被告を日本語で「さん」付けして呼んでいるが内容は辛辣だ。
記事はゴーン氏の資産は国際刑事警察機構(ICPO)によって凍結され、どの銀行も同被告の引き出しの要請には応じないだろうと記事をこう結んでいる。
「入獄しても金が自由な日本か、自由でも金が入獄しているレバノンか、どちらが良かったか、ゴーンは考えるだろう」
イスラエルの日刊紙「タイムズ・オブ・イスラエル」は、ゴーン被告が2008年にイスラエルを訪れて商談したのは「敵国との交流」に当たるとレバノンの弁護士3人が検察当局に告発したと伝えた。
レバノンは国際法上今もイスラエルとは戦争状態が続いており、その敵国と交流すると禁錮15年以下の刑に処せられる。
こうした状況下で、ゴーン被告は親交の深い政治家の助けを期待したいところだが、レバノン政界はまだ混乱が続いており、ゴーン被告の扱いが政治的なリスクにもなりかねないので望み薄ともいわれる。
ゴーン被告、祖国へ帰り着いたもののその前途は多難なようだ。
(木村太郎、ジャーナリスト)2020.1.7
意識レベルのマイナスは、何をやってもうまくゆかず、苦し紛れにあの手この手を打ってきますが、すべて裏目に出て、墓穴を掘ります。
ゴーンも、危険を犯してまでスパイ映画さながらの脱出劇をしたものの、やはりすでに消滅(影響力が消える・死ぬという意味ではない)に入っています。
世界を跋扈するグローバルな金融資本主義、自然を搾取して金に変える資本主義経済が、長く人類の社会基盤として最優先されてきましたが、それらは今や、自然破壊と貧富の格差を助長し、あらゆるところで行き詰まりを見せています。
意識レベルマイナスは、ゴーンだけでなく、大企業の経営者や、経済関係者にも広がっています。(ただしトヨタの豊田章男社長はパワー)。この先、何が起こるのかわかりません。
今こそ、その価値を考え直さなければならない・・と気候変動とともに宇宙意識・地球意識が教えてくれているようにも思えます。
ゴーンさんが納めた保釈金15億円も全額没収。
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