NHKアーカイブ「沈黙の春〜レイチェル・カーソンの警告〜」(1999年放送)、前半はレイチェル・カーソンの業績と時代背景などが紹介されており、後半は、化学物質によって引き起こされた「化学物質過敏症」や「環境ホルモン」について。1999年時点でアメリカではすでに10人に1人が「化学物質過敏症」で苦しんでいた・・。
「沈黙の春」は、1962年、アメリカで初めて出版された。その時点で、すでに化学物質過敏症(当時はそのような言葉すらなかったが)についての言及がある。
p229
私たちの世界が汚染していくのは、殺虫剤の大量スプレーのためだけでない。私達自身のからだが、明けても暮れても数限りない化学薬品にさらされていることを思えば、殺虫剤による汚染など色あせて感じられる。絶え間なく落ちる水滴がかたい石に穴をあけるように、生まれ落ちてから死ぬまで、恐ろしい化学薬品に少しずつでもたえずふれていれば、いつか悲惨な目にあうとも限らない。わずかずつでもくりかえし、くりかえしふれていれば、私たちの体の中に、化学薬品が蓄積されてゆき、ついには中毒症状に陥るだろう。
私たちの世界が汚染していくのは、殺虫剤の大量スプレーのためだけでない。私達自身のからだが、明けても暮れても数限りない化学薬品にさらされていることを思えば、殺虫剤による汚染など色あせて感じられる。絶え間なく落ちる水滴がかたい石に穴をあけるように、生まれ落ちてから死ぬまで、恐ろしい化学薬品に少しずつでもたえずふれていれば、いつか悲惨な目にあうとも限らない。わずかずつでもくりかえし、くりかえしふれていれば、私たちの体の中に、化学薬品が蓄積されてゆき、ついには中毒症状に陥るだろう。
警告は本当になる。
その唯一の治療法は、化学物質のない部屋で、患者は体を動かしてひたすら汗を流して、体の中の化学物質を汗とともに排出するというものだった。
「アメリカで起こったことは、10年後に日本でも起こる」とは、十数年前講演を聞いた松居和氏の言だけれど、そのとおり、それは日本でも他人ごとじゃなくなった。2009年、日本でも患者数推定70万人(当時)と言われる「化学物質過敏症」が厚労省に保険適用されることになった。
化学物質過敏症に健康保険の適用が!
「沈黙の春」が出版されたおかげで、DDTなどの毒性の高い農薬は、アメリカでは使用中止になった。しかし個人個人で意識的に注意しなければ、現代社会では、かつて彼女が書き残してくれたように、化学物質の中毒状態になってしまう可能性があるのです。
私たちは、あれ以来、今もずっと、2つの道を選択できる自由がある。どちらに向かうかは自分次第。
資本家の手の中で、おどらされ何も考えず、言われるままに行き続ける金融資本主義の道。
もう一つは、共生と持続可能で安心できる、体が喜ぶ心が喜ぶ選択をする里山資本主義の道。
政治に期待が持てなくても、私たちには、選べる自由があることを喜ぼう。
ところで、ウィキペディアによるとレーガンとブッシュ(父)の共和党政権の時は、レイチェル・カーソンに対して改めて疑問を抱く政治学者により、彼女の死後まで批判がなされたという。これは、まさに資本家の政党である共和党のわかりやすさというか・・・。
今、日本でも、命よりもお金を優先する経済界の政党である安倍政権によって、原発推進が巻き返されているのとそっくりです。
ミキコさんが10件目の本屋さんで手に入れたという、その情熱もすごい。そのような気持ちになれる本に出会え、またぼろぼろになるほど読み込める本に、出会えることは、人生に何度もないのではないでしょうか。自分の人生を変えた人との出逢いのようでもありますよね。