このところ、老子の言葉に心がゆるんでゆきます。
以前は、老子も孔子もなんのこっちゃ?と、区別がつかなかったのだけど・・・ヽ(´o`; オイオイ
最近、老子の良い本にめぐり会い、読み進めるたびに、老子への共感が増えました。
「自分は何者かにならなければならない」とわけもなく思いこみ、追い立てられていた若いころには、きっと理解できなかったかもしれない老子の思想に、今すごく心が納得するのです。
右肩上がりの戦後の日本の復興期、高度経済成長期、バブル期、老子の思想は社会が受け入れにくかったかもしれません。しかし、行きつくところまで行ってそれからどうするの?という現代の行き詰まり感はどうでしょうか。今の時代こそ、老子の思想が求められているのかも。
出(い)ずれば生、入れば死 (老子五十章)
-------- 常識を出ると自由になる
【解説】
満ち足りすぎると死に至る
世の中の人が「いい」といっている考え方から抜け出ることができれば、自由に生きることができる。世の中の人が「いい」といっている考え方に、のめり込んでしまうと、自由を失って死んだようになる。
現代人の大半は、いい学歴がいい人生に直結する、と考えている。小学生の後半から塾に通って、知識を詰め込む。幼少から、努力をする態度を養うのは、悪いことではないだろう。が、詰め込み教育に深入りすると、時に絶望的な失敗をすることになる。
その生を生とするの厚きをもってなり (老子五十章)
人間は「もっともっと」と、あまりに満ち足りた「いい生活」をしようとしすぎて、かえって、逆の結果を生むことになる。有名中学、有名大学、有名大会社に就職をして、部長や専務に昇格できずに、心の病を得たり、ときに、自分で生命をそまつにしてしまう。
上記出典 「老子・荘子の言葉100選」境野勝悟(三笠書房)
上記は、五味太郎さんの「とび箱人生」にも通じるところがありますね。
【追記】 3.14
老子の翻訳は難解ですが、この本の境野勝悟氏の解説は秀逸だと思います。
境野氏の中で十分に消化されているから、現代人にもすぐわかるたとえが、出てくるのでしょう。見開きで、右の老子の言葉、左に解説、ページを開いたところから読めます。荘子の言葉も、おもしろくて納得!お値段もお手ごろで、お勧め本ですよ♪