津原泰水の「ヒッキーヒッキーシェイク」という小説。
百田尚樹の盗用問題に噛み付いたせいで出版社から文庫化拒否されたところを別の出版社が意気に感じて代わりに出版したというエピソードで衝動的に買いました。
というメッセージと共に、とある人より、1冊の文庫本が届きました。
ご存知の方はご存知の案件だったかもしれませんが、あまり詳しいことは知りませんでした。上の言葉で、ざっとした経緯は理解しました。
百田尚樹といえば、韓国ヘイトも辞さない安倍さんお気に入りの作家であることは承知しています。盗用問題とは「日本国紀」という日本会議御用達の著書にあるウキペディアからの盗用についてでしょう。それを指摘した作家さんが、出版社から嫌がらせの憂き目にあったと。
検索しました。こちらにより詳しい内容が・・。
幻冬舎出版中止トラブル、作家・津原泰水さんが明かす、日本国紀と、盟友だった担当編集者の「変節」
https:://www.huffingtonpost.jp/entry/storyt_jp_5ce28a05e4b09e057807e725
https:://www.huffingtonpost.jp/entry/storyt_jp_5ce28a05e4b09e057807e725
それはそれとして、せっかく届いた本だからと、軽い気持ちで読み出したのだけれど、ストーリーの展開のテンポが小気味よくて、特に後半からの勢いといったら、次が気になって止められなくなってしまいました。面白かったです
・・途中から頭の中で中心人物のイメージが、勝手に宮藤官九郎さん(353P)が動いてるみたいに重なってきたけど、まあ、それは読んだ人の感覚それぞれと思いますので、気にしないでください。
読み進むほどに、引きこもりの皆さんたち一人一人の個性が際立ち、それぞれを応援したくなる、愛しくなる。
久しぶりに小説を読む面白さ、思いだしました。「ヒッキーヒッキーシェイク」(323P)
323pは 意欲と希望 。
まさに物語の読了後、この2つの言葉通りの幸福な気持ちに満たされました。
ハヤカワ書房の編集者さんの選択はあっぱれでした。帯に書かれた言葉もいい。
(抜粋)
この小説が読者に受け入れらないのであれば、もはやこの世界に文芸なるものは必要なく、僕が編集者でいる意味もない。
「人にこのような美しい感情を抱いてもらうことこそ、文芸の価値はあるのだと」。
「人にこのような美しい感情を抱いてもらうことこそ、文芸の価値はあるのだと」。
ツイッターでも、本屋さんたちの矜持を感じます。
☆文庫☆品切れておりましたハヤカワ文庫「ヒッキーヒッキーシェイク」(津原泰水さん)が再入荷いたしました!(๑˃̵ᴗ˂̵)و文庫エンド台新刊話題書コーナーにて、早川書房編集さんの「覚悟」パネルで展開しております!皆様ぜひご一読ください! pic.twitter.com/82npVbshlz
— 旭屋書店新越谷店 (@AsahiyaSinkosi) 2019年6月18日
「ねぇ店長、どーして大きなお店はいっぱい持ってるのに、うちには一冊もないの?うちにも並べたいよぉ…」「もうっ!そんなに大きなお店がいいなら、大きなお店の店員さんにおなり!」という切ない会話が何度も繰り返された末、津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』、本屋プラグにも遂に入荷!📚 pic.twitter.com/W5DAh5mSQu
— 本屋プラグ (@books_plug) 2019年6月18日
東山堂都南店 6/17~6/23文庫週間ランキングにて、店長イチおし中の『ヒッキーヒッキーシェイク』(津原泰水/ハヤカワ文庫JA)が第1位となりました。お買い上げいただいた皆様、ありがとうございます! pic.twitter.com/Ex90Hgh1VD
— 東山堂 都南店 (@tosando_tonan) 2019年6月26日
言葉って人を傷つけるけど、人を励まし喜びを与えてくれるのも言葉だから・・・
言葉を大切にしたいですね。こんな時代だからこそ、よけいにしみじみ思います。
おまけ 登場人物にちなんでベタですが・・
スカボローフェア【訳詞付】 - Simon & Garfunkel
スカボローフェア【訳詞付】 - Simon & Garfunkel