三人の都合と お天気が折り合わず
夏に行き損ねた 鹿島槍ヶ岳です。
今日は雨の確率が高いというのですが、予報では 翌日、翌々日は晴天 だそうです。
交代に運転しながら 扇沢近くまで来ると
予報どおり 霧雨が降っていてます。
紅葉を先取りしたような レインウェアを着て
爺ヶ岳登山口 と看板のあるところから
柏原新道を 登りはじめました。
樹林帯の急登では、タケシマランやユキザサらしき赤い実、ゴゼンタチバナの花と実
リンドウ、アザミ、さらにはカライトソウなどが 沈みがちな気持ちを励ましてくれます。
やがて 左手に岩小屋沢岳への尾根が見えてきました。
ここで休憩中のご夫妻は、今朝 柏原新道を登り、爺ヶ岳まで行ってきたとか。
登山に対する考え方やスタイルは、人それぞれですが
日帰りだったら、こんな雨の日には 行きたくないなぁ・・・ と思った三人でした。
八ツ見ベンチ、ケルンを過ぎ、岩だらけの道や石畳、 ガレ場をトラバースして
ようやく
種池山荘に着きました。
今日は、ここに泊まります。
種池山荘と爺ヶ岳南峰/山荘前から針ノ木岳方面
夕方になると、少しガスが晴れてきて、爺ヶ岳もなんとか見えました。
小屋で見た 翌日の天気予報には、傘マークが付いていましたが
何とか好転してくれることを祈りましょう
カライトソウ/ミヤマコウゾリナ/オヤマリンドウ
* * * * 二日目 * * * *
目覚めて 外を覗くと、やはり雨が降っています。
残念なことに、お天気の回復は遅れているようでした。
ガスが濃くなったり薄くなったりの中
爺ヶ岳へ向かっていくと
ハイマツの中には
黄色や赤に色づいた葉が見えています。
お天気なら さぞ綺麗な景色なのでしょう。
爺ヶ岳山頂は 真っ白で何も見えず、写真を撮っただけで 通過しました。
北峰を巻いて進む道では、ウラシマツツジの見事な紅葉にうっとり
その先の冷乗越では、崩落したような崖の上に、冷池山荘がかすかに見えました。
ウラシマツツジ/冷乗越
100mほど下って 潅木の間を登り返すと、山荘に出ました。
宿泊手続きをし、 小休止してから、布引山へ向かいます。
山頂に着くまでには、何とかお天気になってほしいなぁ・・・
その後も、視界は変わらず
登山道わきにお花が見える程度で
わずかに咲き残る、ミヤマキンバイやイワオトギリ
イワツメクサ、ハクサンイチゲなどが
こんなときには、心強い応援団です。
布引山山頂も、やはり真っ白でした。
時折薄日が射したり 青空が見えかかったりと、お天気は回復しそうでも 相変わらずガスはとれません。
展望のない稜線を、時折 時計を見ながら ただ黙々と歩いて行きます。
ようやく 鹿島槍南峰に着くと、隣の北峰がわずかに見える程度で
待っていても ガスが晴れる望みは薄そうです。
南峰から北峰を望む
せっかくなので、北峰にも行ってみることにしましたが
北峰へは、これまでの 緩やかな道とは一転、こんな岩場を下ります。
二人が下りてくる南峰
途中 八方キレットへの分岐があり
右手に少し登った北峰でも、当然のことながら、眺望はありませんでした。
がっかりしながら 北峰から南峰へ戻る途中では
一瞬 大きな五竜岳が現れ、 剣岳も見えかかってきて
剣岳/鹿島槍南峰で
このまま回復するかと期待したお天気ですが
少しの間見えていた剣岳は まもなく隠れ、青空もなくなってしまいました。
チングルマ/ライチョウ
そして下りでは またガスに覆われ、最後には小雨まで降りだしてしまい
今回の山行では、冷池山荘と鹿島槍ヶ岳間の眺望を目にすることは できませんでした。
山荘に着くころには いつもの頭痛がしてきて、お部屋で横になっていると
「 晴れてきて、みんな見えてるわよ~ 」と、Nさんが呼びに来ました。
あわててかけつけたテラスからは
布引山と鹿島槍ヶ岳の双耳峰が輝き
爺ヶ岳は、 北峰、中峰、南峰まで、スッキリ見えていました。
雨の中を歩いたご褒美だね
あきらめかけていた 眺望に、みんなうっとりと見入っていました。
山荘二階からは、夕焼けを見ます。
立山に沈んだ夕日
あと半日早く、お天気が回復していたら・・・
でもそれは、考えても仕方ないことでした。
ハクサンイチゲ/ミヤマダイコンソウ/ヤマホタルブクロ
ネバリノギラン/チシマギキョウ/イワベンケイ
* * * * * * * 鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳(2) に続きます。