少しの間、黙っててくれないか!
僕は、そんな事を僕に向けて言う。
あるいは俺が、僕に向けて言うように語る。
物語は、いつもえんえんと僕の中でだけ語られる
僕の感覚でだけ、僕のカメラ目線の物語が映写機を回すように。
そしてその言葉を囓った分だけ、
僕は僕らしさを失う、
かつてどこにでもあった風景に宿る遊びたい盛りのエネルギーも
夜になって真っ暗になるまで時計を見ないで遊び続ける土の踏み場も
土管の中をぐるぐる回って世界が変わり続けるのを楽しむ目線も
いつもいつも、僕は僕を黙らせることによって何かを失う。
ずっと背景に、
きっと背景に、
何かを。
きっと僕は何かを、そこに置き忘れ続ける。
そうやって、僕の呼吸や歌は、遠く遠く溢れ続ける水の無い宇宙へ吸い込まれていく。
ありふれた場所が、
決して渡ることの無い意識が、
誰にも会ったことの無い宇宙が、
きっとどこかへ、
寒い夜を愉しむように溢れ続ける。
僕が、僕だけが、
この世界に生まれた命であるなら
僕は、この広く狭い宇宙で、
いったいなにをやって遊ぶ?
何をして何を知ったと誤解で遊ぶ?
跳ねる雫の中に映り込んだ透明な僕の顔も
苦みを噛み潰して泣き叫ぶほど遊び拡がる魂の迷路も
ずっと僕は僕の宇宙から出られない。
「ここには居たくない」
そういう誓いが。
ずっと、そういう誓いが。
僕を、僕だけに会わせ続けて
出られない
ずっと出られない風景球の迷路が
僕等の魂を汚し続けて
なにがなくとも
なにかがなくなくとも
なにがなにかになくなくとも
かつて、
あふれつづけて、
永遠に、出会い続ける
僕が創り出した兄と、
僕が取り出した弟と、
僕を取り囲むひとりぼっちの兄弟がいるかのように
回り続ける。
この場所で。
ずっと周囲を照らされて。
あがないがなくとも
人は困るほどに溢れていて
誰かを踏み潰さなくとも
いつだって悲鳴は僕の耳に届いてる
明日が忘れられなくて。
ずっとずっと明日を想い続けて。
苦いにがい、思い出の中に身を浸して
夜だけを、数え続けるのだとしたら
僕は、僕の理想郷で
ひとりぼっちで朽ち果てる。
夜が怖いんじゃない
闇が怖いんじゃない
黒が怖いんじゃない
ただ、僕はここに僕しか居ないと確かめるのが怖い
そうやって、なにもない場所で死んでいくのが怖い
せめて、生きてきた言い訳が遺書を汚すかのように
記号によって並べられた、誰も居ない迷宮を、
誰かに、ブラックホールのように思わせることが出来たのなら
僕の嘘は、まるで君の為に。
明日、夜を数える君が、
まるで僕に会えたと錯覚するように。
ここに、僕たちの魂を刻んでいこう。
夜が明けて、魂が光に焦げる、その時まで。
僕は、そんな事を僕に向けて言う。
あるいは俺が、僕に向けて言うように語る。
物語は、いつもえんえんと僕の中でだけ語られる
僕の感覚でだけ、僕のカメラ目線の物語が映写機を回すように。
そしてその言葉を囓った分だけ、
僕は僕らしさを失う、
かつてどこにでもあった風景に宿る遊びたい盛りのエネルギーも
夜になって真っ暗になるまで時計を見ないで遊び続ける土の踏み場も
土管の中をぐるぐる回って世界が変わり続けるのを楽しむ目線も
いつもいつも、僕は僕を黙らせることによって何かを失う。
ずっと背景に、
きっと背景に、
何かを。
きっと僕は何かを、そこに置き忘れ続ける。
そうやって、僕の呼吸や歌は、遠く遠く溢れ続ける水の無い宇宙へ吸い込まれていく。
ありふれた場所が、
決して渡ることの無い意識が、
誰にも会ったことの無い宇宙が、
きっとどこかへ、
寒い夜を愉しむように溢れ続ける。
僕が、僕だけが、
この世界に生まれた命であるなら
僕は、この広く狭い宇宙で、
いったいなにをやって遊ぶ?
何をして何を知ったと誤解で遊ぶ?
跳ねる雫の中に映り込んだ透明な僕の顔も
苦みを噛み潰して泣き叫ぶほど遊び拡がる魂の迷路も
ずっと僕は僕の宇宙から出られない。
「ここには居たくない」
そういう誓いが。
ずっと、そういう誓いが。
僕を、僕だけに会わせ続けて
出られない
ずっと出られない風景球の迷路が
僕等の魂を汚し続けて
なにがなくとも
なにかがなくなくとも
なにがなにかになくなくとも
かつて、
あふれつづけて、
永遠に、出会い続ける
僕が創り出した兄と、
僕が取り出した弟と、
僕を取り囲むひとりぼっちの兄弟がいるかのように
回り続ける。
この場所で。
ずっと周囲を照らされて。
あがないがなくとも
人は困るほどに溢れていて
誰かを踏み潰さなくとも
いつだって悲鳴は僕の耳に届いてる
明日が忘れられなくて。
ずっとずっと明日を想い続けて。
苦いにがい、思い出の中に身を浸して
夜だけを、数え続けるのだとしたら
僕は、僕の理想郷で
ひとりぼっちで朽ち果てる。
夜が怖いんじゃない
闇が怖いんじゃない
黒が怖いんじゃない
ただ、僕はここに僕しか居ないと確かめるのが怖い
そうやって、なにもない場所で死んでいくのが怖い
せめて、生きてきた言い訳が遺書を汚すかのように
記号によって並べられた、誰も居ない迷宮を、
誰かに、ブラックホールのように思わせることが出来たのなら
僕の嘘は、まるで君の為に。
明日、夜を数える君が、
まるで僕に会えたと錯覚するように。
ここに、僕たちの魂を刻んでいこう。
夜が明けて、魂が光に焦げる、その時まで。