嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

わだかまりを結ぶことが出来ないねじれ(僕)は、全てを断ち切る。

2006年07月30日 17時22分03秒 | 駄文(詩とは呼べない)
僕にとって今、二番目に大事な事は一体なんだろう
一番大事なことはいつも言葉にならないからわかる
だけど二番目に大事な事は、いつも燻っていて 混乱していて 渦を巻いていて
絡まってばかりの ぐるぐる回る天秤のような 切れそうな 糸くずのようで
火を付けるよりも、僕はちぎり取る事を
いつもいつも願っているような気がする

例えば左胸が急に痛くなった時も、
縮こまるよりは 真っ直ぐに外へ向けて 全てが放射状にあるように
体を突っ張った方が
とっとと全てが終わりそうな気がする

現実の問題は、どれくらい僕を汚して
どれくらい僕をもぎ取ってゆくのだろう
そして僕の物語は
どれくらい現実に疑問を投げかけるのだろう

波がいつも揺れている
音はいつも喧噪や雑音を繰り返している
それでも僕の中で時間は
いつもずっとずっと遠くで流れるカセットテープのように
宇宙の遙か遠くで止まったまま再生されているかのような
そんな錯覚を憶える

錯覚が、僕の中で二番目を決めるのだろうか
それとも、僕の中に二番目なんて感情はありはしないのだろうか
一番大事な事さえ出来れば
二番目以降なんて僕にとってどうだっていいことばかりなんだろうか

約束は、どれくらいの人の中で交わされるのだろう
そして約束は、暗黙であることの約束は、
どれくらいの無言の中で語られるのだろう

今日一日、ずっと自分の殻の中に閉じこもった僕が居ても
約束は、僕の為に僕を壊しに来るのだろう
ありふれた幻覚の中で
周り中の嘘と共に数えられた偽善だけが
現実と名付けられた風景の中で遊ぶような気がする

閉じ込められた牢獄の中の記号は
決してその世界から抜け出すことは出来ず
僕が居なくなっても形を叫ぶといいかもしれないな、と
僕が僕だけを面白がっている

いつも夢ばかりを見ている人間なんていない
いつも現実の事ばかり考えている人間も居ない
そして同じように全ての現実が見えている人間がいないように
全ての物語を追うことが出来る読者もまた、ここには居ない。

それは僕にとっての絶望なんだろうか
それとも僕にとって、意識の不在なんだろうか
斜めに立てかけられた戸が、
しつこく悲鳴をあげてノックを叩く。
音を声にするために、閉じられた壁の向こうで、
崩壊ばかりを叫ぶ

僕は何もすることが出来ない
戸が破られた瞬間に、全てを切断するために用意ばかりをする。
死に神のカマを背負って
自分を振り回して気が狂うだけ。

失われた手がかりを求めて。

2006年07月29日 02時47分52秒 | 物語
多分、中学生の頃だったと思う。
手塚治虫の「ネオ・ファウスト」を読んだのは。
小学生だったのかもしれない。

それまで僕は、漫画が突然終わるなんて、考えた事も無かった。
物語はいつも、始まりから終わりへ向けて流れるものだと思っていた。

ネオ・ファウストはMW(ムウ)と同じような悪意を魅せながらも
それでいて何かを知ろうとする薄明かりのような、
人生にとって重大なヒントを与えてくれる物語の一端を担っていたように思う。
当時の僕は、本を読んでいる最中に、残りのページ数なんて、
きっとほとんど見てなかったんだと思う。

唐突に終わったその物語は、
あるセリフを強烈に僕に印象づけた。
「あの子に救いをーーーっ!」

それは誰かの声だったけど
誰の声だったのかはわからない。
主人公の声だったのか、手塚治虫の声だったのか、
あるいは未来を知りたいと願う、当時の僕の心の声だったのか。

僕は手がかりを探して手塚治虫の末期作品を特に注意深く読んだ。
そこに彼の何かが残されている事を探して。

ある日姉貴から、奇妙な朗報を聞いた。
ネオ・ファウストの描きかけの原稿が載せられている本があるという話。
下書きの鉛筆スケッチのような状態でそのまま載せられている珍しい本があるという話。

僕はあちこちの本屋を探した。
それはネオ・ファウストの文庫版だった。
僕が読んだ愛蔵版(ハードカバー)とは違っていて、
そこには死にそうな彼がネームのまま
机にかじりついて残した構想が曖昧な輪郭のまま、
ただ空想を掻き立てるヒントのように、
破壊された化石のように、
死んだ遺跡のようにそこに散乱しているだけだった。

そこに書かれている冷静さも欲望も
知への挑戦も、失われた若さも
全てが断片化された風景でしか無かった。

僕はドキドキしながら読んだ。
焼き付けるように、貪るように、
そしてまた全てを忘れるように。

今、彼の遺した世界で、
僕は物語だけを追っている
いつまでもいつまでも、終わるばかりの物語を読んでいる

劇場版ファウストの原稿からNHKが予想して作ったアニメも
どこか遠く虚しく僕には響いた。

「殺せ。殺せ。殺せ!」
「努力した魂の輝きを奪うことだけは出来ない」

それらは僕にとって
どれくらいのヒントになったのだろう。
犯人が自分だとわかるほどには
僕は何も事件を理解していない。

僕にとって物語は、いつも断片化された奇蹟でしかない。
遠く遠く終わりを告げる星座の、
死にたがる最後の光でしかない。

それでも僕は、何かを書くんだろうか?

砂時計の砂を飲んで眠れ

2006年07月19日 01時36分54秒 | 駄文(詩とは呼べない)
ずっと夢ばかりを見てきた。
たぶん今でも 握ったまま ずっとはなさない
このままずっと
誰にも言わないように
遙か遠くにある、僕だけに、語りかけるように
ずっと
夢だけを
手放さないように
無くさないように
誰にも話してしまうことが、決してないように

疑われてもいい
頭がおかしいと言われてもいい
僕だけが
決して僕を裏切らないように
誰にも見破られないような嘘を
ずっと
ずっとずっと

これからも
今も
昨日も
明日も

だから
   今日も
僕は
  嘘吐きなままで

ここに、何かを、
僕を、騙し続ける

それでも。

なにもかも。

投げ出したい

逃げ出したい

そんな僕が、誘惑と、屁理屈を
恐ろしいほどに、くみたてはじめても
誰かが、ずっと僕に
耳元で
囁き続ける。

その嘘を
その嘘の中にある、本物の嘘を
ずっとずっと聞いてるうちに
僕は眠くなって

もしかして、僕は生きてるんじゃないかって
儚い期待を
淡い欲望を
抱きそうになったりも
するのだと言い聞かせる音もあるのだけど

僕は
僕だけは
僕の魂を鎖で契って

切断するように
約束を守るように
失われた糸だけを紡ぐように

何かを
何か大事なことを
はやく思いだせって

わんわん頭痛がわめくように
抗い続ける。

僕だけに見える頭痛が
僕だけに聞こえる幽霊が
僕だけを握りつぶす足音が
僕だけを通り過ぎる水音が

頭が割れるような隙間の針から
死にかけた時を思い出せと
はやく死んだことを思い出せと
逆らい続ける

もう、夢なんかみない
もう、昨日の事なんか考えない

だから

せめて今だけは

現実のことなんか
誰にも教えないでくれ。

ずっと秘密にしててくれ。
キミだけの、その現実は
誰にも語らないでくれ。

そのままずっと。

呑み込んで
死んでくれ。

お前なんか
居ないって

そう言ってくれれば

僕は。

安心して眠れる

今日、明日も昨日も心配せずに
ここで。
僕の為に
ずっと疲れたよって
歩くことをやめて

心配するような鼓動をやめて
もう、心配要らないよって
鋼の刻をとめるように

安らかに
眠って土になりたい

僕は。
僕が忘れることが出来たなら

深く深く安心して
誰かのことなんか考えずに
宇宙も人間も忘れて

とおくとおく眠ってゆける

疲れたよ。

君と話すのはもう疲れた。
終わらないんだ。
この話は。
もう何度も言ったじゃないか。

俺は死んだって。
もう、死んだって。
はやく忘れてくれ。

俺を死なせてくれ。

俺は!

僕とおんなじで、、

「『時計が嫌いだ。』」

とーてむぽーるの文化が突き刺さって泣いた日のように。

2006年07月16日 22時30分05秒 | 駄文(詩とは呼べない)
あまりうまく潜る事が出来ない
何度か試したけれど掴み取ってくるのは肉塊が毒に当てられたような言葉ばかり。

生を呪うような言葉しか出てこない

だんだんと、自分の弱さばかりを自覚するようになる
正直言って、死ぬのはやっぱり怖いと思う。

それでも死ななければならない、と強く思う。
意志なのか、欲なのか、使命なのか、そんなことはよくわからない。

ある意味では、「約束」という言葉が一番近い。
自分が自分であるための。
あるいは自分が不在であるための。

指を何本切れば、痛いと感じることが出来るだろう
針を何本刺せば、自分が馬鹿だと気づくことが出来るだろう

もう既に、壊れてしまった形への執着が、
閉じられた時間を創り出し、
やがては観念から行動へと成長し、
形の崩壊へと至るまでに、
そうそう長い波長は要らないだろう。

最後に使う言葉を選んではいない
最後に名付ける言葉も
最後に呼ぶ名前も
最後に出会う人さえも、
何も決まってはいない。

まさか最後に自分の名前を叫んだりはしないだろう。
そんなことを思って、最後の風景の色を確かめたいと思う。

世界とは名ばかりの、形を失った変化の地獄。
苦痛の連続、自意識の作り出した檻
焼け焦げた景色の香い
焦点を失った透明さを奪う為の周期

誰も真実を語ることは出来ない
誰かが僕を説得することも出来ない
それは暴力の形をした悪意と同質で
世界を同じ色に染めたいと願う強慾さの拡大でしかないとそれ自身が知るから。

口を閉じ、黙って考えるだけでも罪はある
例え放射状に撃たれた槍が
光の名前を授かったとしても
僕に祝福は来ない
生来的に異質な呪いだけが
鉄の毒液を回して、歯車で肉を押し潰す。

もうやめろ。

ぜんぶやめろ。

もうなにもするな。

そんな声が向こう側から聞こえてくる

世界を冷笑するための、鋼の唄の歌詞が、
耳に流れ込んでくる
金色の糸で絡め取って、滴る液体をほおばるように
自分の首をぐるりと囲って、
切断するまで、響き続ける唄。

誰も笑わなくなるまで、1人で笑い続ければいい。
願うだけで何も口にしない両手が、
幽体のように存在しない右手が、
あちらから引き結んだ糸で、
僕の首を締める前に、
左に眠る爪を噛んだようなカマが、
僕の心音を切断すればいい。

何も見たくない
何も聞きたくない
何も感じたくない
誰にも見つかりたくない
ずっと息を殺して
ずっとこの場所で
ずっと何も、何も起きなければいい
このまま凡てが過ぎ去って
世界だけが無くなればいい

僕を殺して。
誰にも見つからないように。
どこにも生まれないように。

僕を 「殺して」
自分だけにお願いするように
最後の誓いを果たすように

誰かを殺して。
人を殺して。
人になれなかった肉界を殺して。

はやく いますぐ だれかを
なにかをころして。

咽せるほど寒い。
苦いほど痛い。
もうだめだ。

ここにあるものはもうだめだ。

誰にも捕まらないエネルギーの網の中で。

2006年07月09日 17時47分17秒 | 駄文(詩とは呼べない)
僕は卑怯だ。

どこへ行っても元の場所で戻ってきてしまうし
死にたいなんて言いながらも
なんとなく、どことなく、世の中でうまく渡っていく為の、
最低限の練習だけをそこはかとなく試してみたりする
もっと本当に真剣に、
死を確かめたいと思わなければ
たぶん、僕は自分がここに居ることなんて、確かめようがない。

投げやりな気持ちで、
社会に溶け込んだ透明人間のフリをする
自分の気持ちを押し隠して
いったいどれくらい、普通の人を演じられるのか、
いつもいつもみんなの前で試してしまう

ひとりっきりで居る時にしか、
僕は自分を確かめられない
だからいつも、僕は自分が居ないって思ってるし、
最初から僕が死んでいることを、
確かめる前から知っている。

その事を、ここへ記す行為にどれほど意味があるのかわからなくても、
僕はいつも、ひとりだけでここへ戻ってくる。

言葉に逃げてるって、そういう意味だったのか。
僕は馬鹿だ。

もうやめよう。
こんなこと。
誰かが僕に気付いてくれるまで、
必死で話しかけるなんて事、
もうやめよう。

ずっと黙っていればいい。
誰も僕を見なくていい。
僕だけが、僕を知っていればいい。

そんな気がして、僕は自分の人生が、とても軽くて痒いものだと思った。

我、呪われろ。

2006年07月05日 01時47分43秒 | 自分への教訓
残酷な時間はとうに過ぎ去って
僕は今日だけをずっと繰り返して
人形のような人間になる

Eの刻印が入った棺桶の中で
ただただ、名前が付けられるのを待つ
明日、名前が付けられる領域に、僕の魂を、誰にも見つからないように
閉じ込めることに成功したのなら
きっとそれは、僕の死体へと変わる

今日、僕が自殺することに成功したのなら
それは時の砂の音砂と共に、灰色の霞の中に消えてゆく

明日、ただ明日だけが来ることを願って
ずっと今日の中で生きたフリをする
そんな思い出だけを、繰り返し繰り返し握りしめる。

緑の芝生に堕ちてゆく自分の影を見る

きっとそこにしか、僕の意識が無くて
ずっと世界は1秒を繰り返す
3秒後の未来から記憶と名乗る形がやってきて
僕をバラバラに壊し続けても
決して僕は僕にならない

そしてまた、僕は僕になれない

同じようにして

僕は人になれない。
僕は人間にはなれない。

例え君が、光の速さを超えて色になったとしても
僕は この世界を、決して許しはしない。

生の描写で彩られた、残酷な物語を
始まるよりもはやく、終わらせる為に。

怒りだけがぶつぶつ、ざらざらと溜まっていく。
濁った色の電子が、透明な水を突き破って
身体と名乗る肉の壁を突き破ろうとあがく

赤子の首を絞めるような夢ばかり見る
鉄の毒液を呑み続けるような、しわがれた老人の声がする

はやく、自分を殺したい
今すぐにでも、自分を八つ裂きにしたい
誰かに殺されるよりも早く、僕が僕を殺さなくてはならない。

何かが産まれた事を悟られるよりも早く、
世界にある醜い膿たちを、
一掃せねばならない。

真っ直ぐな観念が、まるい穏やかさを突き破って
落雷に似た罪がやってきて
誰かが人だと名乗る前に
僕がこの世界を、必ず終わらせねばならない。

はやく、終わらせねばならない。
だが、誰かに邪魔される

気が狂ってもいい
世界が血塗られてもいい
幸せな出来事が全て、この世界から忘れられてもいい。

僕の宇宙だけを、残らず全て消してしまいたい。

助けてくれ
いや、殺してくれ
僕は誰なんだ

絶対に嫌だ
はやく死にたい。

我、呪われろ。
気が狂うほど愛しく、呪われろ。
何も信じるな、呪われろ。
明日なんか見るな、呪われろ。
今だけを、ここだけを、ぼくだけを、
遙か遠くにある、本物の、真実だけを、
めざし続けて、呪われろ。

もっと強く。
もっと激しく。
鈍い痛みを超えて、
生命が始まるよりも先に、
遠い未来へ。

白く濁った欲望の瞳で。

2006年07月04日 00時32分08秒 | 駄文(詩とは呼べない)
いくら目玉が付いていても
いくら瞳が白く濁ったとしても
全く見えないものが、ある。

例えば僕はあの日、君の声が景色の向こう側に見えたような気がした。
遠く霞んだ遙かな向こう側に、声が色を超えて、
超越的に、僕へ存在を語りかけたような気がしたからだ。

だけど僕は逃げた。
そして君は気付いた。
僕を追いかける事は、僕を失うことだと。
だから君は。
だからあの日君は、諦めという名の笑いの溜め息で
僕を誤魔化そうとしたんだ。

それは僕が君の側で吐いた僕だけの嘘で
僕が君の位置から、僕へ向けて奪った、
新しい喪失でもあった。

きっと君はこんなことを言っても信じないだろうけど
あるいは僕は、君にこんなことを言われても信じないだろうけど

あのひ僕は、
宇宙の向こう側に、誰かの声が、こちらへ向けて、
経っているような気がしたんだ。

誰かがそこに、経っている気がした。

そこで僕はへたり込んで
今の今日へと迷い込んだ。

ここは間違った時間だ。
だけどきっとあの日、
あそこで違う答えを選んだとしても、
やっぱり僕は間違った時間に迷い込んだろうと思う。

僕は君に会うずっと前から、
じつは既に死んでいたのだから。

だから僕は君が書いた手紙を読んで
哀しんだり、泣いたりなんてしなくていいんだ。
悲しい思い出は、全部その場所で僕が考えたストーリーでしかないんだ。
美しい思い出も、儚い記憶も、
全ては思い出すという名の嘘によって自分を騙す行為でしかない。
僕らは、今だけを生きている。
明日も昨日も、ずっとずっと遠くへ拡がる僕を騙し続ける嘘でしかない。
だから僕は、
明日が欲しいと、君に願ったんだ。

願うだけ願って 僕は君を選ばなかった。
それは残酷な形の喪失で、
逃げまどう今を騙し続ける僕の嘘で、
結局は自殺という謝罪によってしか、
僕は僕の罪をほろぼすことはないのだろう。

与えられた嘘が、
君の輝く明日になればいい。
今日僕が生きているという嘘が、
ずっと君を騙し続ければいい。

それだけで、君は寂しくなんかない。
どうせ僕が居ても居なくても、
僕は絶対に君のことなんか気付きはしないんだ。

もう、僕はそれほど明日を願わなくなった。
つまんない大人になるよりも、
タイムリミットの一粒が落ちるまで、
僕は君の時計を、壊し続ける。

ただ、それだけが、望まれない、契りであるかのように。