嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

気概の無い白さと、雪が降るようなさみしい僕に出会った。

2007年09月26日 03時02分35秒 | 駄文(詩とは呼べない)
どうでもいいようなことだけをして、無為に時間を過ごしている。


眼が見えなくなってきてから、ずいぶんと時間が経ったような気がする
ついこないだのような気もするし、ついさっき、何かを忘れてしまったような感覚さえ、
するというのに。

働く気も起きず、学習する意欲も湧かず、人と話す事さえもだんだんと恐ろしいと感じるようになってくる。

特別な絶望感は無い
ただ、ときおり急に、なんだかなにもかもが空しくなることはある
腹の底から笑う事が、どんどん遠のいているような気がする

科学の左目を閉じると、ぼんやりとした色の雲だけが見える世界になる
それを見えているというのか、何も見えていないというのか、
それさえも、自信がなくなるほどに、たいしたものは、なにもみていない。
ただ、前よりも真実に近い景色のような、気はしている。

さみしさとぜつぼうはよく似ているけれど、
両者には、きっと途方もないほどの、ぜんまいのような、巻かれたような壁がある。
さみしさは、人を欲することそのものへの憧れにどっぷり陶酔するような
わずかな震え。
絶望に、そのようなあこがれは無い。
ただ、自分の未来を真っ黒に塗りつぶして遊ぶような、自分だけの暴力。

簡単に言えば、人を好きになる事ができない事に大きな問題があるのだとは思う
けれど、それは僕のせいなのだろうか
それは社会のせいなのだろうか
それは、セカイのせいなのだろうか

僕は、どれでもないと思う。

人を好きになる事は、求める者に降ってくる雪のような白さだと思うから
なにもかもを求めない者にとって、罪や罰は、なんの役にも立たない
それと同じように、犯人は、探したりしない。
誰のせいでもなく、ただ、誰もどこにも居ない。

夢を見るために今をやり過ごしている
台風が去る事を待っているはずなのに、僕には何の風も吹いてこない。
誰も僕の事を責めないし、誰も僕に暴力をふるわない
誰も僕に期待しないし、僕も僕に期待しない。
みじめな思いをすることもないし、特別な優越を感じることさえない。
僕の隣には誰も居ないし、僕は誰かを側に置こうとしない。
誰かがそこにいれば、それは僕にとって、歯がゆさや苦痛の種にしかならないと、
僕が既に知ってしまっていることを、僕が信じ続けるような、
矛盾した神様の誓い。

防壁や自閉の類だと、考えあぐねる事にも、なんだか馬鹿らしさを感じるようになってきた。
むしろ今の僕は、悩みを欲しいとすら思うだろう。
けれどそんなものは、僕にもう何の役にも立たないのではないか?
という衰弱さえ感じる。

つややかな曖昧さが降って、
僕は僕として覚醒する。
それは僕が僕の中に、僕の夢を見るということ
なにもない白いセカイで、ただ黒い夢を見るということ
おそろしく安心する僕だけが居て、
ただ誰も居ないことに矛盾を感じない僕だけがいるということ。

そんななにもない夢をみて、
まるで何かがあるかのような現実に向けて目を覚ます。
それがとても弱さに似ていて
まるで僕がなにもできないことを望んでいるような弱さに似ていて
ただどうしようもなく、
僕は約束の時を待つ。

古い呪文のようでいて、
自分にかけた呪いのようでいて、
意志のイメージによく似ている

僕がぼくであること、
それは、ぼくが何も必要でない事を、
世界にあてつける、現実という立脚の呪いに含まれる証明。

生まれる必要がない。
君たちのいる世界に、僕は不在を書き残す。

目隠し鬼の墓場

2007年09月19日 23時39分16秒 | 駄文(詩とは呼べない)
もう一度、一人の時間を取り戻さねばならない。
どんなに歯がゆくて、どんなに絶望的で、どんなに色あせた曖昧な景色に包まれていたとしても
そこにあるもの、ここにあるもの、ひろがっているもの、ひろがってゆくもの、
それらの全てが、ひとつの主体のもとに統合されている限りは、
僕等はいつまでも孤独と向き合わねばならない。
孤独の中で呼吸し、孤独の中で彷徨わねばならない。

自分の力を信じることとは違う。
むしろ誰もいないから、自分でやるしかないのだと思う。
自分が世界を知ろうとし、
自分が世界に拡大し、
自分が世界そのものであらねば、

ある意味では、神の出した宿題は解けない。
そしてある意味は、神を殺せない。
巨大な流れ、マクロの潮流、ミクロの反逆、
そうした一つ一つのオリジンを総合して敵に回して、
全てを運命論の中で、
神のせいにして怨んで死んでいくようでは、
結局ぼくらはいつまで経っても人のままで。

人間には、なれない。

誰かの作った道
誰かの用意したはしご
誰かに与えられた選択肢

それらは全部にせもので、
なにもかもが、自分を作らない。
自分の形を成さない。

だから僕らは。
いつも、自分で決断し、
自分で、何かと向き合わねばならない。

もう一度、深い呼吸を。
もう一度、誰にも会えない道を。
もう一度、笑う事のできぬ観察者を
ここに、呼び覚まさねばならぬ。

ピエロは、ただ、人を笑わすために。
ただ、それだけのために。

人に会うために生まれてきた。

2007年09月10日 05時51分02秒 | 駄文(詩とは呼べない)
結局は、
人は人に会うために生まれてきたのだ。
宇宙に出て、宇宙人をさがし、
セカイに出て、他者を探し求める。
科学を追究して、答えを探し求める。

ブラックホールに吸い込まれた終わりの光は、

始まりの光として、天上からぼくらに降り注ぐ。

まるで真っ暗な何もない無我夢中の領域に、
空間と時間を創り出しながら、光とぶつかってはじける花火をさがしもとめる光のように、
僕らは何者かと泳いで出会いたいのだ。


夢を見た。いつもの。
いつもいつも、僕はどこかで夢を見ている
深夜の街を焦る気持ちを抑えながら、何かをかりたてるように、
ところどころにある看板を見て回りながら、ぼくは僕を居させてくれる場所をさがし求めた。

真夜中に終わってしまう温泉、
営業時間の終わってしまいそうな飲食店、
ぼくは僕をずっと居させてくれる場所を探しながら、
銀のカートを押しながら、さまざまなサービスをそこに乗せて、
ずっと歩き続けた。

気持ちだけは、ずっと走り続けていた。
知らない街を歩き続けていると、
いつか通ったような町に、
知っているはずの、何かを知っているはずの風景に出会う。
でもその風景は、いつも迷っているだけの僕の道。
寂しくて儚くて、ただ夜明けを待っているだけの、暗闇の道。
ところどころにある蛍の光のような看板を頼りに、
わかりもしない営業時間の残酷さを見つめて、
僕は無理な注文をするように、お買い得な残り物の食料をさがすのだ。
なま暖かい風がふいて、ぼくは孤独が訪れる前の、
断続的な寂しさを思う。

このさびしさの風は、いつも僕の逃げ口上を刺激してつくりだす。
立ち止まるための理由を、投げ出すための理由を、逃げ壊れるための理由を、
ただ僕に授ける。
終わりのない湿った風が吹いて、
僕は ふっと目を覚ます
まだ人の居る町。みんなの居るこの時代、ナニカが見守っているような、
背中の瞳が笑う時代。
たぶん、みんなが今と呼べる、かぎられた繋がりの町。

僕はとたんに、なにか大事な事を思い出せない自分をはがゆく思う。
そのはがゆさを思って、だんだんここに居る事がつらくなる。
あともう少しで、あともう少し立てば、
いつだって僕は迷子の道。

小さい頃、目を覚ませば母親は居なかった。
姉妹にたずねても、どこにいったのか正確にはわからなかった。
僕は重い扉を開いて、反対を押し切って外へ出た。
なにもわからない場所、だれもしらない場所、
ただ涙を流しながら、ぼやけて流れていく信号機の光を見ていた。

知らないおばさんにぶつかって、
なにか子連れだったような、誰かと話して相談していたような、
ちょっと困っていながら母の匂いを馳せるおばさんとぶつかって、
僕は警察に連れて行かれた。
よく知らないおじさんが居て、なんだか適当に電話をかけたりものを書いたりしていた。
奥の洗面所に連れて行かれたら、歯ブラシをごしごしやっているおじさんがいた。
そのおじさんは歯を磨きながら僕に赤茶色い醤油色の、丸いかたいせんべいをくれた。
それをかじっている間に、僕はパトカーに乗せられた。
助手席で知らない人の膝の上に乗せられて、
ついた先は何故か僕の家だった。

その家が、本当に僕の家だったのかどうか、
いまでもよくわからない。
姉妹も母親も、僕の知っている母や姉妹の顔をしていたけれど、

僕は泣いて母親に何かをぶちまけて、
お母さんは「ごめんごめん、」と半笑いで僕をあやした。

どこかしら、ぼくはそこが違う新しい場所のような気がして、
その日から、僕の母はいなくなってしまったような気がして、
たぶん、安心して無意識のまま眠ってしまうことはできなくなった。

たぶんその日から、僕はうすく起きている。
半笑いの泣き顔も、楽しそうな笑い顔も、どこか僕にはよそよそしくて、
僕は寝てる間も薄く起きている。
そしてまた、逆に日常を薄く眠っている。

次に目が覚めたとき、ぼくらはどこに居るんだろう。
目を瞑って時代を夢見てるあいだ、僕らはどこにいるんだろう。
いつも乳房をさがして、口にしっかりと当てて確かめる赤ん坊の手のように、
僕らの手が届く距離は、まだまだ短い。
ほんのすこしだけ手を伸ばして、僕らは自然と幼児の科学を身につける。
なにもわからない場所で、なにかを確かめる。

それは時計の針を刻まない。
僕らの手が、ただカチコチと時計をつくってゆく。

幻想痛

2007年09月09日 05時27分01秒 | 駄文(詩とは呼べない)
痛み。
いわゆる心の痛みという
ある種あいまいな、複雑で単純な痛み。

だけどいくつかの手がかりはあるんじゃないかと思う
幻股痛という失われた手足の痛み、
失った家族の痛み、
世界そのものの儚さによる痛み、
これは記憶の痛みじゃないのかな?
もし、家族を失った事そのものを完全に忘れる事ができるなら、
その幽霊の語りかけも、嘆きも、
今の自分には伝わらなくなってしまうと思う。
悲しいことだけれど。

もし、
失った家族と同じくらい大事なものを、
この世界に見つけることができたら、
そしてその大事なものを守り通す事ができたのなら、
その痛みは解消されていくんだろう。

けれど、恋心はどうだろう
自分と同じくらい大事なものを、
あるときは自分より大事かもしれないものを、
その切実に大事なものを失ったら、
それは代わりに何を失えば、
代わりに何を守り通せば、
その痛覚そのものの、
源泉からの嘆きを解消できるのだろう。

そしてまた、解消とは消失に近いものだから、
それは喪失を望んでいるときにしか、
目指されることもないのだろう。

失われたものは
他者だろうか
愛だろうか
決意だろうか
記憶だろうか
自分だろうか。

僕はそれらを世界と呼ぶ。
世界とセカイを天秤にかけて
僕はこの世界が失われることを
僕は君らのセカイが失われる事を、
望み続ける悪魔のようだ。

だけど自殺は、むしろ君たちのセカイよりも
君たちの世界を守るだろう

僕のセカイを僕を含めて自殺させる行為は、
君たちのセカイを壊して世界を守る。

それは使命や約束に似ていても、
うまく考えられないほど恐ろしい行為だ。

それらを死命と呼んだまま
僕の記憶は閉ざされる。

これは幻想痛だよ。
痛いのは、言葉の方ですか?
言葉の向こう側に見える、
記号のパターンの方ですか?

それとも、生きているはずの、
生きていると思いこんでいる君の記憶ですか?

幻想痛、伝わることのない想い。
生まれる前に壊された世界、

まるで死んでいく君の妄想的アイディアのようだね。
アイディアとイデアが繋がる理想の火を、
僕は透明な棺桶の中で待っているよ。

消えかけた、僕らのあしたのために。

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sent from W-ZERO3


棺桶は氷だけで作って下さい。

2007年09月05日 05時25分02秒 | 駄文(詩とは呼べない)
僕が死んだとき、あるゆる物体での、
直接的な接触も、間接的な接触をも遺書で禁止したらどうなるだろう。
僕の身体を、自然な腐敗のままに、そのままの崩壊に任せて、
僕の魂を解放してくれるだろうか。

おそらくそれは無いだろう。
人知れず山奥かどこかで死のうとしても、
やがて誰かに発見されて人為的な埋葬が行われてしまうのだ。

日本の「戒律」は、死んだ後にも自由なんか許してはくれない。
ならばせめて、生きている間くらいは、自殺する事を宇由に任せておいた方がいい
それが自然な発露だったとしても、不自然な歪みだったとしても、
「自決」であるのなら、
それは僕によって尊重される。
もしもそれが与えられ、植え付けられたニセの意志であるのなら、
それは植木鉢に植えられた小さな植物のように、
その箱の中で死んでいこう。

宇宙という棺桶から出られるほどには、
まだまだ僕の科学は届きそうにないから。

まったくもって、僕の世界は進歩していない気がする。