嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

世界観とは

2006年11月29日 20時15分25秒 | 
人はみな、生まれつき違う世界を持っていて
それを伝える事が出来るのは自分しかいない

だから人間の生きる目的がどうだとか
人類の平和がどうとか
そんなスケールの大きな事を言わなくとも
もしも何か自分の世界を、自分の感覚で捉える事が出来ているならば、
その曖昧な認知の世界を、
自分の感性で、
正直に描き出すことが
僕の生きている意味だと言えなくもない。

だけどそれはあまりにもつらい孤独な作業で
誰にも伝わらない事を覚悟してやらねばならない。

そういう意味では、
無力さに打ちひしがれて、
誰にも届かない波の瀬戸際で、
ずっと死ぬまで意志の不在を叫んでいる方が楽だと思う。

『けれど』

僕にとって、僕の自殺と表現とは、
もはや切り離せない位置に来ている。
そのことを、僕はつらいとは思わない。

だけど、僕の世界が僕が死ぬまで決して誰にも理解されないことを思うと
ときどき絶望するよりも「むしろ」悲しくなる

世界が世界に出会えるというのは不思議なもので、
それは想像力によってしか体験されない。

物理現実の中では
どんな孤独な体験も
どんなつらい嬉しさも
どんなに激しい胸の痛みも
決して人には伝わらない。

そういう意味で、現実と精神を切り離して考える融合された行為は

儚く激しく、とてももの悲しい。

人がふたつのときの中で
集団としての時間と、
感性としての永遠を
そのはざまにおいて体験するという行為は、
生命の起源を遡る生態系としては あまりにも恥ずかしい。

もしも僕が野生に還る事で、
時間という概念から解き放たれるなればこそ、

僕はどんなに無惨な裸を晒して生きたとしても、
【もはや】まったく恥ずかしいとは思わないだろう。

生きるということは
とても大きな矛盾の拡大だと思う。

その中に、どんなちっぽけな正当性をも凌駕する世界を持つことを
僕らは誇らしく思おう。

現実の紐をほどいて‥

2006年11月29日 18時36分53秒 | 駄文(詩とは呼べない)
僕はまだ、全てをねがぅ 恋い焦がれるようなオスを知らない。
美しさだけが際だってはじけるメスも知らない。

明確な目標が無い理由の一つは、
全てを凌駕し、ねじふせる大人の世界が無いから。

ある意味で、出会いとは、全く届きもしない世界の果てでもある

そのことに気付いて、ふと自分を振り返る。

やっぱり僕は、自意識過剰なんだと思う。
それでも、その過剰な自意識が及びもしないほど遠い世界にあこがれて
僕は閉じられた瞳から、開かれた世界を見る。
おなじようにして
とき、おなじくして
僕は開かれた世界から身を乗り出して、
閉じられた世界の瞳を見る。
瞼を閉じて、
そのまなこの奥にある、
僕の心を見ようとする。

味気ない世界だ。
痛みの無いなめらかな今日が繰り返されて
他者を求める、
いたわりのない今日が繰り返される。

孤独の王様は、いつだって世界の中心にある。
けれどその心は、いつだって妖として知れず、ただ闇の中にある。

光が当てられる事を嫌う
けれどもっと深い闇を求める。
闇も光も届かない、もっと違う世界を夢見る。

固まった記憶の中で
カチカチに堅まった世界の中で
確かさを探せば、
全ては行方知れずとなる。

決定した世界の中で
何も決まっていない場所を探せば、
必然的に心は死へ向かう。

潜り込めばいい
その裏側へ、
そのドーム状の世界の裏側へ、
手を伸ばしても届かない場所へ、
想像された体験の中で
誰も出会わない宇宙の中で
ずっと閉じられた卵の中で
その裏側へ

すっと潜り込めばいい。

まるで明日と記憶が魅き合うように
失くした昨日の輪郭を作ればいい。

みたこともないばしょ
ふれたことのないあじとにおい
かいだことのないくうかん
かんじたことのないかんかく

そういう名前の無い場所で
やわらかいけしきの領域に気を運べばいい
命が生まれる場所で
透明な死を選べばいい

もうすこし、もうあとすこし、ほんのちょっと、
なにかをけとればいい

そこにきっと、地獄があるから。

月のドームを仰いで

2006年11月28日 23時01分44秒 | 駄文(詩とは呼べない)
やさしい時間の流れがある
かなしい時間の流れがある

そしてどうにもならないほど、孤独な時間の流れがある

人はどのくらいの間、人と話し合っていられるのだろうか
そして人はどのくらいの間、人と触れ合っていられるのだろう

冷たい地表と、影の狭間で揺られて
そして冷たい空気を吸い込んで朽ちる。

緑の昨日があれば、
つちけいろのあしたがある。

桃色の空気の香いを嗅げば、
赤黒い血が流れる。

終わりが毎日訪れて
変化が毎日腐敗する。

死肉の匂いを眺めて
動物の自分と見つめあう

かなしいほどに自分だけがいて
くるしいほどに今だけがある。

あしたにであえない
あしたに出会えない
明日に出会えない。

メロディーが流れれば、氷のような時間は過ぎてゆく
骨が砂になって、宇宙の風が吹いてゆく
ひとつぶの、
今日、一粒の、時間を残して。

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BLOG FRIENDSについて考えたこと

2006年11月27日 19時17分20秒 | Weblog
結局僕はあの低俗な同人誌の存在を許すことができないし、
あの本のために何かを頑張ろうという気はもう全然湧いてこなくなった。

ゲンさんが言ってくれた
>自分が不幸な理由を人のせいにして、人生をフイにするのも簡単な話で、心痛は察するけど前向きに行こう!!
>人生っていうやつぁ、人生を自分の手に取り戻す旅のことをいうんだぜ?(よくわかんねぇなw
という声のかけかたや

jumpさんの言ってくれた
>現状のBF4は頒布すべきではないという考えは変わっていません。
>残った本は関係者それぞれが物理的にも精神的にも「重み」として
>分担して保管すればいいのではないかと思います。
>そしてそれは決して世に出さないという事ではなく
>完全版として必ず再出版をするというモチベーションに繋げていかねばならず
>そのためにもBF5であったりその他のアイデアを出し合って
>痛みを抱えつつ前に進むという道もあったのではないかと考えるからです。

という冷静(?)で(?)個人的な意見については
なかなか有難いと思った。

僕は誰かにブレーキをかけられる事を嫌う。
たぶん、頒布を強行した人たちのそれにも、何か通じるものはあるだろう。
だけど僕はあの複雑な事情について、しっかりとした答えを出すことはできなかった。
また、成功へ向けて舵をきることもできなかった。

僕は僕自身がBF4開始当初からあまり前向きで無かった事を憶えています。
それゆえに、自分の書いた作品に対して、あまり熱を注ぐことができなかった。
それに対して、魔女さんの下書きを読んで泣いたという話には
半分煮えた怒りのようなものが沸き立ってきます。
「冗談じゃない、やめてくれ!」と。

そして編集サイドが確認を怠ったと同時に、
僕自身も確認を怠っているという事実は消せません。

それは元々は責任の話ではないんです。
BLOG FRIENDSに対する熱意の問題だったんです。
だから僕はみんなに対して、複雑な問いを投げかけました。
ずっと心を押し殺すように、意味不明でどん底のような意見を言い続けました。

それに対するみんなの反応はじつに様々でした。
反省して次の一歩を踏み出した人も居れば、
誤解を抱えて立ち往生した人もいるでしょう。
その事自体は、僕がかけた迷惑に対する情動として、理解できる部分ももちろんあります。

けれど僕がなによりも許せないのは、作品の完成度に対するみんなの意識の低さです。
もはや危機的状況だと言ってもいい。
本を作品だと思う人間には、印刷ミスを許容して欲しくない。
利益が作品だと思う人間には、赤字を許容して欲しくない。
文章が作品だと思う人間には、誤字脱字を許容して欲しくない。

君達になんらかのプロ意識があるのなら、
僕の作品としての完成度の低さをまず指摘すべきだったと思う。
掲載された下書き作品も、締め切り寸前に提出された縦書きの文章も、
どちらも完成された作品ではなかった。
それは校正作業を繰り返すたびに洗練されるという意味ではなく、
想いの全てを書き込んだものではなかった。
そしてまた、それらの品質を上げていこうという、僕らの気概が何よりも足りていなかった。
その事に対する怒りを、僕はまだ君達に伝えきっていません。

僕がBF4をもっとも嫌う理由のひとつは、
それが妥協によって作られた連続性の欠片であることを、
僕が知りすぎていることです。

あなたたちにとって、本はどこまでが本で、
そして自分の仕事はどこまでが仕事で、
自分の思いをどこまで反映すれば、
本を作ったと言えるのですか?

僕はこのことに対する、明確な答えをまだ持ち合わせていません。
ハッキリと断言できますが、
僕は文芸や著作権の類で食っていこうという生ぬるい業が、
決意の形で硬質化されていません。

それが読者に対する礼を欠いたことに繋がっているならば、
僕は本を出すべきではない。

また、僕が僕の拘りを徹底して作品を作り上げていくならば、
僕は話し合いなどすべきではない。
一人で、黙々と、自分の世界に没頭して一冊の本を完成させていくべきだと思う。

それゆえに、あの本はやはり君達との共同作業だったと思っています。
あの本は、君達の力が無ければ作られなかった。

僕は君達と歯車を合わせることはできなかった。
それゆえに、自分の力を出し切ることもできなかった。
また、思っている意見の全てを言うことすらできなかった。
それは残念でなりません。
たったひとりの時間でさえ、思ったことの全てを書き留める事ができないのに、
誰かと協力して言葉を紡いでいこうなんて、
もともとおかしな試みだったのかもしれない。

けどまぁ、あの本は理由はどうあれ作られてしまった。
僕がそれを焼かれる事を望もうが祈ろうが、
既に僕の手を離れてしまった本でもある。
なんという無責任さだと批判する考え方もあるだろう。
そして、根本的におかしいと、理解できない人もいるだろう。

けれど、ぼくは、
あのとき読者へ向けて書いた手紙はゴミ箱へ捨てられたと感じた。
僕は何度でも汚い活字の死体を組み立てて、
昔はこれが生きていたんだと説得して回る詐欺師のような事をしていた。
なにひとつ、あそこから新しい言葉は生まれなかった。

もうおしまいなんだよ。
君達は信用できない。
君たちは、言霊を伝える糸にはならない。
僕の怒りに震える握った爪の音も、君たちには聞こえていないだろう。

恨み言?呪いごと?まよいごと?

どんな罵りで蔑んだっていい。
どんな美辞麗句で飾り立ててもいい。
けれど刻んだ心は消えない。
痛みの記憶は、ぬぐってもぬぐっても透明にならない。
どんなに瞳に水をかけても濁った土が沈んでいく。

涙で洗うことはできないんだよ。
僕の汚い嘆きは。

弱さを隠さずに書いたけど、
気持ちはすっきりしないね。

次に僕が君に会ったとき、僕は瞳の奥に何を見るんだろう。
僕は君の前で、どんなことを言うんだろう

やわらかい味が空気の匂い

2006年11月26日 23時12分34秒 | 駄文(詩とは呼べない)
やわらかい味も
あまい匂いも
ふかふかする布団のさわりごこちも
ピンクでも黄色でもない記憶の色も
全部忘れないようにしよう

ゆるやかな時間の流れも
おだやかな雲の気持ちも
晴れ渡るドーム状の澄んだ青も
溶けていく景色の色も
うなだれる季節の味も

ぜんぶぜんぶ忘れないようにしよう

誰もいなくても
ずっとここで
空を眺めて寝ていよう

形のない音楽を
誰の耳にも届かないように
風と秘密を約束するように
僕の記憶に刻んでおこう

なつかしくなつかしく忘れるように
凪なでる風が記憶と季節を重ねるように

僕はこの場所を
おぼえておこう

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生かされた世界にある、嘆きの砦。

2006年11月25日 13時27分39秒 | 駄文(詩とは呼べない)
気の遠くなるようなコンプレックスとの戦いが、僕をズタズタにしてゆく。
それでもまだ、僕は僕を蔑む、ひとつの目線から、まだ抜け出せない。
そしてまた、僕は僕を見つめずして、どうやってこの世界と向き合っていいのかもよくわからない。

明日が来ることは、正直いつだって怖い。
だけど明日が来ない限り、僕が救われることもまたないのだと語りかける何かがある。
そうやって、僕の風景はいつだって僕に向けて風を吹かす
目に見えない今日をつかみ取れと嘆く手だとか、
地に足がつかずにぐるぐる迷い続ける足だとか、
どこを見回しても遠くに感じられる目だとか、
何も言い当てることが決してできない言語だとか、
そういったものは、全部僕の周りをぐるぐるまわって、
僕を包囲していく。

けれど決して、僕に触れることはない。
何も触れていないのに、痛みだけを叫び続ける自分がいる。
いわばこの世界は被害妄想の固まりなのだ。
自分の作り出した世界に自分が怯え、
自分の見た夢に裏切られ自分が泣く、
ただそうした迷路の断片的な組み合わせに過ぎないのだ。

だとしても、僕のこころをぽっかりと濡らすような
心の涙に似た水を、とてもとても透明にわびぬれた水を、
僕は乾きとともに求める。

まるで誰も信用しないことが友情であると定義するかのように。

明日、あしただけを手がかりにして
今日、きょうだけを組み立てて
今、いまだけを世界だと信じて

信じて、信じて信じてしんじて
そして裏切られるのが心。

だから僕は何も信じない。
だから僕は何も見ない。
だから僕は何も望まない。

そして僕は死ぬ。
だから僕は死ぬ。
そして僕は死ぬ。
いつだって僕は死ぬ。
いつでも僕は死ぬ。

僕に似た欠片は、踏みつぶすたびに、踏みつぶされたと記憶する。
生命に似た輝きは、純白に似た叫びで、

「汚された」
「汚された。」
「汚された!」

と、叫びを強くしてゆく

あらゆる嘆きが、
僕の中でえんえんとこだまする。

僕はただ、世界の方を指さして罪に怯える。
誰かが来ることを怖がる。
なにかが触れることを、痛がる。

正直に言えば、永遠なんてどうだっていい。
ただ、現実は痛いから。とてつもなく痛いから。
今だけでいいと、何も要らないから、、ずっと止まった今だけがいいと、
そうやって自分自身に嘘を吐くように騙りかける

道は、進めば進むほど閉ざされる。
可能性と同じ数の道は、生きれば生きるほど閉ざされる。
そしてまた、ありもしない可能性にすがって、
僕は僕の周りにある選択を拒む。

何も求めない。
何も選ばない。
世界は全て、誰かのせいで回ってる。

僕が回した事は一度も無いと、無力な僕は知り続けるから。

ひとつだけ、
ひとつだけ選べるはずだって、
何度も自分を説得するように思い込む。

僕は死ねるって。
僕は死ぬって。

自殺こそが、僕の意志だって。

けれどそれは、いつも妥協や諦めに似た色の何かで、
よごれと呼ばれる何かで、
誰かの色で、
そめられてゆく。

あの青い空を、本当に青いかどうか、自信が持てないように。

本当の世界が僕の中にしか無いように、
この世界は、嘘の嘆きを、毎日続けてゆく。
僕が僕の死を、選び取れる権力を持つまで。

似ているもの、似ていないもの。

2006年11月20日 11時44分50秒 | 駄文(詩とは呼べない)
もう一度、真剣に考え直さなければいけない。

少し、寄り道をしてしまった。
しかもその寄り道が、妙におもしろかったりするもんだから、
やっかいなほどに精神的時間を割いてしまった。

もうすこし、
もういちど、
もうあとほんのちょっと…

大事な事は、いつだってひとりで考え直さなければならない。
誰かに聞いた、誰かに訊ねた、誰かに問した、
そうしたなにがしかのもわもわした一人芝居が、、
何かのヒントになることを
もちろん僕は知っているけれど…

変な余韻を残して悩んでる場合ではない
もうすぐ何かの答えを出さなければならないのだ

それがたとえ、残酷であっても、病的であっても、
僕一人の理解されない嘆きであっても、
僕は僕自身の答えを出さなければならない時がとくとくと内側から流れ出て来ているのだ。

孤独な作業を、もう少し地道に繰り返さなければならない。
病的な正当性が作り出した観念的な架空の罪さえも、
言葉に換えて虚無の中に背負わなければならない。
はるか遠くに浮かぶ雲を、誰も決してつかむことができないように、
世界を壊す呼吸をみつけなければならない。
あるいはまた、みつめなければならない。

必死である必要はない。
ただ終わり無き闇を、目隠しで進んでいく勇気に似た何かがあればいい。

安らぎのない、生の中で。

ねずみが糸を追うように

2006年11月13日 14時24分39秒 | 駄文(詩とは呼べない)
ずっと考えることから逃げてきた
ずっと思い出すことを恐れてきた

意味なんか無いと決めつけてきた理由の一つは
死んでしまったねえちゃんから何も受け取れなかったことだった

誰かのために泣くことはやめた
誰かのために泣くことのできなかった現実が
誰かのために無く必要は無いと結論づけた

おじいちゃんが死んだ時も泣かなかった
泣いている人を見て、不自然だと感じるほどに
僕の心は疲れきっていた。

自分一人だけで結論づけるなら、
僕が死んでも、僕のために泣く人はいない
それでもたぶん、誰かが泣くんだろう。

ばあちゃんは死にそうな空気を少しずつ作り出している
そしてそれを受け入れる風潮が家族や親族にある。

僕はどうだろう。
僕はわからない。

ただ、誰かが死ぬ前に先に自分が死んでおきたいとは思う。

風景をみつめよう
風景を見ていたいと思う。
少しでも長く、自然なものだけをみていたいと思う。

僕の時代にはまだ空がある
まだ、景色の半分くらいは可能性で満たされている。

それを僕は、幸福と思うだろうか?
恵まれていると思うだろうか?
かけがえのないものだと思うだろうか?

閉じられた手が かすめたものだけをつかもうとする
開かれ手が 手に入らないものだけを捕まえようとする

いつも僕の側にあるのは、終わるために用意された時間だけだ。
なのに僕はいつも、何を迷っているのだろう。
何を守っているのだろう。
誰のために強くなる必要もない、
誰かのために弱くなる必要もない世界で、
僕は逃げ続けることで、弱さを選ばされている。

本当に強い意志だけが夢を実現できると知っているのに
僕は夢をみることさえしないのか。

与えられた世界の中で
戦わない重責を背負わされて生きている。
戦って死ぬ動物には成れない。
生肉を食らって血で目を染める生き方もできない。

現実はただ、拒否するためにだけある
用意された土台でしかない。

誰も本当の現実は見ない。
僕も本物の現実は知らない。

だけどただ、死にそうな時にだけ語りかける謎の言葉があるから、

その死に神を手がかりにして、僕は
死に方を考える。

新しい人、あたらしいことば、そして恐怖。

2006年11月09日 05時47分39秒 | 駄文(詩とは呼べない)
人が怖いと感じる事のひとつに、
書き言葉と話し言葉の強制的な一致圧力というのが浸透してるような気がする。
「その言葉の使い方は間違ってる」とか
「その字は違う」とか
「その言葉はそんな意味じゃない」とか
基本的には「正しい日本語を使え。」という大人、もしくは教育的圧力なのだけれども。

基本的に、話し言葉と書き言葉はルーツの違うものであったのだと思う。
もちろん、歴史的事実について調べれば色々と情報は出てくるのだが
僕はその頃のことをよくしらんので
「説得力を持った仮説」程度にしか捉えていない。

そもそも何が問題かと言うと
言葉によるコミュニケーションが図れないというのは
主に正確な同期をとることができず、
社会という巨大な集団の中で歯車が回らないという
いたって人類的な圧力の中にあって
それは正直さというものがある種の記号の中においては
必ず嘘として表出するということでもある。

もしも、全ての人間が全く違う言葉を話し、
全員が自閉症だったらどうかと考えると、
それはなかなかにおもしろおかしく、おそろしいせかいで
じつのところ、うまく想像ができない。

それは多分、「人間」というものの喪失であって
人が個性を取り戻すことにはならない。

今、人類にとって大事な事が平和だと説く人間が居ても、
僕はその人間を信用しない。
そしてまた、人類が存続するために戦争は必ず必要なんだと叫ぶ輩が居たとしても、
僕は傍観者のようにアホらしく眺めるだけだと思う。

問題はイメージにあって、
戦争は簡単に過去の映像データからイメージすることができるけれど、
平和は見たことがないのであまりにもバラバラな幻想でありすぎること。

そしてまた、自由という名の、恐怖によって提出されたバンガドームが
ある種のセンチメンタリズムの中でパラノイアとして、
プロパガンダとして、白旗として、
精気を失った人間を串刺しにするからである。

なぜなら。

ひとりのにんげんがこきゅうによってはっせいさせる音は
それぞれの異なる空間位置から共鳴的に発せられ、
ふたりのにんげんがこきゅうによっておどりくるう会話は
それぞれの異なる意味で生まれつきずっと誤解され続けてきたからである。

僕はこのことを、ずいぶんと長い間、孤独とか、精神性とか、心の問題と勘違いしてたような気がする。

動物の言葉をわかったふりして誤解し続けて怒る人間は見たことがない。
しかし何故か、人の言葉にだけ、反応し、怒る人間がいる。
そしてまた、僕もその中の一人。
そしてまた、独りぼっちのかけちがった電話。

もう一度、自分だけの幻聴に耳をすませたいと驚く。
振動する、波長が語る、幻覚が述べる。

もういちど、赤ん坊の言葉を取り戻す事ができたのなら、
そのとき僕等は、おどろくほど、あたらしい言葉を手にするだろう。

忘れそうな世界の匂いの中で。

2006年11月09日 02時33分43秒 | 駄文(詩とは呼べない)
言葉を受け取ってばかり、飲み込んでばかり、読んでばかり、
吐き出すことを知らず、書き込むことをできず、
そしてまた、ふるわせること、できず。

言霊を受け入れるばかり、聞くばかり、見るばかり、
言霊を伝えること叶わず、ゆらすことあたわず、見送ること、かしわず。

ほうえんの、遠くへゆく流れ雲が
ただ風の去りゆくがごとく
峠の向こうへ越えて
ゆらゆらと、
ひもといてゆく。

空気の叫びが、
僕の雷が、
絶望する心臓が、

未来へと、明日へと、他人へと、
受け渡されてゆく。

僕の心臓はもうない。
僕の心はもうない。

僕の言葉もまた、ここには居ない。


ふと、ひとかけらの世界が落ちてきて。
僕はふいっと世界をのぞき込む。
その落ちてゆく先に、煉獄のような、幸せな祈りが。

珍しいものを飲んで、
酒の書いたいびきのような雲が、
ひとかけらの世界から、
夕闇を作り始める。

「遠く」
とおくとおく

「とおく」
とーくと=く。

明日の太陽が、沈んでゆく夕日の中で、
黄昏という時を見て、
終わりについて考える。

今、僕の心は、まさにバラバラの体に宿る。
痛みを知らず、
感覚を知らず、
そしてまた、君をまだ、知らない。

終わりのような赤色がやってきて
夕日の言葉を赤く染める。

情景は、色鮮やかに、向こう側からやってくる。
君の側から、僕の元へ。

明日、遠い世界の中で、
永遠に近い、僕たちの夢を見るから、
今日は、現実のいろりの中で、
ただ寒そうな一瞬を夢見る。
僕等はもう、現実のゆりかごの中で、もう何年もこうして生まれずにいる。
そのことは、君と関係あるだろうか?
僕と関係あるだろうか?
世界と関係あるだろうか?

別々の、ことだろうか?

遠い世界も、
君の世界も、
夢の世界も、
僕の世界も、
現実の世界も、

すべて、うつつをぬかした、
神々の罠のような夕闇だろうか?

一滴の雫が落ちる「ポチャン」という響きの音で
ハッと目を覚ます。
現実の、
誰もいない現実の、
色濃い灰色が甦る。

鮮やかな喪失色の中で、
僕は痛みを思い出す。

そういえば、僕は生きている。
そういえば、僕は死んだ。

ただ、それだけのことを、いつもいつも、願うようにふるえている。

伝わらないことだけを書きなぐる夢のように。

2006年11月07日 00時35分34秒 | 駄文(詩とは呼べない)
たぶん、僕はきっと 最後まで このままずっと 傍観者なのだろう。

このまま生きて、このまま死ぬのだろう。

僕は自分の人生に対して無責任だし
まるで努力しようとしないし、
何が正しいのかもよくわからない。

たぶん、このままずっと
なにがなんなのかわからないまま、
ただひたすらに見つめ続けるだけなのだろう。

でも、だからこそ

こんな僕だからこそ
せめて、自分の意志で死にたいと思った。

例えそれが、誰かに仕組まれた、
死を誘発するような、甘い囁きに過ぎないとしても、
それでも僕は、こんな世界でぬるく生きるよりも
自分の力だけで、
死んでいきたいと思った。

思えばおかしな妄想だ。
生きている間じゅう、ただひたすらに、
じっと自分の死を見つめ続けているというのも。

じゃぁ、死んでから、幽霊になってから、
後悔しながらこの世界を現世として見下ろして眺めるというのか?

たぶん、そんなこともないだろう。
幽霊にもならない。
振り返りもしない。
見守ったりもしない。
生まれ変わったりもしない。

ただ、現実の中で、
君たちが現実と呼ぶ世界の中で、
僕は溶けて忘れられていく曖昧な思い出になっていく。

そのことを、もはや恥ずかしいとも、情けないとも思わない。
悔しいとすら、僕は思わない。

僕は精一杯生きることなどできない。
そんなこと、はじめから望んでいない。

生まれたときからずっと、不完全な命であることに怯えてきた。
そのことが、僕には決しておかしなことだと思えない。

生きることは、あまりにも僕の中で恐ろしすぎる。
何かを決めることよりも、
何かを迷うことよりも、
この場に在り続けてしまうということが、
その罪の意識が、僕を縛り、僕を殺し、僕を騙し続ける。

まるで僕が生きているかのように、
死体である僕に、
僕は生きているよ、と囁き続ける。

けれど。

けれど決して。

僕の意志は、この世界には、まるで反映されない。

僕の力では、僕の意識では、僕の起こそうとする波紋では、
決して誰にも、誰の心にも、誰の世界にも、

光は届かない。

そのことを。
僕はずっと、
誰よりも。
なによりも、
僕だけが、
僕のことを。

おもしろいほどに、
知り過ぎている。

僕はだめだ。

僕は君たちとは違う。
だめだよ。

もう、なにもできないよ。
もう会えないよ。
もう憶えられないよ。
もう感じられないよ。

この世界のことを、決して刻むことができないよ。
忘れられることが、
忘れることが、
痛がり続ける事が、
寂しいことだって、
僕も、少しだけ、知っているけれど。

でもだめだ。

僕にはもう、理由と同じ重さの、
未来が見つからない。

それはつまり、
僕にとって、
君たちはおもしろいほどに、

死んでいると、
そういうことなんだ。

君たちは僕の背景だ。
君たちは僕の過去だ。
君たちは僕の壁だ。

君たちがいる限り、僕は生きられない。
そして僕は、君たちを選ぶよ。
僕が死のう。

中心こそが、消失するべきだよ。
ブラックホールこそが、
無くなるべきなんだ。

すべからく遠い未来なんてない。
どんな未来も、僕の手の内にある。
どんな未来も、もう僕のまじかにある。

総てが黒い未来だから。
全てが死に絶える他者だから。
何もかもが無くなる世界だから。

だから僕は、この世界と共に消えよう。
なによりも深い、はてしなく広がる宇宙へ向けて、
無意識に身をゆだねるように。