嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

罰を受けるように明日を待つ幸せの中で。

2008年11月15日 21時33分36秒 | 
もし、苦しむ事で、人が何かの罪をあがなえるのだとしたら
僕は何をあがなうのだろう。
僕はここで、どんな贖罪とともにあるのだろう。

多くの人を傷つけてきた事は知っているけれど
それが直接僕を苦しめ、死に至らせるとは思えない
だけど、ただ漠然とそこにあり続けることを、
許せてしまうほど、僕は広い心を持ってはいない。

罪深い人間であることは知っている
人が生まれながらに持っている、野心的で、業の深いありようを、
好きになることも、嫌いになることもできないでいる
できないでいることが、やっと僕を僕として認めていられる。

もし、僕が自分の全ての欠点を許してしまい、
何もかもを認める事ができるなら、
むしろ僕はそれを堕落と感じるだろう。

だけどもし、このままずっと僕が僕のままで居る事を許されないのなら
ならばどうして、僕は他者をゆるせることに繋がるというのか、
あるいはまた、僕は他者を、許した事など、一度でもあったのだろうか?

めざとく面白いものを見つけて走る。
興味深い今だけを見つめていたいから、
僕は他人の意見なんかよりも、僕の感情を大事にしたいと思う。

未来というあやしげな他者がすり寄ってきても、
まだ何も知りたくないし、溶け合いたいとも思えない。
むしろただ、嫌悪感と共に、離れたいという気持ちの方が、今はずっと大きいだろう。

それでも僕は、明日を求めずには居られないのか。
明日を待つことでしか、僕は今を過ごす事に耐えられないのか。

昨日をずっと大事にしてきた。
昨日、ずっと遠い昔にした約束だけを、ずっと大事に抱える事が、
誠実さに繋がると信じていた。

約束は破られた。
他者の弱さと、わからない僕の心と、あまりにも巨大な現実に勝てないでいる、
ただそこにあるだけの呆然とした僕の無能さと、
白日の下に晒された、僕の卑怯さとともに。

嘘を愛する事はできない。
認める事も、許すことも、あがなうこともままならない。
それでも僕は現実の中で、中に浮いたままぽつんと今を見ている。
あり得ないような夢の続きも、現実の判断もおぼつかないまま、
灯籠のような現実と、過ぎ去るだけの夢を見ている。

「ずっと僕は 【 目 覚 め な い。】」

その深刻さだけが、僕を死んだような生の中で焦らせてゆく。
ジッと鈍い息を吐きながら、誰にも見つからないようにやり過ごす。
現実に見つからないように、ひたすら夢の中に隠れ続ける。
その暗闇に潜むありようこそが、

きっと僕の罪なのだと思う。