坂の街-広島県呉市：両城の200階段

200 Steps Staircase, Kure City, Hiroshima Pref.

さてさて、大和ミュージアムの見学を終えたワタクシは、呉市の市街地をテクテクと西に向かって歩いて行きました。


住宅にものすごい急勾配の階段が見えてきましたが、これは「両城の200階段」と呼ばれる階段でして、
呉市両城の住宅街に突如として現れる急で長い階段のことなんです。
200階段とは呼ばれているものの、実際は260段近くあるということなんですよ。


ワタクシは知らなかったのですが、この階段は映画「海猿」のロケ地なんです。
海猿(潜水士を目指す海上保安官)たちが酸素ボンベを抱えて階段を駆け上がる訓練のシーンで登場する事は有名で、
映画公開から数年経った今も 海猿ファンがロケ地巡りとして来る「海猿の聖地」でもあるそうです。


遠目から見てもいかにも辛そうなこの階段。しかし、登山が好きなワタクシとしては登らないわけにはいきません。
この程度で息を切らしていようものなら、登山家の沽券に関わります。


どんどん勾配が急になっていきます。ワタクシなどはただの観光客なので、ワクワクしなら登って行くのですが、
ここで暮らしている人は大変だろうなぁと思いますねぇ。


呉市は平地が少ない地形ですが、その平地のほとんどを海軍が軍用地として使用したため、市民は傾斜地に住むしかありませんでした。
彼らの生活道としてこの階段は作られました。この両城地区には海軍士官が多く住んでいました。
この階段の北側にも同じような階段と急斜面に建つ家がたくさんありました。


階段を登り切ると呉市を見下ろすことが出来ました。初めて訪れた呉の町ですが、いろんなことを考えさせられた一日でした。


階段を登ってきたら、今度は階段を下らねばなりません。もし足を踏み外して転ぼうものなら、ドドドっと下まで転がり落ちそうです。
手すりがありますが、慎重に一歩一歩下っていったのでありました。


階段を降った後は、呉市をブラリブラリと散策しました。初めて訪れる町を歩くのは楽しいです。


ただ、呉市は市街地の大半が太平洋戦争の際に爆撃を受けており、歴史的な町並みというのが残っていないんですよ。
市の中心部は、歩いていて道路の幅が広いことが印象的でした。


この日のお宿は「ビュー・ポートくれ」というビジネスホテルです。ホテルでちょっと小休止をしたら、夕食の時間ですな。

使用したカメラ：1、2、5、6、9枚目はFUJIFILM X-T30、他はFUJIFILM X-Pro2


地元の方と話をすると、私よりも年配の方で毎日この階段を登り降りしている人がいるそうです。
足腰の鍛錬のためだと思うのですが、もし私のウォーキングルートにこのような階段があれば、私も絶対に昇り降りすると思います。
ただ、下りだけは十分に気をつけないと大事故に繋がりかねないですね。


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