こんにちは。今日も日本列島が高気圧に覆われ、全国的に真夏日を観測した地域が多かったようですね。
まだ梅雨入りしていないとはいえ、湿度も高くなってまいりました。こんな天気になるとどのような患者さまが増えるか?というと、関節痛の方(リウマチ疾患をはじめ、関節痛をお持ちの方全般です)、神経痛をお持ちの方、呼吸器疾患をお持ちの方がてきめんに調子を崩されて来院されます。
「気象病」という病名も近頃は聞かれるようになりましたが、実は東洋医学では3000年以上前からお天気によってどのような患者さまが体調を崩しやすいのか?ということが書かれています。
各季節によってどんな症状の方が!?というのはその都度お話しするとして、これからの梅雨時には先ほどの方々にとって辛い季節となってまいります。湿度が高いということは水が多くなってしまうということになります。関節の中には潤滑油がわりになる水分が適度に含まれています。そもそも関節には水分が必要不可欠なので、お水を集めようとする習性があります。この水分は本体緩衝材の役割を果たしていますが、限られた場所に必要な量のお水があることが重要なのですが、これが増えすぎても困るのです。仮に増えすぎたとしても、適度に運動をすることで私たちの身体は発散するようにできているのですが、痛みがあるとじっとして動かさない方がほとんどです。動かさないことによってさらにお水が停滞してしまい、痛みが酷くなることが多いのですね。
ですから、関節の痛い方の養生法に、四肢をよく動かしなさいと書かれているのです。動かすことによって、余分な水分を外に出すことができ、適度の関節液の量を保つことができるのですね。古の方々の智慧は素晴らしいと思います。
治療院では、先ず余分なものを外に出せるような元気を取り戻していただいて、鍼やお灸で余分な水分を外に出すような治療をしています。東洋医学では余分な水分のことを「水毒」と言って、必要な水分のことを「津液(しんえき)」と呼び分けています。総て、必要なものはぴったりの量があるのですね。多すぎたものは「大過(たいか)」少なすぎるものを「不及(ふきゅう)」と言い、常にぴったりの状態を目指しています。「過ぎたるは及ばざるが如し」なのですね。
漢方鍼治療では、ちょうどいい塩梅というのを治療目標にしています。時間をかけて病気になってしまわれた場合は、時間をかけて治していく過程が必要となってまいりますが、昨日今日に急に悪くなった場合は修正をするのもあっという間で済むのです。「鉄は熱いうちに打て」の言葉にあるように、異変を感じたら早い段階でご自分で調整することができるようになっています。そのためには、少しの異変を感じとれるよう、カラダの声を聴くということを意識していただけると変わってまいります!
関節痛の持病をお持ちの方、関節を痛めやすい方、これからの季節少し自分の身体の声に耳を傾けてみてください。いつもの梅雨よりも過ごしやすくなると思います。そして、手足をよく動かすようにしてくださいね!