記事入力 : 2017/09/21 10:00
【社説】先々代まで政治報復する文在寅政権、5年後は同じ憂き目
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
李明博(イ・ミョンバク)元大統領に狙いを定めた報復に今や政府が総動員状態だ。
与党「共に民主党」、国家情報院、検察に加え、現政権を支持する芸能関係者まで動きだしている。
まず朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が李元大統領ら当時の政府関係者を告発し、検察がこれを正式に受理して20日から捜査に乗り出した。
朴市長は李明博政権当時の国家情報院が
「朴元淳制圧文書」なるものを作成し、自らへの批判活動を積極的に展開していたとして李元大統領と当時の政府関係者を検察に告発していた。
現在、ほぼ全ての政府部処(省庁)が「積弊清算タスクフォース(作業部会)」なる組織を新たに立ち上げ、過去の政府による問題行動を暴く作業に取り掛かっている。
また現在の野党関係者に対する検察の捜査も相次いで動き出している。
李元大統領を標的にした
「国家情報院によるネットコメント」
「文化・芸能界ブラックリスト」
「防衛産業不正」
「4大河川事業」に対する捜査はすでに始まっており、
さらに「資源開発」「公営放送掌握」「BBK株価捜査疑惑」も再捜査に向けて動き出しているという。
このように検察は与党の要求を全て聞き入れており、国家情報院も最近は北朝鮮の核問題に関する情報収集に当たっているのか、あるいは李元大統領問題に取り組んでいるのか分からないほどだという。
過去にも前政権の問題を暴こうとする動きはあったが、今回のようにすでに決着した問題まで執拗(しつよう)に調べ上げようとするほどではなかった。
朴市長は李元大統領について「処断すべきだ」と主張しているが、これは現政権の雰囲気を正確に伝える言葉とも言えよう。
これには
「李元大統領は盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領を自殺に追い込んだのだから、李元大統領も同じ目に遭わせる」という報復の心理が働いている。
与党「共に民主党」は現政権発足からこれまでの4カ月間、党としてのコメントや会議などで李元大統領について100回以上言及したという。
韓国国防部(省に相当、以下同じ)も「軍積弊清算委員会」を立ち上げ、これまで何度も調査を行った1980年5月18日の光州民主化運動についてまたも特別調査委員会に調べさせるという。
さらに教育部は歴史教科書、外交部は韓日慰安婦合意、文化体育観光部はブラックリスト、統一部は開城工業団地中断について調べるそうだ。
保守系の最大野党「自由韓国党」の元裕哲(ウォン・ユチョル)議員の元秘書に現金を渡した疑いのある企業経営者に対する検察の捜査も始まった。
自由韓国党のオム・ヨンス議員は今月6日に政治資金法違反容疑で検察から事情聴取を受け、同党の権性東(クォン・ソンドン)議員と廉東烈(ヨム・ドンヨル)議員は公共機関の社員採用に影響力を行使した疑惑で捜査対象に名前が挙がっている。
政治報復は常に「違法行為に対する断罪」という仮面をかぶる。
故・盧武鉉元大統領も60億ウォン(現在のレートで約6億円)以上の賄賂を受け取った容疑で取り調べを受けた。
もちろん過去の政府関係者という理由で違法行為を見逃すようでは社会は変わらないだろうし、一方でいつかこの悪循環を断ち切らねば、生きるか死ぬかの韓国政治は変わらないだろう。
いずれにしても現政権が5年後に同じ憂き目に遭うことだけは誰が考えても容易に予想がつく。
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