「不安感台頭」急激な利上げ、高まってきた社債リスク 2008年金融危機「連想」
2022年10月14日
- 韓国経済ニュース時評アジア経済ニュース時評
政策金利が3%となり、貸出金利は8%時代を迎えている。
この先、政策金利はさらに引き上げられる見込みだけに、企業の財務力悪化が必至の情勢だ。
『中央日報』(10月14日付)は、「韓国、金融危機デジャヴュ 信用格付け降格事態に懸念」と題する記事を掲載した。
(3)「これは格付会社の等級評価が過去の財務実績をベースに行われるためだ。
(4)「専門家は現在、等級が悪化した企業実績と沈滞した資金調達状況を反映できなくなっていることから、今年10~12月期以降は大量信用格付け降格事態が起きる可能性があると憂慮している。
(5)「リーマンブラザースの破産で金融危機が本格化した2008年9月、当時年間等級上・下方倍率(韓国企業評価基準)は15倍となり20年間で最も高かった。
2008年のリーマンショック時に、韓国経済は大きな痛手を受けて企業倒産が多発した。
今回の急激な利上げによって、韓国企業のデフォルトが懸念されている。
『中央日報』(10月14日付)は、「韓国、金融危機デジャヴュ 信用格付け降格事態に懸念」と題する記事を掲載した。
最近、企業信用に対する不安が高まっている。
ウォン安に原資材費用・金融費用の上昇などで企業実績まで悪化すれば2008年金融危機当時に発生した大量等級降格事態が再現されかねないとの憂慮が出ている。
社債投資心理の萎縮で企業の「金脈」が干上がっているが、現在の信用格付けがこのような現実を客観的に反映していないためだ。
(1)「10月13日、債権評価会社BONDWEBによると、11日に国庫債(3年物)と会社債(AA-級・3年物)のクレジットスプレッドは1.111%Pで金融危機直後だった2010年1月14日(1.12%ポイント)以降、最高値を記録した。
クレジットスプレッドは、国庫債と社債の間の利回り格差で、この数値が大きくなるほど市場が社債投資リスクを高くみているという意味になる」
国庫債は、国の支払い保証がついている。
社債は、支払い能力がなくなればデフォルト(倒産)するほかない。
国庫債と社債の間の利回り格差が現在、2010年以降で最高に開いている。
市場は、社債のデフォルトを折り込み始めたのだ。
(2)「市場の感じる「社債リスク」が高まっているが、「信号灯」の役割を果たすべき信用等級は、今の現実を反映することができずにいる。
韓国企業評価によると、今年初めから今まで20社の社債信用等級がむしろ上方修正された。
下方修正された企業は13社にすぎなかった。
NICE信用評価も事情は似ている。
国内格付け会社3カ所のうち韓国信用評価だけが等級を下げた企業が上げた企業よりも多い程度だ」
社債リスクは本来、企業格付けに反映されなければならない。
その企業格付けはまだ、急激な金融情勢の悪化に伴う企業収益の低下を折り込んでいないのだ。ここが、最大の盲点である。
(3)「これは格付会社の等級評価が過去の財務実績をベースに行われるためだ。
輸出の実績が良好で証券市場の活況で企業公開(IPO)などの資本拡充が活発だった昨年の雰囲気が等級に反映されている。
韓国企業評価のチェ・ジェホン専門委員は報告書で「金利上昇にもかかわらず、業界状況の回復で営業実績が改善された会社やSKバイオサイエンス・斗山(ドゥサン)エネビリティなど大規模な資本拡充が行われた企業を中心に信用格付けが上がった」と説明した」
これまでは、韓国の輸出が順調に伸びてきたので、企業収益も悪化せずにすんできた。
ところが、5月以降の貿易収支は赤字に落込んでいる。
企業収益の本格的な悪化は、10~12月期に現れる見通しだ。来年以降に、社債リスクが高まる状況を迎えてきた。
(4)「専門家は現在、等級が悪化した企業実績と沈滞した資金調達状況を反映できなくなっていることから、今年10~12月期以降は大量信用格付け降格事態が起きる可能性があると憂慮している。
金融情報会社「エフエヌガイド」によれば、総合株価指数(KOSPI)上場企業172社の7~9月期営業利益見通し総合は50兆2036億ウォンで、1カ月前(54兆6719億ウォン)よりも8.2%減った。
NH投資証券のハン・グァンヨル研究員は「事業競争力が低く負債負担が大きな企業の信用リスクが特に大きくなるだろう」と診断した」
すでに、7~9月期の業績予想は悪化している。この流れで行けば、10~12月期の悪化は決定的であろう。
(5)「リーマンブラザースの破産で金融危機が本格化した2008年9月、当時年間等級上・下方倍率(韓国企業評価基準)は15倍となり20年間で最も高かった。
等級が上がった企業が下がった企業よりも15倍多かったという意味だ。しかし金融危機1年後、この数値は0.3倍に急落した。
京南(キョンナム)企業・豊林(プンリム)産業など金融危機の波高を越えることができなかった企業22社の信用度は大幅に下落した」
2008年当時、企業格付けが上がった企業数は、下がった企業数の15倍もあった。
それが1年後には、わずか0.3倍に落込んだ。
この急激な低下が、これから起こる懸念が強まっている。
(6)「信用格付けが、下落し始めれば企業は資金調達がさらに難しくなるという悪循環に陥る。
ハイ投資証券のキム・ミョンシル研究員は「韓国銀行の12日のビッグステップ(0.5%ポイント)利上げで企業の流動性負担はさらに大きくなるだろう」と明らかにした」
信用格付けの低下は、社債デフォルトへの道に繋がる。来年の韓国企業には厳重警戒すべきだろう。
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