2018/01/09 22:58
NEWSIS/朝鮮日報日本語版
慰安婦新方針、国際的信頼失墜は回避も韓日関係悪化は必至
慰安婦合意の新方針めぐる専門家の見方は
韓国側の発表受け日本政府は即座に抗議
専門家「当分は関係冷え込み続く」
「合意破棄」宣言せず、国際的な信頼失墜は回避
韓国政府は9日、韓日慰安婦合意をめぐる新たな方針を発表し「日本に対して再交渉の要求はしないが、合意は慰安婦問題の真の解決にはならない」と明言した。
「合意破棄」による対外的な信頼低下は避けられたものの、日本は即座に反発しており、今後の韓日関係の悪化は避けられないとみられる。
韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官は同日午後2時、外交部庁舎で記者会見し、合意をめぐる韓国側の新たな方針を発表。
日本政府に対し「歴史問題を賢明に解決していくための努力を傾けてほしい」と求めた。
これに対し日本政府は強い不満を表明し、絶対に受け入れられないとの姿勢を示した。
日本の河野太郎外相は康長官の発表を受け「合意を実行しないことは受け入れられない」として、ただちに抗議すると表明した。
河野外相は「合意は国と国との約束」だとして「政権が変わっても責任を持って実施されなければならないというのが国際的かつ普遍的な原則」と強調した。
シン・ガクス元駐日韓国大使はNEWSISの電話取材に対し「慰安婦合意を履行せよというのが日本側の基本的な立場。
正面衝突は避けたが、韓国の主張が受け入れられたわけではない」と指摘した。
シン氏は「韓日関係を改善させる明らかな転機が準備されたわけではないため、関係が良くなる状況ではない」とも述べた。
ただし、北朝鮮による核・ミサイルの脅威にさらされる中、
韓日関係の急激な冷え込みは両国にとって好ましくないとの認識が双方にあるため、
韓日は多少の摩擦があっても最大限の自制心をもって関係を保っていくとの予想も出ている。
韓国国立外交院の尹徳敏(ユン・ドクミン)院長は、電話取材に対し
「北朝鮮の核問題など韓日が戦略的に協力すべき事案は多い」として
「歴史は歴史として扱い、未来志向的に進むことを目指す韓日関係において、再交渉や合意破棄を宣言しなかった点は、韓日関係全般を考えれば幸いだ」
韓国政府は「慰安婦被害者の尊厳と名誉回復」を強調したが、慰安婦被害者と支援団体の間では「欺瞞(ぎまん)だ」との批判が強まっている。
とりわけ文在寅(ムン・ジェイン)大統領は大統領選挙のときに「慰安婦合意の再交渉」を何度も主張していただけに、公約破棄との批判が出ることも予想される。
そのため、慰安婦被害者と支援団体を説得し、信頼を得るような対応が政府にとって重要だとの声も出ている。
ソウル大日本研究所のナム・ギジョン教授は、電話取材に対し、
韓国政府のこれまでの誤った対応が慰安婦被害者と支援団体を怒らせていたとして
「慰安婦問題の教育などは韓日合意に背かないため、外交部の発表を補う後続措置が必要だ」と指摘した。
一部では、国家間の合意の「破棄」を宣言しなかったことで、国際社会での信頼低下という最悪の事態は免れたと評価する声もある。
先ごろ韓国政府の慰安婦合意タスクフォース(TF)が検証結果を発表した際には、韓日の裏合意の内容を公表し、「30年間非公開が原則の外交文書を公開した」として物議を醸した。
そのため、今回合意破棄まで宣言すれば、対外的な信頼失墜は免れないとの指摘が出ていた。
これについてナム教授は「韓日外交だけでなく、今後の全体的な外交も重要だ」として
「一方的に合意を破棄する国として国際社会に認識されれば、韓国の外交は困難になる。外交部はその点を考慮したとみられる」との考えを示した。
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