快晴の空を見上げて俺は途方に暮れていた。
これから部分日食になる太陽が眩しい。
困ったなぁ。
以前、金環日食があった時に雑誌の付録を利用して自作した「太陽撮影用のNDフィルター」が、どこにも見当たらないのである。
当然あると思っていたのに、機材関係を収納している箱をいくら探しても出てこない。あると思っていたから当日になるまで探しもしなかった。どうでもいい時にはひょっこり出てくるのに。
前回の部分日食の時には、出勤時間で撮影を諦めていたものの、ちょうど薄雲が太陽にかかってくれ、フィルター無しでも撮影することができた。
しかし、空を見る限り食の時刻に都合よく雲が湧いてくる気配もない。
困ったなぁ。
なんか、木漏れ日が欠けて見えるとか、様々な観測方法があったハズだけど、当然撮れると思っていたので、事前に調べることもなかった。
せまる日食の時間。
場所は新潟市中央区関屋浜。
観測場所になぜここを選んだのか。特に理由はない。天気が良かったから昼食にパンを買い、ここに車を停めて食べていただけの事だ。ちょっと船を見に離れたりもしたが、なんだかんだでここでボーっとしていた。
しょうがない、撮影は諦めるか。
……っていうか肉眼では見えないんだから、ここにこうしていても見ることもできないんだよなぁ。天体現象を新潟で観測できることは珍しいのに、何もできないとはなぁ。
諦める。と言ったけれど、諦めきれない男がここに一人。
もしかしてプライバシーガラスになっている車のリアドアのウインドー越しなら減光できるのでは???
やらないよりはやってみよう。
望遠レンズ最大望遠!
露出補正マイナス5!
絞りは開けるのか?閉じるのか?どっちだ!?
モニターを見ながら設定を変更していく。
見える!見えるぞ!!
モニターに少し欠け始めた太陽が映りました。
まぁ撮影用のフィルターではないので、多少ボヤっとしているけれど、これだけ写ればたいしたものではないか。
モノクロにしてみたり、ホワイトバランスやクリエイティブスタイル、ピクチャーエフェクトを色々と試した結果、今回はホワイトバランス「電球」がもっともクッキリと写し出せているように見えたので、「電球」の「スタンダード」で撮影。そのため青っぽく撮れています。
日食撮影に使ったのは【NEX-7】と【70-300mm F4.5-5.6 G SSM】
長時間、太陽にレンズを向けて撮影することから、イメージセンサーへのダメージを考えて、引退したカメラを使用することにしました。まぁ、これまで何度か太陽撮影をしていますが、それで不具合が生じたことは一度もありませんが。念のため、です。
妻がiPhone8で撮影するとゴーストが欠けて写ると、食の時間、何度も撮っていました。そういう観測方法もあったか。
逆光耐性が低そうなレンズを【α6500】に付けて、俺も挑戦してみますが、手持ちのレンズではゴーストはうまく出なかった。自分のiPhone7で撮ったら出ましたが。iPhoneのレンズは逆光耐性がなぁ……意図的に入れるならいいんだけど。
状況撮影。
自分の他にもこの場所で日食撮影をしている人は多くいたようです。前の二人は三脚を立て、そんなに長くなさそうなレンズに「日食グラス」を置いて撮影しているようでした。俺も事前にフィルターが無くなったことに気づいていれば、日食グラスでも探しに奔走したハズですが。
食最大 午後17時07分
諦めずに挑戦してよかった。まさかのリアドアプライバシーガラス!!
諦めるのはやってから。
帰宅後に色々なところで、日食撮影の写真を見て、あーそうそう、そういうやり方もあったと、大変に参考になりましたが、たぶん次の日食の時には覚えてなさそうです。またフィルター作れればいいんだけどなぁ。
これまでの太陽撮影の記事を貼りつけ。(まぁ自分用ですが)
前回の部分日食 → 「部分日食」
2012年の部分日食(一部地域では金環日食)旧ブログのSo-netに移動します →「部分日食観測」
自作した太陽撮影フィルターのこともここに。
オマケで金星の太陽面通過(So-net) → 「金星の女神によろしく」
【NEX-7】+【70-300mm F4.5-5.6 G SSM】
【α6500】+【70-300mm F4.5-5.6 G SSM】【E 10-18mm F4 OSS】【E16mm F2.8】