ウクライナ戦況、ロ軍攻撃“激戦地”マリウポリ
ボランティアや社長など有力者も・・・
相次ぐ強制連行
(2022年4月1日)
ウクライナ東部・ドンバス地方の要衝、マリウポリでは、
連日、市街戦が続いています。ここが陥落すれば、
ロシア側は東部からクリミア半島までつながる
一帯を支配することになります。
マリウポリの包囲は、日を追うごとに狭まり、
陥落は間近ともいわれています。
“ドネツク人民共和国”を名乗る親ロシア派の武装勢力は、
この街に地方行政機関を設立すると、早くも宣言しました。
ゼレンスキー大統領も、困難な状況にあることを認めています。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領:
「南部とドンバスは非常に厳しい情勢だ。
ドンバス、マリウポリ、ハルキウではロシア軍が攻勢を強めている。
占領者から我々の土地を守るため全力を尽くす」
実際、ロシア側は、東部への攻勢を強めています。
ロシアの国防省は、東部にあるウクライナ軍の燃料基地を破壊した
と発表しました。 マリウポリには、いまだ約10万人が
取り残されているとみられています。
住民が避難するために設定された“人道回廊”も、
ロシア軍の妨害にあっているようです。
ウクライナ・ベレシュチュク副首相:「45台のバスが
ベルジャンスクに向かったが、占領軍は市内に入れさせなかった」
こうしたなかで起きているとされるのが、住民の強制連行です。
すでに4万5000人のマリウポリ市民が、親ロシア派が支配する
ドネツクなどへ強制的に連れ出されたといいます。
ウクライナ全土で、ボランティアや社長など、
有力者の拉致も相次いでいます。
人権団体『ZMINA』アリョーナ・ルニョバさん:
「拉致の目的は地元住民への脅し。
ロシア軍の支配下にある街では、誰も拉致から逃れられない。
ロシア軍は地理や地域の事情に詳しくないので、
SNSで調べたり、抗議活動などをチェックしたりしている。
あすには誰でも拉致される恐れがある」
そんななか、気になる出来事が起きています。
ウクライナとの国境に近いロシア・ベルゴロド州の
燃料貯蔵施設で火災が発生しました。ロシアの国営テレビは、
こう伝えています。
ロシア24:「ベルゴロド州知事によると、
火災原因はウクライナ軍ヘリ2機からの攻撃だ」
ロシア大統領府・ペスコフ報道官:「ベルゴロドへの空爆について、
プーチン大統領に報告した。これは両国の交渉継続に好ましくない」
ロシアが、ウクライナの仕業に見せかけ、
さらなる攻撃を正当化する偽旗作戦も可能性の一つです。
ウクライナの国防省は、会見で、ロシア側の主張について
コメントを避けました。 停戦協議が1日、
オンラインで再開したものの、この状況では先行き不透明です。
プーチン大統領と電話で会談したイタリアのドラギ首相は、
こう語っています。 イタリア・ドラギ首相:
「たとえ一時的でも停戦することで平和への意思を示すことや、
決定的な問題を解決するために、
ゼレンスキー大統領と会う必要があると伝えたが、
プーチン氏の返事は「まだ時期尚早である」だった」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp