駅攻撃の犠牲者52人に
露は国際人権団体の事務所閉鎖
ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ軍当局は8日、同日の東部クラマトルスクの鉄道駅に対する露軍のミサイル攻撃による犠牲者が子供5人を含む52人に増加したと発表した。
一方、ロシアは同日、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)など15団体について登録を取り消し、露国内の事務所を閉鎖した。
ウクライナメディアによると、クラマトルスクの駅には安全な地域に避難するために数千人のウクライナ民間人が集まっていた。同国のゼレンスキー大統領は「ブチャでの虐殺や多数の戦争犯罪と同様、ロシアに法的責任を取らせる」と表明。
バイデン米大統領やジョンソン英首相、フランスのマクロン大統領、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表らも一斉にロシアを非難した。
露国防省は、駅への攻撃は「ウクライナ軍による挑発だ」と主張。しかし米国防総省高官は、露軍が短距離弾道ミサイルSS21を使用したとの見解を示している。
露国防省は8日、南部オデッサ周辺の軍事基地をミサイル攻撃で破壊したと発表。激戦が続く東部マリウポリについても、ウクライナ兵に加え多数の外国雇い兵がいると主張した。「これを考慮に入れ、無条件の『解放作戦』を続ける」とし、無差別攻撃をさらに激化させることを示唆した。
一方、露法務省は8日、露国内法に違反したとして、HRWのほか、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルや米系シンクタンク「カーネギー国際平和財団」など15団体の登録を取り消し、露国内の事務所を閉鎖すると発表した。露軍の戦争犯罪や露国内の人権侵害を告発してきたことに対する報復とみられる。