1日わずか10分の運動で寿命を延ばせる!?
研究結果が示唆
運動が大切だというのは、誰もがわかっていること。
それでも、そのための時間を取るのがなかなか難しいという人も多いはず。
特に、アメリカの厚生省(HHS)が運動・身体活動に関するガイドラインで、
成人に必要な1週間あたりの運動量が「強度が中程度の運動150分と、
筋力トレーニングが2日」と推奨していることを考えれば、なおさらだ。
ただ、新たに発表された研究結果によると、私たちの命を救う、
つまり寿命を延ばすことになるのは、「1日10分の運動」だと考えられるという。
たった10分の運動でも効果あり
米国医師会雑誌(JAMA)の『JAMAインターナル・メディスン』に発表された論文によると、
定期的に運動する人と座っている時間が多い成人およそ4840人を対象とした調査の結果、
仮に「40歳以上のすべての米国人が1日あたりの運動時間を10分増やしたとすれば、
年間の死者数を毎年約11万人減らすことができる」と推測できることがわかったという。
また、1日に運動する時間をもう少し長くした場合、たとえばさらに20分、
または30分伸ばした場合、その効果はさらに大きくなり、
「防ぎうる死(喫煙や不健康な食生活など、防ぎえたリスク要因による死亡)」は
それぞれ、20万9459人、27万2297人減少するとみられることが確認されたという。
さらに、こうしたメリットが得られるのは、40歳以上の人たちだけではない。
論文の著者で米国立衛生研究所の関連機関である米国立がん研究所(疫学・遺伝部門)の
ペドロ・サン=モーリス博士(疫学)は、年齢や性別にかかわらず、
メキシコ系、非ヒスパニック系黒人、非ヒスパニック系白人の米国の成人すべてに、
同様の効果があると考えられると説明している。
運動する時間を作るには
それでも、実際に運動量を増やすためには、まだあともう少し、
モチベーションを与えてくれる何かが必要という人もいるだろう。
最適な運動と食事のためのプログラム「オチョ・システム」の考案者であり、
ナイキのマスタートレーナーでもあるジョー・ホルダー氏は、
運動の効果について次のように説明している。
「加齢とともに私たちにみえ始める傾向には、筋肉の減少、ホルモンの変化、
気を付けないと体重が増える、運動機能が低下する、などがあります。
また、認知機能が低下する可能性も高まりはじめます」
「運動は、まさにこれらのすべてにいい影響を与えることができるものです」
そして、運動をそれほど難しいことにしないためにホルダー氏が提案するのは、
短い時間の運動を(軽食を取るように)考える
“エクササイズ・スナック”の習慣をつけること。
これは、運動する時間を見つけようとするのではなく、
「いつも行っていることに動きを加えること」だという。
たとえば、リモートワークをしていて、週1回電話で報告をすることになっている人なら、
そのときは必ずしもPCの前に座っていなくてもいいはず。
そのタイミングで、自宅で簡単な運動をすることができる。
また、子どもが習い事をしている間、
車のなかでポッドキャストを聴いていることが多いという人なら、
周辺を歩いたり、スクワットなどをしたりしながらその番組を聴くこともできるはず。
すでに定期的な運動をルーティンにしているという人は、
あと何セットかその運動の回数を増やしたり、ウォーミングアップや
有酸素運動の時間を少し長くしたりすることが可能だろう。
そのほかサン=モーリス博士は、運動量が多い家事やガーデニングなども、
運動と考えられると話している。 つまり、毎日少なくとも何分間か体を動かしていれば、
「自分で自分の寿命を延ばすことが可能かもしれない」ということ。
ぜひ、今日から取り入れてみて。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。
データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
From Oprah Daily