緒方鍼灸院 【脉泉堂】 有田町の自然 平六のワンダー

「目で見て、手で触り、音を聞き、温度を感じ、においを嗅ぐ」体験は「知識として知ってる」ことよりはるかに重要だと信じます。

有田町の自然里山散策・ありた探訪バスツアー④ 2015.10.29

2015-10-30 12:10:46 | 日記

4回シリーズで企画されていた ありた町民生涯学習講座 ” ありた探訪バスツアー ”  の 4回目、昨日は企画最終回でした。

井上萬二窯 さんと 酒井田柿右衛門窯 さんを見学・話を聞いてきました。

井上萬二さんからの話は約1時間、有田町の将来を何とか活き活きとした磁器の町として残したい、継承したい熱い思いを語ってもらえました。

磁器発祥400年祭が来年に計画されているが、『 原点に帰る節目 』にしたいと。

人の為に尽くす心を持ちながら仕事をしてきた人生、人生の中で出会った方に感謝し、夢をいただけたこと、新しいことに挑戦し続け、努力してきたことで今をなしていると話されていた。

 作る技術 と 創造するセンス を磨く努力、奥川忠右衛門(明治34年4月10日生まれ。有田焼の大物成形ろくろ師。昭和35年日展入選 のち 伝統工芸展最高賞をうける。白磁の大型つぼ製作技術で39年選択 無形文化財 保持者。生涯 蹴(け)ろくろ のみを使用した。昭和50年10月11日死去。74歳)に師事し、酒の修行も始めたと。

技術を盗む修行、給料をもらって教えてもらう現代とは違い、13年間の修行で盗み学んだ技術に新しいものに挑戦する心、夢を抱く心を学んだと。

白磁での芸術性の表現、加色ではない芸術の世界を作ったことを評価された無形文化財保持者となっておられる井上萬二さんの有田町の将来を託す人材育成の世界も語ってもらえました。

仕事の合間に5%でいいから別の世界を見る目を養いなさい。

その努力が新たなあなたの将来の礎に成るかも知れません。

いろんな人の話も聞きなさい。 自分もいろんな世界を見ながらさらなる芸術性を高める努力をしていきますと。

次は、歩いて 酒井田柿右衛門さん窯へ移動しました。

展示場の入口の作品の数々。

職人さんたちの技、その中に 15代 の作品も並べられています。

今年の10月16日の 佐賀新聞の 有明抄にこんなことが書かれていました。

 一昨年亡くなった 14代酒井田柿右衛門さん。 次世代に伝える言葉を晩年に聞き書きした新刊『 遺書 愛( いと)しき有田へ 』( 白水社) が届いた。

送ってくれたのは 14代の盟友、青磁の 中島宏さん( 武雄市)

柿右衛門様式は色の鮮やかさが魅力だ。 でも、絵具の色は純粋できれいなものが良いというわけではないという。

『そういう色には味がないでしょ。 表情がないんじゃありませんか』と不純物を含んだ素材、自然の恵みの重要さを力説する。

歴代の柿右衛門の中で最も美しい赤を創出した魅力がそこにあるようだ。

『 作家 』とは違う『 職人 』が有田から減っていることに警鐘を鳴らす。

窯元の職人は作品を作るのではなく、伝統の技を継承していく技術者。

不器用な方がいいという。

器用な個性がいいという。

器用は個性に通じ自分のものを作りたくなる。

『職人になるための反復する修行に耐えきらんことが多い』と見通す。

自身、作家と職人の二足のワラジを履いた。名窯の当主としての苦労と反省があったのだろう。

『江戸時代からの伝統というものを全部背負っている』『職人技ができないでなにが作家ですか』と語る。

愛する日本の伝統工芸がこのままでいいのかという継世の書でもある。

中島さんと 15代へのインタビューもあり、豊富な挿話からあらためて 14代の魅力と喪失の大きさを思う。 と書かれていた。

井上萬二さん と 酒井田柿右衛門さん の考えの違いこそあれ、有田町を思う心の一片を垣間見た思いをしました。

のんびり、ゆっくり有田の町を散策できる秋の有田陶磁器まつり が 11月15日(日)から有田町開催されます。 春の 有田陶器市とはまた違った趣があります。


樹齢1000年の大公孫樹(おおいちょう)や、泉山磁石場のもみじのトンネルなどの紅葉スポットや、有田のやきものの歴史を感じる「薪窯(まきがま)巡り」などの催しが今年も開催されます。

柿右衛門窯でも普段は見学できない、薪窯焚きが公開されます。

【公開日】11月22日(日) 9:00~16:00
【問】柿右衛門窯 TEL:0955-43-2267

他にもこの期間には窯の見学ができるようですので紹介しておきます。

今右衛門窯【公開日】11月21日(土) 
(1)8:00~8:20
(2)8:30~8:50
(3)9:00~9:20
※1回約20分
【問】今右衛門窯 TEL:0955-42-3101

しん窯【公開日】11月21日(土) 22:00~翌日22日(日) 17:00
【問】しん窯 TEL:0955-43-2215

深川製磁 谷窯(登り窯)【公開日】11月21日(土)
(1)10:00~11:00
(2)14:00~15:00
※各10名様限定 要予約 定員になり次第締切ります。
【予約・問】深川製磁チャイナ・オン・ザ・パーク 担当 永島 TEL:0955-46-3900

有田ポーセリンパーク 天狗谷窯(登り窯)【公開日】11月21日(土) 10:00~17:00
【問】有田ポーセリンパーク TEL:0955-41-0030

源右衛門窯【公開日】11月22日(日) 8:00~17:00
【問】源右衛門窯 TEL:0955-42-4164

他にも、いろんなイベントが 有田町で開催されています。

有田観光協会 『ありたさんぽ』で紹介されています。  http://www.arita.jp/event/toujikimatsuri/

有田の町はこれからも 新たな創造をする町です。 是非、お越しください。

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