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基本刺鍼をおこなう際、補法・瀉法の目的を理解して人差し指を目的の穴に近づけ、押手を構えて鍼を親指と人差し指の間に挟む。穴所が1mmずれても気の変化は得られない。穴所は時によって移動すると言う不思議な現実に戸惑いながら、指の先を静かに滑らせて見る。他の脈状を診ていただいている先生から「そこです」、いや・・・「少しずれました・・・」と指導を受けながら。ぬぬ・・・、どこだろうか・・・・、穴の在り処、気が来た感覚も未だつかめず、オロオロ・うろうろしながら患者様役の方の手足を経に従い、逆らいながら取穴しています。実に不思議なことですが大切な手技を極めようと努力しています。会得するまでに時間はかかろうとも脈診技術を会得し、納得いく治療を行えるよう、信頼を得られるようになりたいです。鍼灸治療は一般的には鍼を筋肉、腱に深く刺してコリを生じている箇所を緩める治療が多いです。脈状を診て、気の変化を、とどこおりを直す治療がなされている治療院は少ないです。提鍼と言って、先が丸くなった当てるだけの鍼でも気の変化は生じます。刺さないで直す鍼治療、痛くない鍼治療を目指して技術を会得したいと考えています。
今日は、補法・瀉法についてまとめてみました。
3 補法・瀉法
補法には銀鍼を用い、鍼管を使わずゆっくり刺入、目的の深さに達したら左右圧をかけ、ものすごく速やかに抜鍼と同時に鍼口を閉じます。鍼の方向は経の流れに随います。
瀉法はステンレス鍼を用い、速やかに刺入、鍼を動かして邪気と生気を分け、鍼先の抵抗が取れたら下圧をかけ、ゆっくりと抜鍼、鍼口は閉じません。鍼の方向は経の流れに逆らいます。
4 押手
押手の働きは重要であるようですが、細すぎる鍼、しかも銀鍼を鍼管も使わずに押手の親指と人差し指の間に挟み込む手技は難しすぎて、まだまだ駆け出しの身では修行を重ねないといけません。
左右圧の目的は押手の下面と穴所に隙間を作らない事、これは気を洩らさぬようにする為であり、左右圧の強さは鍼を押手の間に感じる程度だと教わりました。
下圧のかけ方は、しっかりと目的意識を持って鍼先に気を集中しなさいと教わりました。
5 姿勢
刺鍼時の姿勢も良く注意いただきました。
良い姿勢は両足を肩幅程度に開き、腰に十分ウェイトを置き、臍下丹田に気を収め、背筋を伸ばし、肩、肘、手首の力を抜き、膝を柔軟にします。そうして深呼吸に従い、手先に気を集中しながら徐々に刺鍼を行なうように教わりました。
押手や刺手にのみ気を取られていると前屈みになるので、押手に鍼を挟んだら目線を鍼から離し、背を伸ばして前を見るよう何度も指導を受けています。刺鍼にあたっては常に正しい姿勢で行うよう心がけねばなりません。先生方の立振る舞いを目で見られるありがたさは学ぶ身にとっては、生きた教科書だと思っています。
6 刺鍼
経絡治療は気の調整を目的とするため、刺鍼により痛みや不快感を与えるようでは治療目的を達することはできません。そこで、鍼を刺入する際に痛みを与えないため、よく先生から助言をいただきますが、自分のおなかで練習しなさいと教わりました。寝るときに自分のおなかに鍼を当て、チクチクしないよう練習しなさいと言われました。先生は今でも毎日寝る前に自分のおなかに鍼を当てることをなさっているとか。
〈刺手〉
・鍼柄と鍼体の境を持つ。
・指頭で持たず指腹で持つように。
・鍼体がたわまないよう、力がまっすぐ鍼尖に届くように。
・鍼は無理に刺入せず、自然に刺入できるまで待きもちで。
・鍼先の感覚をとらえられるように。
〈押手〉
・左右圧は鍼が上下に動く程度に掛ける。
・穴所に密着させる。
・刺鍼中は動かさない。
7 補法
正気が虚している状態に対する手法が補法。その目的は不足した正気を補う事。この正気とは生き抜く力、病を治す力、生体の根本的な力です。
東洋医学の病因論の原則は「内傷なければ外邪入らず」と学びました。邪の侵入は正気が虚しているために起こるようです。
従って、補瀉においては補法が優先。
8 補法の手技―――――――虚、すなわち正気の不足を補うのが目的
・経に従って取穴します。
・押手を構えます。――――― 取穴した示指は動かさない
・鍼を押手に挟みます。――― 鍼柄と鍼体の境を刺手の指腹で極めて軽く持つ、鍼は銀の2番
・鍼先を静かに穴所に接触させます。
・静かにゆっくりと目的の深さまで鍼を押し続けます。 ―――― この時決して刺そうとせず、
自然に吸い込まれるように
・催気(さいき:気を補う)します。
・気が来たことを確認
・押手にて気が逃げないよう左右圧を掛け、勢いよく抜鍼します。
・抜鍼!
・抜鍼と同時に鍼口を親指で閉じます。
9 瀉法
実に対する手法として瀉法があり、主に病実に対して行うもので、その目的は邪気を取り除くことにあります。この邪気には実邪と虚性の邪があり、これをまた気の変化、血の変化による脈状に分け、手さばきを使い分けます。
実邪の気を代表する脈状は浮脈で、これを浮実といい、
血を代表する脈状は弦脈で、これを弦実といいます。
その実邪に対する瀉法の手さばきのポイントは、鍼を幅狭もしくは幅広くに動かす事と抜鍼時の下圧の掛け方にあります。
虚性の邪は陽経に現れる邪の脈状のうち、特に艶と潤いのないものをいいます。
虚しているので、本来実邪になろうとする邪も正気の不足で実邪になり切れず、正気も弱いので邪を出したくても出せない状態です。 この場合は、まず正気を補うのが優先。 虚体や慢性的な病症等に診られます。
次回は、手技の手順をまとめたいと考えています。 明日から専門学校の授業も開始です。
思いっきり、背伸びして多くの情報を会得したいと考えています。 又、実際に我が身をもって癌らしき影がどう変化するかのお灸の力も楽しみです。長い夏休みでしたが、僕が計画していたほぼ全てが実行できたのではないでしょうか。父の足のむくみも無くなり、気・血の流れも少し良くなっているようです。
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