姫と太郎の賑やかなお家

姫14歳、太郎9歳。高機能広汎性発達障碍の子供たちとの賑やかな暮らしぶりを綴っていこうと思います。

太郎の作戦

2009-11-22 14:35:49 | 太郎のこと
朝からスッキリしない天気でしたが、とうとう

「あ~雨が降ってきたよ~
姫は傘を持って行ってないなぁ」

「あ~あ、それでさぁ またお母さんのせいにして怒んねんなぁ

「え~ お母さんが怒られるん?」

「いっつも、そうやん。姫はいっつもお母さんのせいにして怒ってるやん」

「そんなん嫌やなぁ どうしよう?」

「大丈夫!タロがな、守ってあげるから

「ホントに?タロが守ってくれるん?」

「うん、守るで!いい作戦があるから

「どんな?いい作戦ってどんなのか教えてよ」

「そ・れ・は・なぁ~ 
姫が帰って怒りそうになったら 笑わすって作戦

人間は~ 笑うとな、怒りそうな時でも怒らんくなんねん。
そういう風になってんねん。

だから、姫にも笑ってもらいます


おかし~ 動画でお見せ出来ないのが残念
言い方といい、得意気な顔といい、かなり笑えます。

でも、とても素敵な作戦だと思いました。
太郎らしいです

どうやって笑わせてくれるのか見てみたいけど、
風邪を引くといけないので練習が終わる頃に迎えに行こうと思います。

作戦を邪魔すると太郎に怒られそうですが


ひと雨ごとに寒くなって冬へ・・・

今度の土曜日に姫は大切な大会を控えています。
体調管理に神経を尖らせている私の思いとは裏腹に
今日もショートパンツにオーバーニーという見てるだけで寒い格好で出かけ行きました
若いから大丈夫なのか?
 
みなさんも、お身体大切に

教育委員会との再面談

2009-11-21 17:25:06 | 太郎のこと
土曜日にもかかわらず、面談のお時間を頂きました。

まず、言われたのは

「知能が高いので特別支援級ではすることがないと思われますが・・・」

でした

「太郎くんの知能の高さもあると思うのですが、現在は保育園でも問題なく過ごせているし、
  2,3年前からすると随分落ち着いたと伺っています。

  彼の知能の高さでは特別支援クラスに行かせることが
  かえって自身の評価を下げることになりませんか?
  『何で僕はこのクラスなんやろう』って彼なら疑問を抱くと思います。

  特別支援級というところは普通の観念ではそういうところです。
  太郎くんが劣等感を抱くことを我々は心配していますが、
  お母さんはそうは思われないのですか?」

ショックのあまり言葉がすぐには出てこなかった。

「特別支援クラスで劣等感を抱く」ってどういうこと?
あなた方、教育者ですよね?

私はそんなこと考えたこともなかったので一瞬何を言われたのか解らなかった。

「私はそんなこと考えもしませんでした。
  娘が行きたがるくらいだから、普通級ではしんどいのだろうと考えていました。
  娘も同じ障碍を持ち、学校ではかなり辛い思いをしました。
  去年は私も娘も担任の先生でかなり痛い目をみています。
  そのこともあって私は支援級を希望したんです」

「お姉ちゃんでしたか?
  担任と相性が悪かったんでしょうな」

「他の子に加配の先生が付いているのが羨ましいと言っていました。
  自分にもついてくれたらいいのに、と。
  娘を見ていてやっぱり普通級ではしんどいんだろうと思ったんです」

「太郎くんは私たちのこういうような話を聞いて理解していますよね?
  そのことこそが彼の自己評価を下げているとは思いませんか?」

「私たちが保育園に行った時も集団の中で指示に従い行動していました。
  お友達と揉めることもなく、我々にも話しかけてくれました。
  社交性も問題ない。むしろ、先生には可愛がられるのではないですか?」

「友達とケンカになっても自分だけが怒られる。みんながタロが悪いって言う。
  だから、タロは何も言わん。って言ってます。
  もう、5年も通っていますから、慣れたのもありますし・・・」

「そう、彼の知能なら慣れることも出来るし、自分で対処法を学習することも出来るんですよ。
  確かに彼の特性はこれから先、消えてなくなることはないでしょう。
  一生、彼が抱えて生きなくてはならないものです。
  でも、彼なら自分で気付き、学べるんです。
  普通級で社会性を学ばせてあげてはどうですか?」

この時点で、私はもう返す言葉も、気力も無くなっていました。
そして、とどめの言葉。

「大学の教授や研究者の中には彼と同じ特性を持った人がたくさんいます。
  ビルゲイツもそうらしいですね?
  太郎くんだって・・・(この辺りから聞く気になれなくて覚えてません)」

「外で我慢して、家に帰ってお母さんに対しては甘えが出てしまう。
  そういうのは子供ならみんなあることじゃないですか」

この人たちには何を言っても無駄だ

これは、特支クラスの再検討の為の面談ではなく、私に諦めさせるための面談でしかないと思いました。

「では、普通学級で何かあった場合の措置は直接学校にお願いすればいいんでしょうか?」

そう切り出すとホッとしたような様子でした。(被害妄想?)

「そうですね、対応は学校によって違いますので、私がここでどうするかまではお答えできません。
  それに、S小学校は市内でも特別支援教育には積極的に取り組んでいる学校です。
  校長先生、教頭先生ともに積極的に取り組んでおられると認識しています。
  ですから、普通級でも大丈夫ではないでしょうか?」

「加配などの措置も学校にお願いすればいいですか?」

「そうですね。ただ、補助員の人数も限られたものですから、
  学校側がやっぱり支援クラスの方がいいのではと判断した場合は、支援クラスへということもあると思います。
  その場合、年度の途中では出来ませんから、新年度からということにはなりますが」

結局はそういうことなんだ。

姫と同じように太郎にも我慢しろと。

心が壊れて行くのを知能でカバーして乗り越えて行けと。

そして、どうしようもなくなってから言いに来いと。

特別支援教育って何?
子供たちの心が壊れる前に、壊さないように、大人が手を差し伸べるものじゃないの?

知能の高さが何になるの?
心が壊れてしまったら何の役にも立たない。
それならいっそ何も解らない方が良かったって思ってしまう。

「タロなんかいなくなればいいのに。おらん方が良かったのに」
そんな風に自分を責める5歳の子が大丈夫なんでしょうか?


これから太郎の為に何が出来るだろう。

小学校の入学がこんなに気が重いものだなんて。
今は少しの希望も持てない。


今朝、太郎が言ってた。

「タロな~、めっちゃ迷ってることがあるねん。
ランドセル、黒と赤のどっちにしようかなって」

「黒の方がかっこいいと思うよ」

「じゃあ黒にする~」

普通は男の子は赤は選ばないって、選択肢にすら入らないなんて、太郎は考えてないんだろうな。

姫も太郎も先入観というものがないような気がする。
心がまっさらなまま大きくなった。

誰かに「変って言われた」から変。
「おかしいって言われた」からおかしい。
逆に言えば、誰かに言われなければ変ともおかしいとも思わない。

だから「暗黙の了解」なんて通用しないんだろうな。

姫がそうだったように太郎も「暗黙の了解」が解らないために
責められたり、浮いちゃったり、笑われたりするのかな

その度に傷ついて笑顔が消えて行くのかな

辛いなぁ


サンタクロースはいるの?

2009-11-20 10:11:38 | 姫のこと
昨日、姫が「お母さん、サンタクロースってホントはお父さんなん?」と聞いてきました

「違うよ~」

「じゃあ、お母さん?」

「違うってば」

「じゃあ、おじいちゃんかおばあちゃん?」

「サンタさんはサンタさんやって」
「だってな、みんながサンタは親やねんでって言ってる

「そうなん?知らんかったわ~」

「姫も信じてないわけじゃないねんで。だって、一回だけ、聞こえた時があるねん。
シャンシャンシャンって聞こえてんで」

・・・聞こえたんだ・・・


サンタさんと言えば、去年の今頃
太郎が「サンタがな~」 「サンタってさ~」ってサンタさんの話をしてた時

「こら!タロ!『サンタさん』って言わないと!
『さん』って言わな、サンタさん気ィ悪いわ!」

姫、ナイスや~!

横で聞いてて爆笑しました
姫は「何でおかしいの?さんって言わな失礼やんな?」

「ごめん、ごめん。姫は正しいよ。
違うの、お母さんが笑ったのは『気ィ悪い』って言い方が面白いなぁって思ったんよ。
まさか姫が気ィ悪いなんて言葉を使うと思ってなかったから」
「なんだ、良かった。ヘンなこと言ったかと思った」

自分の言葉が上手く伝わらないと感じている姫はこういうことをとても気にします。

街はもうクリスマスムードですね
今年もサンタさんは来てくれるかな?




教育委員会からの通達

2009-11-19 19:52:49 | 太郎のこと
昨日、教育委員会から通達があったと園長先生から伺いました。
結果はやっぱり「普通学級」

9日の面談の後、なんだか落ち着かなくてブログもあまり更新出来ずにいました。
結果が出たら直ぐに記事にしようと思っていたのですが予想以上にショックでした

1日色々と想いを巡らしてショックの原因が結果ではないと思うようになりました。

なんとなく「ダメかもしれない」って思っていたので結果を聞いても「やっぱり」って感じでした。
では、何がそんなにショックだったか

ズバリ、私に結果を告げた時の園長先生の言葉と態度です。
私が聞いたそのままを文字にすると

「教育委員会から手紙が来てたわ。
でね、普通学級ってことでした。
異議がある場合はもう一度ってことやったけど、どうしても特支クラスよね?
そう言ってもう一度連絡するわね。
それで、その手紙をね、見せなくちゃって思いもってね~
ちょっとごちゃごちゃになってて、どこ行ったんかねぇ~
いまちょっと見当たらへんのよ。明日でいい?
イヤやわ~ どこに置いたかなぁ」

私が祈る想いで待った教育委員会からの手紙。
園長先生にとってはただの紙切れだったようです。
簡単に見失って、笑って私に告げられる程度のものでしかなかったようです。


そして、今日の午前中、教育委員会へ再申請の面談日の都合を聞かれました。
「また電話するから聞いといてくださいって言われたから」と園長先生。

その後、私は今日中に日時の連絡があると思っていました。

夕方になって太郎を迎えに行くと
「結局、電話かかってこなくて・・・明日ってことはないと思うけどね。
明日じゃなかったら、もう来週よね。
クラス編成があるって言ってたのに、来週でいいのかしらね」と。

なんだか怒りを通り越して力が抜けてしまいました。


「大丈夫ですよ。友達とは上手くやってます」

園長先生からはそう言われてるのに、太郎のパニックは治まらなかった。
フラッシュバックしては泣いて暴れてた。

今回のことでぼんやりと真相が見えてきた気がします。

理解あるフリをしてただけなんじゃないかって・・・

太郎がひとり頑張ってただけなんじゃなかって思います。

「いっつも、いっつも、タロだけが怒られる。
みんなタロが悪いって言う。
KSも、SYも、先生も、みんなタロが悪いって・・・」

そう言って泣いてた太郎。

「子供ですからちょっとしたことで言い合いにはなります。
けどね、太郎くんもかなり言い返したり、やり返したりしてるしね。
どっちもどっちってとこはあるんですよ」

そう言って笑ってた園長先生。

太郎ひとりに頑張らせてしまった。
太郎ひとりに我慢させてしまった。
きっと太郎は諦めてしまったんだと思う。

「タロは悪くない!」って言っても無駄だって。
「行きたくない」って言っても保育園には行かなくちゃいけない。
何を言っても無駄なんだって。

これ以上、我慢させたくないなぁ

もう一度、教育委員会と話をして、それでも普通学級だったら・・・
その時は太郎の気持ちを一番に考えよう。

もし、学校がしんどくなって「行きたくない」って言ったら
もう無理に行かせたりしない。

そう心に決めました。


なんとも愚痴っぽくなってしまいましたので、ほっこりするお話をひとつ

「お母さん、タロな、SKの笑った顔、見てみたい」

「え?SKちゃんって笑わんの?」

「うん。朝、SKのお母さんが行っちゃったら泣くやんか。
それからずっと泣いてばっかりやねん。
だからな、笑ったらいいのにって。
泣いてる顔じゃなくてな、笑った顔が見たいねん」

SKちゃんは最近保育園に入ったばかりの子です。
確かに、朝もお母さんを追って泣いています。
帰りも他の子が帰るのを見ては泣いています。

「SKの笑った顔、見てみたい」って言い方が太郎っぽいです

毎日泣いてるSKちゃんのことじ~っと見てるんだろうなぁ

でも、保育園の子供たちの中でSKちゃんに笑ってほしいって思ってる子なんて太郎の他に何人いるんだろう。

太郎のお母さんで良かったって心から思えました




無事に着いた?

2009-11-16 10:55:01 | 姫のこと
姫は今日もマイペースで登校していきました。
もちろん、パジャマは脱ぎっぱなし、それも上下が別々の場所に・・・
部屋の中は嵐の後のよう

姫が出て行ったあとには体操服袋(袋だけ)、水筒カバー(カバーだけ)が置き去りに・・・
どうやら、中身だけを抱えて行っちゃったようです

太郎の支度に気を取られて見てなかった

置き去りにされた物を見て笑ってしまった私の横で主人が一言
「持ち難いねんから、気づけよ
なんとかしようと思わんの?アイツ」

ごもっともでございます

そういえば玄関でいつにも増して賑やかな音がしていたような・・・

旗当番のお母さんが「なんか、姫ちゃん大変そうやったけど」って教えてくれました

太郎を保育園に連れて行く時に通学路を通ったけど
それらしきものは落ちてなかったので無事に着いたんでしょうね