スペクトロライトは、スナイプし損なったりピンと来なかったりで、手に入れていなかったのですけど、今回ついに念願の原石を。
スペクトロライトと言えばパーフェクトストーンさん。この石屋さん、サイト名が「スペクトロライト」で始まるのでブックマークするとスペクトロライトになる。で、お店の名前はパーフェクトストーンで会社名はアール企画と実に複雑。最初の頃は覚えられなかった。(余計な話をw)
で、パフェさんいわく。(その略名はよせって)
《スペクトロライトはフィンランドの神話「カレワラ」の舞台となった土地で発見された北欧産の中性長石です。
光の干渉効果によって見える様々な色模様(スペクトル=虹色)はフィンランドだけで産出される種類です。
最新の解析では、スペクトロライトは中性長石(アンデシンの仲間)と言われています。
スペクトロライトが他の産地のラブラドライト(曹灰長石)と違う独特の色と光り方をする原因はまだあまり解明されていません。ユレマーでは御影石やハイパースシーン(紫蘇輝石)も産出されるためにそれらの鉱物との関連性もあるようです。》
ともあれ、ご尊顔。
確かに、ラブラドライトとはちょと違う。何が違うかというとよくわからないのだけれど、色が多彩で、輝きが金属的で、実に鮮やか。写真にはなかなか写らないんだけど。
ラブラドライトは、ラブラドライト(曹長石)とオリゴクレース(灰曹長石)とが微細な層をなしていて、そこで光が屈折干渉して燦光を発すると言われている。
スペクトロライトはそのあたりがちょっと違うような感じ。写真の中央下あたりに青緑の部分に混じり合うように紫の部分がある。ラブラドライトはあまりこういうぐにゃぐにゃな混じり方はしない。ある面はある色で光る。ような気がする。
スペクトロライトは層の重なりによって発色するのではなくて、一つの層の中に光を屈折させる構造があるのかもしれない。あるいは層がものすごく薄いか。まあ素人の想像に過ぎませんけど。
アンデシンというのも、千変万化、わけのわからない石ですねえ。こちら。
ついでに言えば、長石の成分比というのはあんまり当てにならなくて、ラブラドライトとされているものが詳しく分析するとペリステライトだったりアンデシンだったりするとか。そのせいか現在の鉱物学では斜長石の細かい名称区分は廃止されちゃっている。全部「プラジオクレース」。カリ長石なんか、もう成分比による分類は廃止で結晶形による命名になってる。みんなやになっちゃたんじゃないかな。(ねえよw)
まあ細けえこたぁいいんだよ。AA略。
ところでフィンランドというのは、太古代の造山帯が残っている場所らしい。
これは丸山茂徳「太古代付加帯と新しい地球史」(『プルームテクトニクスと全地球史解読』岩波書店、2002年所収)にある図。
フィンランドはほぼ全域が黒い。ほかにはカナダ、内モンゴル、南アフリカなどが大きい。
素人なので確かなことは言えないけれど、古いのが残っているということは、いろいろと変動があったプロセスが垣間見られるということでしょう。変わった石も見られるのかもしれない。地球で最も古い岩石「アカスタ片麻岩」はカナダ北部で出るし、30億年前と言われる美しい「ヌーマイト」なんかはグリーンランドで出るし。
その「古い造山帯」で出るスペクトロライト。何か不思議な謎を秘めているのかもしれませんね。