貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

主な含水鉱物

2023-01-11 21:42:55 | おべんきょノート

お休み中ですけど前に投稿したものがあまりに不完全なものだとわかったのでやり直してアップです。これも完全なわけではないけれど。

含水鉱物とは、主に加水(熱水)変成によってできる、OH や H2O を含んだ鉱物。
以下はそのうちよく知られているもの。
(「含水鉱物」という記事はネットでほとんどないので、取り敢えずまとめ。暫定。)

◆雲母(の多く)詳細省略

◆トルマリン 詳細省略

◆ゼオライト(沸石) 詳細省略

◆アンフィボール(角閃石)
ホーンブレンド Ca2(Mg,Fe,Al)5(AlSi7O22)(OH,F)2
アクチノライト・トレモライト Ca2(Mg,Fe)5(Si8O22)(OH)2
アルベゾナイト NaNa2(Fe2+4Fe3+)Si8O22(OH)2
グロコフェン Na2(Mg,Fe)3Al2(Si8O22)(OH)2
リーベカイト(クロシドライト[青石綿]とも) [ ][Na2][Fe2+3Fe3+2](Si4O11)2(OH)2
パーガサイト NaCa2(Mg4Al)(Si6Al2)O22(OH)2

◆サーペンティン(蛇紋石)とその関連
サーペンティン (Mg,Fe)3Si2O5(OH)4
タルク Mg3Si4O10(OH)2
デューイライト Mg4Si3O10・6H2O?
クリノヒューマイト Clinohumite Mg9Si4O16(OH)2

◆エピドート・ゾイサイト
エピドート [Ca2][Al2Fe3+](Si2O7)(SiO4)O(OH)
ゾイサイト [Ca2][Al3](Si2O7)(SiO4)O(OH)
クリノゾイサイト
ピエモンタイト(ピーモンタイト)
アラナイト

◆粘土鉱物系
クローライト (Mg,Fe,Mn,Ni)6-x-y(Al,Fe3+,Cr,Ti)y□x(Si4-xAlx)O10(OH)8
クリノクロア (Mg,Fe)5Al(Si3Al)O10(OH)8
スティッチタイト Mg6Cr2(OH)16[CO3]・4H2O
パイロフィライト Al2Si4O10(OH)2
カオリナイト  Al4Si4O10(OH)8

◆水酸化鉱物
ギブサイト Al(OH)3 ボーキサイトの主成分
ゲーサイト FeO(OH)
ブルーサイト Mg(OH)2
ダイアスポア AlO(OH)
レピドクロサイト FeOOH

◆リン酸塩
トロレアイト Al4(PO4)3(OH)3
スコルザライト FeAl2(PO4)2(OH)2
ラズライト(Lazulite 天藍石) MgAl2(PO4)2(OH)2
フォスフォフィライト Zn2Fe(PO4)2・4H2O
ヴォークサイト(ボー石) FeAl2(PO4)2(OH)2・6H2O
ブラジリアナイト NaAl3(PO4)2(OH)4
オージェライト Al2(PO4)(OH)3
バリサイト Al(PO4)・2H2O
ワーベライト Al3(PO4)2(OH,F)3・5H2O
セネガライト Al2(PO4)(OH)(OH)2・H2O
ビビアナイト Fe3(PO4)2・8H2O
ラドラマイト (Fe,Mg,Mn)3(PO4)2・4H2O)
ターコイズ(トルコ石) CuAl6(PO4)4(OH)8・4H2O
アンブリゴナイト/モンテブラサイト (Li,Na)Al(PO4)(F,OH)
フォスフォフィライト Zn2Fe(PO4)2・4H2O
フォスフォシデライト Fe3PO4・2H2O
オートゥナイト Ca(UO2)2(PO4)2・10-12H2O
ベゼリアイト (Cu,Zn)3(PO4)(OH)3・2H2O
カコクセナイト AlFe3+24O6(OH)12(PO4)17・~75H2O

◆砒酸塩
エリスライト Co3(AsO4)2・8H2O
ロゼライト Ca2(CO2+,Mg)[AsO4]2・2H2O
アダマイト Zn2(AsO4)(OH)
リロコナイト Cu2Al(AsO4)(OH)4・4H2O

◆ホウ酸系
エレメーエファイト(ジェレメジェバイト)  Al6[(F,OH)3|(BO3)5]
コーネルピン (Mg,Fe)4(Al,Fe)6(SiO4,BO4)5(O,OH)2
アキシナイト Ca2(Mn,Fe,Mg)Al2BO3[Si4O12]OH

◆ホウ素系
ホウ砂 Na2B4O5(OH)4・8H2O
ウレキサイト(テレビ石) NaCaB5O6(OH)6・5H2O
カーナイト Na2B4O7・4H2O
コールマナイト Ca2B6O11・5H2O

◆ハロゲンと互換
クリーダイト Ca3Al2F4(OH,F)6(SO4)・2H2O
トパーズ Al2SiO4(F,OH)2 (OH のものがインペリアルトパーズ)
ハイドロキシアパタイト Ca5(PO4)3(OH) *アパタイトは (F,OH) とされる。
ベスビアナイト Ca19(Fe,Mn)(Al,Mg,Fe)8Al4(F,OH)2(OH,F,O)8(SiO4)10(Si2O7)4
ユーディアライト、Eudialyte、 Na15Ca6(Fe,Mg)3Zr3[Si25O73](O,OH,H2O)3(OH,Cl)2
チャロアイト K(Ca,Na)2SiO10(OH,F)・nH2O
カールトナイト KNa4Ca4Si8O18(CO3)4(OH,F)・8H2O
アポフィライト KCa4Si8O20(F,OH)・8H2O
ズニアイト Al13Si5O20(OH,F)18Cl

◆銅の二次鉱物
アズライト Cu3(CO3)2(OH)2
マラカイト Cu2(CO3)(OH)2
クリソコラ (Cu,Al)2H2Si2O5(OH)4・nH2O
シャタッカイト Cu5[(OH)Si2O4]2
ブロシャンタイト Cu4(SO4)(OH)6
ダイオプテーズ CuSiO3・H2O
オーリカルサイト (Zn,Cu)5(CO3)2(OH)6
カルカンサイト CuSO4・5H2O
シアノトリカイト Cu4Al2SO4(OH)12・2H2O
アタカマイト Cu2(OH)3Cl
デヴィリン CaCu4(SO4)2(OH)6・3H2O
リナライト PbCu(SO4)(OH)2
ローザサイト (Cu,Zn)2(CO3)(OH)2
リロコナイト(前出)
ボレアイト KPb26Ag9Cu24Cl62(OH)48

◆その他
ラリマー(ペクトライト) Ca2NaSi3O8(OH)
ヘミモルファイト Zn4Si2O7(OH)2・H2O
ジプサム CaSO4・2H2O
プレナイト Ca2Al2Si3O10(OH)2
ユークレース BeAl(SiO4)(OH)
アイオライト(コーディエライト) Mg2Al4Si5O18・nH2O
スギライト (K,Na)(Na,H2O)2(Fe3+,Ca,Na,Ti,Fe,Mn)2(Al,Fe3+)Li2Si12O30
オーケナイト Ca10Si18O46・18H2O
イネサイト Ca2Mn7Si10O28(OH)2・5H2O

◆地球深部の「高密度含水マグネシウムケイ酸塩」
《地球表層に存在する水は岩石と反応して蛇紋石などの含水鉱物を形成します。このような含水鉱物がプレートによって地球深部まで運ばれると「高密度含水マグネシウムケイ酸塩」(DHMS)と呼ばれる含水鉱物へと変化します。》「東工大ニュース」


やれやれ。美稀石の雄たるユークレースもフォスフォフィライトもエレメーエファイトも含水鉱物なのですね。アイオライトもコーネルピンもアキシナイトも。と挙げれば切りがない。含水鉱物のリストなんて手軽にないわけだ。
やっぱけっこう多くの美石を水が造っているんですねえ。
これはダイアスポア AlO(OH)。


あたおか翡翠

2023-01-08 11:33:52 | 単品

こんなん作る方もちょっと頭おかしいんじゃないかと思うけど、買う方も頭おかしいと思う。
「ミャンマー産翡翠18ミリブレスレット」。
18ミリですぜ18ミリ。普通は台座に据えて眺めたりするものでしょう。(それはちょっと大げさだろ)
それを13個、穴開けてつなげて、はいブレス。は?
で、あまりのあたおかぶりに目が眩んで、買ってしまったのです。(やれやれ)

18ミリのブレスなんて、ふつう水晶系とかタイガーアイとかくらい。お守りというかパワーストーン・グッズとかの品物らしい。翡翠をそんなことしますか?(してはいかんということもないだろ)

もちろん、あちきにしては高い。とんでもなく高い。けれど一度目が眩んだものは止まらない。一晩悩んだけど、ついにキヨミズってしまった。(身の程知らずですな)
岐阜・各務原のキラリ石さん。信州富士見の名取貴石さんの姉妹店。二店とも普段は割合地味な感じ。国産石も多い。それが時々こういう無体なものをお出しになる。

しかしですね。計算すると1個の玉が2000円ちょい。翡翠の18ミリ丸玉がその値段というのは安い。安いけれどやっぱ高い。
翡翠がいけない。翡翠の魔に取り憑かれたのです。最初はそんなことなかったのに。(ぐだぐだ言うなw)

     *     *     *

石集めをしたい、というのはまあ欲ではある。欲ではあるけれど、その欲の中にもいろいろな欲がある。(またぐだぐだが始まったな)
見たこともない石を手元に置いてじっくりと眺めたい。これは欲というよりは探検心・探究心である。ああ世界にはこんなものがあるのだ、と。各地の絶景奇景を見てみたいというのと同じ。「体験」欲であって物欲とは少し違う。
ところが、「もっと美しくて大きいものが欲しい」というのは、美への欲求と言えなくもないけれど、ちょっと物欲っぽくはないか。
物欲は物欲で結構。当たり前のものであって持っていけないというものではない。しかし、あちきのようなオジジはもうそういうものは減らしていかなければならない。あの世に行くにあたってこの世のブツに未練を残してはいけない。(何を偉そうにw)

新米ながら、いろいろな石を集めてきた。「ああ、こういう石なのね」と体験し、その美しさを味わってきた。そういう方向で来たので、高級な品が出ていても、「ああ、これは一応持ってる、体験した」と諦める。無茶な出費を避けられる。(そっちが主眼じゃないの?)
ところがそういう中でも、「やっぱもうちょっと大きいの」「もうちょっときれいなの」といった欲は時折出るもの。アウインやコーネルピンの「もうちょい大きいの」を買ったり、ムーンストーンの「もうちょい鮮やかなの」を買ったり。
でもって、これ。翡翠は小さなものだけど色や透明度の違ういろいろなのを集めた。それぞれ違っていて、その美を堪能いたしました。けど、これはちょっと筋が違う。
何よりでかい。そしてバラエティにも富んでいる。どうも欲しい。たまらなくなった。うん、これは物欲かな。

で、実際来たら、迫力満点。ずっしりと重い存在感。それぞれに微妙に違う色合いも素晴らしい。
さらに、光や角度によって微細に変化する色がえらく魅力的。
白い玉も1個はラベンダーっぽい光が滲み、もう1個は緑っぽい光が浮かぶ。白い翡翠なんてあまり考えもしなかったけど、すごく濃密な感じで表情があっていいんですねえ。
1個だけほとんど光を透さないのがあるけど、それも色はなかなか面白い。ちょっとピーターサイトみたい。
で、透過光がまたいいんですわ。通常光とがらりと変わるものもある。あたおかついでに全部並べる。(暇だねえ)









まあ翡翠の専門家や臈長けた石好きは一家言あるかもしれないけど、あちきには最上級のお宝。実際に付けるというのは少し無理っぽい。(やめとけw) 飾って楽しむものかな。
まあね、これは物欲と素直に認めて、この迫力と美を堪能することにいたします。石集め自体が物狂い。こういう突拍子もない物狂いもあっていいでしょう。(いろいろ弁解がうざいね)

しかし、おかげでしばらくは石を買えません。石禁です。ネタもなくなるのでブログもツイッターもしばらくは中断です。(そんなこと言いつつちょろっとまた何か買うんでしょ?)
それでは皆さん、ごきげんよう。(絶対一ヶ月持たないぜw)


アメジストまたまた 番外

2023-01-05 21:36:37 | 単品

これはついでの戯れ。
けっこう前に買った「ファントム・アメジスト」という触れ込みのブレスレット。玉の色がばらばらで面白いと前に書きました。



で一つ一つ。




(しかし暇だね君は)
玉の色が揃っているほうが装飾品としてはいいのだろうけど、こういうばらばらものは、その石のいろいろな姿がいっぺんに見られて楽しいものです。電車の中で一つ一つずらしながら眺めたりする。(へんなジジイ)
手頃な値段でいろいろな石が楽しめるのでブレスレットはけっこうな数になってしまった。確かに変なオジジではある。(いっそ8つくらいいっぺんにつけて出掛けてはどうかね)
しかし女でなくてよかった。ペンダントだの指輪だのとなったら確実に破産していたでしょうね。


こうやって見てくると、アメジストの紫というのは、個体によっても、光の具合によっても、様々に見える。捉えにくいし、覚えにくい。見るたびに「こんな色だったっけ」と思う。イオンの色ではなく結晶の歪みが作る偏光だからだろうか。それもアメジストの面白さかもしれません。


アメジストまたまた ④砂時計・フラワーなど

2023-01-04 19:55:28 | 単品

今回は形で。

「砂時計」風ダブル・ターミネイティッド。DTと書くと5ちゃん界隈では別の意味になるから危険。(よしなさい) ブラジル産。
上と下に「砂」があるように見えるからそう呼ぶわけだけど、ちょっと中心線が薄くて完璧な「砂時計」とは言えないかな。でも実にかわいい。(オジジがそういう形容するのはちょっとどうかと)



前にちらっと出したけど、アメジスト・フラワー。

アメジスト・フラワーとは、ごく小さな母岩の周りに結晶が四方八方に拡がったもの。スライスされることもあって、中心に黒っぽい芯が見える。
これは単なる放射状クラスターにも見えるけれど、裏にはちゃんと芯がある。

色は薄めだけど、姿も光も実に美しい。大きいし。
あちきは高いものは買わないので(買えない、だろ) 結晶の姿が美しい標本というのはほぼない。その中でこれは結晶としては一番美しい。

ちょっと大きめなもの2つ。
セプターというか松茸状というか。

どっしりした単結晶。

原宿のコスモスペースさんでこういうのはとてもお安く売っている。



こういう大きな結晶というのは、水晶以外の石ではなかなかないでしょう。ド迫力。
両方とも白熱灯光透過で見るとこれもなかなか美しい。


その他。
既出だけど「シリウスアメジスト」と銘打たれていたもの。よくわからないけど、淡い色も姿もかわいいので再登場。



これは原宿さんで500円くらいで売ってるクラスター。200円というのもあった。
こういうのでも十分美しいのですよねえ。
だいたいウルグアイは色が濃くて、ブラジルは割合薄い。これはブラジルかな。

ミニというか、さざれクラスの「宝石質」もの。

小さいけど、とても澄んでいて美しい。これが100倍くらい大きかったら……(あっても買えないだろ)

あ、丸玉もあったな。反射光も透過光もきれいで、合わせるともっとすごい。こちら

     *     *     *

いろいろ集めてみたけど、まだ何か、「どこかにもっととんでもなく美しい理想的なアメジストがるはず」という気持ちがある。それがどういうものかはわからない。そのうち出会うことができるかもしれない。
そんなふうに思わせるところも、アメジストの魔力なのかもしれませんね。


アメジストまたまた ③ ゲレロ産・ブルガリア産・カナダ産

2023-01-03 13:58:29 | 単品

今回は産地もので。

ゲレロ産。「ゲレーロ」と書きたいけど現地音では伸ばさないみたい。ベラクルスと並ぶ名産地。Cute Stone さんで割とお安めで出ていたので。
ベラクルスが少し薄めなのに対して、こちらはやや濃いめ。といってもウルグアイほど濃くはない。
アメジストの典型的な色みたいな気がする。「きれいなアメジスト見せてよ」と言われたらこれを出すかもしれない。
結晶が合わさっているせいで光や色が方向によって変わるのも面白い。



ちょっと産地としては珍しいブルガリア産アメジストクラスター。色が淡くて彩度も低く、地味っちゃあ地味だけど、じいっと見ているとなんか不思議な気持ちになるんですねえ。
紫自体そもそも不安定な曖昧な色。それが薄いと捉えどころがないというか茫洋というか、何色を見ているのかわからなくなるような。(意味茫洋)



カナダ産は、先住民の聖地「ケイブ・オブ・ワンダーズ」一帯から出るオーラライト23。「パワーストーン」として有名なやつ。

かつての五反田さん(死んだみたいに言うなw) で数百円とお安く出ていたので好奇心でつい手を伸ばした。23て何だよ、というのはめんどいので別項。
インクルージョンは確認できないけど、淡い紫に、方向によってオレンジっぽい色が混じり、結晶面で薄い虹色が輝いたりして、ちびいけどなかなかきれい。ドッグティースっぽい姿もいい。紫が上なのかと思ったけど、どうも白が上らしい。上が紫だったり白だったり、交互に山型の層を作っていたり、いろいろあるみたい。
あちきはパワーはわからないので猫に小判ですかな。ただこれだけの鉱物が出て先住民が聖地と崇めていた土地のものだから、なにがしかの神秘的力はありそうな気がする。

     *     *     *

この前パーフェクトストーンさんでジンバブエ産の「シャンガーン・アメジスト」というのがいくつか出ていました。最近出たものらしい。すごく美しくて欲しかったけど、お財布が許さなかった。新発見というのはけっこうあるものなのですね。

日本にも美しいアメジストが出るところがあるようで。絶産だそうだけど雨塚山のものなんか、写真でしか見たことないけどすごいみたい。日本産はだいたい稀少なので値段も高くて手が出ない。

まあいくら「万民の宝石」と言っても、産地にこだわって集め出すと破産する。ほどほどにしておかないといけません。