中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

フェブラリーS(GI)展望

2008-02-20 14:51:49 | Weblog
ヴァーミリアン】 〝世界を狙う王者の走り〟
飛節炎のため予定していた川崎記念を自重。暮れの東京大賞典以来の実践となる。その前走は不良馬場の平均ペースの流れを、四肢を気持ちよく伸ばし余裕十分の手応えで好位の外め追走。終始、前のフリオーソを射程圏内に入れながら。3角から除々に気合いを付けながら仕掛けを開始。先に動いたフリオーソに4角で馬体を併せ、直線半ばで脚力の違いを見せ付け抜き去り、グングン加速。最後まで脚色鈍ることなく圧勝した。前々走のジャパンCダート1着は、エイシンロンバートが作る縦長の淀みない流れを中団追走。終始、抜群の手応えで鞍上と一体となって追走。3角で自らハミを取るやる気を見せ、満を持して進出を開始させる4角で大外に回すも、ロスのない誘導。直線の残り300㍍地点で左ステッキが入り、一完歩毎にグングン加速。最後まで脚色乱れることなく着差以上の内容で圧勝した。3走前のJBCクラシック1着は、JBCクラシック1着は、好発から引っ張り切りの手応えで好位の中を追走。終始、折り合いもスムーズで鞍上と一体となる。三分三厘で他馬が手綱を押して仕掛けるなか、武豊の手綱は全く動かない。それで位置取りを少し後ろに下げたが、4角から直線入り口にかけて内側にできた僅かな隙間を突く。鞍上のゴーサインに対してグイッと反応。抜群の脚力でグングン突き抜けた。蹄の病で万全の状態には程遠いなかでの圧勝。恐れ入った。2年前のこのレースではマイルの速い流れに戸惑い、脚をタメられずに惨敗している。今回も流れに対応できるかがポイントに。当時から劇的に力を付けているのは確かだが、ゆったり追走したいクチであるのも確か。死角はある。中途半端に前へ行くより、差しに徹するほうが良い。鞍上も心得ている。攻め駆けしないタイプで調子は掴みづらいが、調教量には注意。1週前の動きは上々。ブックのフォトパドックにてJCダート時と今回を見比べてみると、アバラがうっすら浮いた前者に対し、後者はトモはどっしりしていても腹や腰回りに明らかな太め残りの跡が…。厳寒期に順調さを欠いたハンデは想像以上に重いのかも。底力、実績は断然の存在!

フィールドルージュ】 〝初タイトル手にリベンジへ〟
前走の川崎記念1着で悲願のGI制覇。ヴァーミリアン、サンライズバッカスといった強豪の回避で、相手はフリオーソ一頭だけ。1番枠からテンは手綱を押して前へ。決して行きっぷり自体は良くないが、追い込み脚質のこの馬にとっては積極策。一周目の4角では、フリオーソの1馬身半の、3番手のインをガッチリキープ。スタンド前で極端に流れが落ち着き、抑えるのに苦労する感じ。向こう正面でオーソが動き出す。自身も手綱を押して付いて行こうとするも、ズブさを見せる。3,4角で馬体を併せることができたものの、依然として手応えは悪い。ようやく直線半ばから行き脚がつき、グンとひと伸び。逆手前のまま押し切った。ゴール直後に手前を替えていたように、まだまだ余力を残していた。着差以上の強さだ。前々走の名古屋グランプリ1着は、道中は無理することなく中団からの追走。2周目の向こう正面でロングが先に動く。この馬も手綱を押していくも、やはりズブさを見せる。ようやく4角あたりで行き脚がつき、直線で左手前に替えてグイッと突き放した。3走前のジャパンCダート2着は、縦長のHペース。これを後方よりのポディションから追走。縦長で馬群がバラけたお陰で、向こう正面ではインがガラッと開く。そこをスイスイと通って進出。4角では先頭から0秒7差まで詰める。手応えも十分のまま直線を向き、馬場の内めの狭いところを割って伸びる。直線半ばでは単独先頭に踊り出る。最後は勝ち馬の底力に屈したものの、レコード決着で力を出し切っている。府中は勝ち星こそないものの、ズブさがある同馬にとっては間違いなくベストコース。前走も直線がもっとあれば突き放していた。ここ3走は、2100、2500、2100㍍を使われている。ただでさえズブいのに、マイルへの距離短縮で道中の追走や勝負どころでの反応が悪化する可能性がある。内枠を引いて馬込みに包まれると苦しいだろう。

ドラゴンファイヤー】 〝若さで強豪撃破〟
前走の平安S9着は発馬で行き脚つかず手綱を押しても前に進まず後方からの競馬。前のメイショウトウコンを見ながらの競馬。3角でトウコンが進出を開始するも、この馬はズブさを見せて置かれてしまう。4角では3馬身ほど水を明けられ、直線を大外へ持ち出さざるを得ず。直線入り口では内へモタれて立て直すロスもあった。減速した影響もあっただろうが、ゴール前は完全に脚が止まっていた。不満。前々走のジャパンCダート6着は煽り気味の発馬で後方から。前のヴァーミリアンをマークする形。3角で連れて動きを開始させるも、ズブさを見せて手応えで圧倒される。直線を向き、バテてはいないものの、ジリ脚。レコード決着の流れで力差が出た。東京マイルは3戦2勝だが、近走の内容を見る限りはズブくて時計の掛かる馬場でこそ。マイル向きではない。いかにもパワータイプ。ひと叩きされて1週前の動きは絶好。上積みは相当望める。

ワイルドワンダー】 〝得意舞台で末脚炸裂〟
前走の根岸S1着は、発馬で行き脚が今ひとつで半馬身ほどの出負け。だが、4番枠からバックストレッチで前がパカッと開き、後方で閉じ込められることなく三分三厘では先頭からコンマ8秒差まで迫る。抑え切れないくらいの行きっぷり。道中をロスなく回り、直線も内から馬3頭分のところを突く。慌てることなくジョッキーがゴーグルを変える余裕ぶり。残り1ハロン地点手前からスパートを開始させるも、前が詰まって右手綱を引いて立て直す。この時に右手前から左手前に替えて一旦は減速。すぐさま右手前に替えてエンジンが掛かる。スパッとは切れなかったが、ジワジワ詰め寄り差し切った。久々で貫禄勝ち。休養前のジャパンCダート5着は、発馬でそれほど行き脚がつかず。少し気合いを付けて後方のインに潜り込む。だが、縦長の速い流れになったために2角から前がパカッと開き、ハミにモタれて力みながら一気に離れた4番手までポディションを上げる。このために3,4角で他馬がスパートを開始させるなかで、ただ一頭手綱を抑えて懸命に脚をタメる。直線でもインを突き、坂上で一瞬は先頭に踊り出るも脚が上がってしまった。3走前の武蔵野S2着や前走を見ると、手応えほど伸び切れない面がある。ハミにモタれる面があるのが影響している のかも。出負け癖があるので馬群がギュッと凝縮した時に前が壁にならないといいが。

クワイエットデイ】 〝自在性の強み生かし〟
前走の平安S1着は、4番枠から手綱を押して好位のインへ。終始、スムーズな追走で経済コースを立ち回る。直線でロスなく馬場の3分どころへ誘導すると、ジワジワ伸びて僅かに先着した。先行馬有利の流れを好位のインでぴったりと回り、直線もスムーズに出せた。これ以上ない完璧な競馬だった。今回は初のマイル戦になるし、相手も強化される。


メイショウトウコン】 〝流れを味方につける〟
前走の平安S2着は道中、例によって後方に控える。落ち着いた流れで3角からは4着馬に競られ、動かざるを得ず。しかし、4角手前からの反応が悪く、右ステッキが一発入って被される。並みの馬なら馬群に沈んでおかしくないケースだが、直線で狭いところを力強い脚力で伸びる。勝ち馬には僅かに及ばなかったものの、58㌔を背負い底力を見せ付けた。前々走の東京大賞典3着は、縦長の緩みない流れを後方の外め追走。コーナーでの口向きの悪さが目立った。かなり馬群の外めを通り、ロスの多い競馬。加えて3角から大外を捲って勝ち馬に競りかける。4角では加速力の違いで突き放され、直線は3着を死守するのが精一杯だった。圧巻だったのは4走前の札幌のエルムS。フサイチパンドラの作るスローペースを後方3番手から追走。3角で大外からジワッと詰め寄り、4角手前で一気に捲る。直線入り口で楽々先頭に並びかけると、直線でグングン加速。後続を一気に突き放した。早めに動きながらラスト1Fを11秒8でまとめる脚力は凄まじかった。2000㍍以上でもそれなりに善戦してきたが、武器である切れる脚を生かすにはマイルあたりがベストなのは間違いない。昨年のこのレースは惨敗しているが、430㌔台の小柄な馬体で、精神的にも不安定で初の東京遠征でイレ込んだ。今は関東圏での競馬でも馬体減りしなくなったし、460㌔前後まで成長した。充実度が違う。手薄なメンバーのここなら一気の戴冠がある。

ブルーコンコルド】 〝マイルで古豪復活へ〟
前走の東京大賞典5着は、2番枠からテンに好位を伺うも、行きたがって折り合いに四苦八苦。向こう正面は少しポディションを下げて懸命になだめる。しかし、ペースの上がる勝負どころでのズブさは相変わらずで、置かれてしまう。直線入り口では加速力の差でかなりの差があったが、直線で渋太く伸びた。前々走のジャパンCダート7着も積極策が裏目に出てハイペースに巻き込まれた。それでも、大崩れしなかったあたりが底力。中距離もこなせないことはないが、折り合いに難があって競馬がしづらい。その点、マイルは交流GI4勝をしていて、昨年のこのレースも2着。3,4角で内へモタれ、従来のズブさをも加わって前に進まない。直線入り口では絶望的な位置にいたが、残り2ハロンから怒涛の追い込みを見せ、グイグイと加速。最後は勝ち馬を凌ぐ脚色だった。ズブさはあるが、直線の長い府中ならそれをカバーできる決め手を持っている。近走は先行しての競馬が目立つが、本来は後ろから行ってこそ。8歳馬でも衰えはない。

ヴィクトリー】 〝マイルで替わるスピード性能〟
ダートで新境地を開こうとしている。掛かり癖は相変わらずで、菊花賞ではモロに掛かり前走のジャパンCでも力んでいた。中距離以上では力を出し切れない。出負け癖もあり、それでテンに仕掛けて前に行くために余計そうなっている。今回は関東の後藤をヤネに迎え、積極策が予想される。芝スタートで行き脚がつけばハナへ行けるだろか。コロンとした体型からワンペースの走りをするタイプ。ダートは合うかも。マイルへの距離延長はプラスだろうが、気難しさを出せば楽ではない。追い不足。

ロングプライド】 〝若さで一戦毎に台頭〟
前走の平安S4着は、発馬で行き脚つかず最後方からの競馬。前のメイショウトウコンをマークする形。3角から大外を通って競りかけていき、4角で被せる。自身も緩い流れで外々を通らされる苦しい形だったが、直線も大きくバテることなく差してきた。及第点。雨の高速馬場だと極端に末脚が鈍り、パサパサのダートでこそのタイプ。それでも、上位陣とは決め手に差がある。定量の57㌔になり、ペリエの腕が加わってどこまで。

メイショウバトラー】 〝スピード生かし〟
明け8歳馬。暖かい季節に良績が集中。冬場は良くない。前走の根岸S6着は、テンに掛かり、3角でバッチン食らった。ワンペースで中央場所では決め手不足。スピードを生かしてどこまで。ハナを切れれば。

アンパサンド】 〝能力高い〟
前走の川崎記念4着は、テンに追っつけて前へ。逃げるフリオーソを徹底マークする積極的な競馬。だが、ペースの上がった3角で付いていけず3番手まで後退。直線もバテる一方で3着馬に交わされた。フットワークに硬さが目立っていたし、ペースを考えてもあれだけ負けるのは久々を叩いた反動があったのか。休み明けで22㌔増えていた前々走から2㌔しか減っておらず太目残りでもあった。休養前の東京ダービーでは、正攻法の競馬から直線でフリオーソに迫られながらも押し切る強い競馬だった。昨年7月のジャパンDD2着後に骨片の除去手術を行ったが、聞けば東京ダービー優勝時から骨片を気にして歩様がスムーズではなかったそうだ。それでフリオーソと好勝負を演じるのだから能力の高さは疑いようがない。血統的にはマイル向き。叩き3走目で馬体が絞れれば。調教でフットワークに注意したい。

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きさらぎ賞(GⅢ)回顧

2008-02-20 14:42:53 | 回顧
【馬場】天候:晴、芝:良。

12.8 - 11.0 - 12.3 - 12.5 - 12.2 - 12.1 - 12.1 - 11.8 - 12.0=1:48.8

【展開】メジロガストンがハナ。番手馬が手綱をガッチリ抑えて控えたし、有力どころに差しタイプが多く、前のレッツゴーも折り合いに専念。緩い流れで直線の追い比べ。馬場を考えれば外目に持ち出した馬有利。時計平凡。

 ペリエの渾身の右ステッキ。それに応えてレインボーペガサスが一気に差し切り勝ちを収めた。15番枠から道中は中団の外め。だが、口を割って行きたがり、折り合いを欠く。何とか前に馬を置いてなだめられる。終始、馬場のマシな外めを通る。3角の上り坂でも押さえるのに苦労するほどの行きっぷり。下り坂を慎重に下り、4角で2着馬が動いたのに連れて進出開始。直線で馬場の大外へ持ち出し、右ステッキが数発。始めは反応が鈍かったが、ラスト1F地点からようやくエンジンが掛かる。そこからは渋太く伸びた。勝ち時計へ平凡も馬場の影響もある。反応が鈍い面があり、時計勝負は辛いそう。リングハミ着用。

 スマイルジャックは12番枠からスッと好位の外めに取り付くも、持って行かれるような感じ。十分に脚をタメられているとは言えない。3角の下り坂でガツンとハミを取ってしまい、一気に進出。直線で早めに先頭へ立つ形となり、ラスト150㍍付近で勝ち馬に並ばれる。アッサリ交わされてもおかしくなかったが、そこから粘りを見せ、3着馬には差されなかった。ハミにモタれる若さがあり、距離延長は有利とはいえない。エッグハミ着用。

 ヤマニンキングリーは16㌔増でフックラ。もう少しトモに力が付いてほしい。テンは中団馬群のなかからの追走。向こう正面で手綱を引っ張る不利があり、後退。その後は後方で折り合いに専念する形。4角で勝ち馬を目標に馬場の良い大外へ持ち出す。そこからジワジワと伸び、ラスト1F付近では差し切ろうかの勢い。だが、ゴール前で脚色が鈍り2着馬も差せなかった。テンに折り合いを欠いたのもあるが、追われてから頭が高い。決め手勝負では分が悪いのかも。

 レッツゴーキリシマは11番枠からスッと先行策。スピードの違いで3番手に取り付くも、口を割って頭を上げてモロに掛かる。向こう正面はずっとこんな感じで相当なスタミナをロス。3角の下り坂でも鞍上との呼吸が取れない。4角で手応えは良くなかったが、直線で2着馬と馬体を併せる形で伸びる。ラスト300㍍付近で右手前に替え、もうひと踏ん張り。苦しいながらも大崩れしなかったのは評価できる。折り合い次第では1800㍍は克服可能。馬群を苦にしないだけに、内枠がほしい。

 ダイシンプランは良化途上。例によって後方に控える形。向こう正面は良かったが、3角で手綱が動き始め、4角では左ステッキが入るほど手応えが悪い。直線入り口で手綱が激しく動くと、直線半ばでは左ステッキに反応して内へモタれる。ラスト1F地点から重心を沈めて伸びようとするも、ガツンと来るものがなかった。本来はもっと切れるタイプ。走る方向に気が向いていないのだろう。良化待ち。

 アルカザンは道中、中団馬群の中からの追走だったが、フワフワして集中力を欠く。ペースの上がった4角ではズブさを見せて手綱のアクションに余裕がない。こうなると進路が限定されてしまう。スローなら尚更。仕方なく、直線は馬場の真ん中に出し、頭の高い走法でジリジリ伸びるも勝ち負けには加われず。外へ持ち出したかっただけにズブさが余計に応えた。叩いて変わり身に期待。

 ブラックシェルはプラス10㌔。厳寒期ということもあり、腹回りに余裕があったのは確か。レース前からテンションが高く、レースでも出負け。2番枠から馬場のいい外めに進路を切り替える。4角で狙っていた進路(ヤマニンとダイシンの間)を塞がれ、一旦手綱を引っ張るシーン。減速して直線は超大外へ。直線で右ステッキが入ると、外へ膨らんでしまう。追ってからはジリ脚だった。前脚のフットワークが小さく、馬体ほどフットワークに迫力を感じない。

ダイヤモンドS(GⅢ)回顧

2008-02-20 14:41:46 | 回顧
【馬場】野芝約4~6cm、洋芝約10~12cm。Dコース。厳寒期で芝の状態良くない。

12.9 - 12.7 - 12.5 - 12.8 - 11.8 - 12.4 - 13.0 - 14.0 - 13.3 - 12.5 - 12.6 - 12.8 - 12.4 - 12.0 - 11.6 - 11.5 - 12.8=3:33.6

【展開】マンハッタンがハナ。1周目のスタンド前で11秒8とペースアップし、ここで先行していた馬は壊滅。結局、後方で折り合いに専念した馬有利。

 もう本物と見て良いだろう。7歳にして本格化したアドマイヤモナーク。道中は縦長のスローペースを中団のインで折り合いに専念。抑えるのに苦労するほどの行きっぷりで手応えは抜群。4角でも一頭だけ手応えが違っていた。直線の坂上で進路を選ぶほどの余裕ぶり。レースのラスト2F11秒5のところを、中団から軽く手綱を動かしただけでグンと加速。アッという間に先頭に立つ。いくらスローで後方で脚をタメていたとはいえ、坂越え2回でこの脚力。凄まじい。左手前のまま突きぬけて圧勝した。57キロお背負い、中身の濃い競馬。力が違った。

 エーシンダードマンは大きなフットワークで後方で折り合いに専念。4角で他馬に接触しそうになり、大外へ膨れ、減速するロス。立て直して直線へ向くも、内へモタれてまともに追えない。そこから何度も手前を替えて差してくるも、ラスト1Fを切ってからも内へモタれる。ゴール前は3着馬と馬体を併せる形。53㌔を背負い、ベスト条件だけに惜しかった。

共同通信杯(GⅢ)回顧

2008-02-20 14:40:45 | 回顧
【馬場】Dコース。降雪の影響で日曜開催が土曜開催に。時計掛かる。野芝約4~6cm、洋芝約10~14cm。

12.5 - 10.6 - 10.8 - 11.9 - 12.7 - 13.0 - 12.2 - 11.5 - 12.4=1:47.6

【展開】出脚が鈍いショウナンアクロスがB着用で2ハロン目から掛かり気味に行き、イイデケンシンがそれに競りかける形。更に勢いが付いたアクロスが3ハロン目に10秒8と加速してテンの3ハロンが33秒9。後続を大きく引き離す形。3角でおよそ10馬身。4角で筒一杯になると、後続が一気に差を詰める。緩みない流れでどの位置からでも力を出せる展開。

 降雪による一日延期。荒削りな3歳馬にとっては余計に応える悪条件。そんな中、勝ったショウナンアルバにとっては最良の一日となった。11番枠から好発を決めるも、手綱をグッと抑えて好位の外目に控える。2ハロン目あたりからは口を割って行きたがっていたが、向こう上面中盤からは何とかなだめられる。我慢した甲斐があり、4角では絶好の手応え。終始、馬場の良い3分どころを通り、直線入り口の坂上では持ったまま先頭に並びかける。先頭に立つのが少し早い形になったが、残り300㍍地点から追い出し、一頭になってもしっかり駆け抜ける。後続に迫られても抜かれる雰囲気はなかった。まだ追ってから頭が高くビュッと切れる印象はないが、4角で持ったまま先頭に立った脚力は本物と見て間違いない。折り合いさえ付けばもっと出世できる。大きなフットワークで将来が楽しみ。落ち着きがポイント。

 タケミカヅチは1番枠からそれほど発馬は良くなかったが、インの経済コースを立ち回り、3角では中団まで押し上げる。道中は自らハミを取るやる気を見せ、鞍上が押されるのに苦労するほどの行きっぷり。直線もインに潜り込み、坂上でも手応え十分。左回りでは内にモタれる癖があるので、左ステッキと内ラチを頼りに懸命に追う。最後は逆に外へ膨れたものの長く良い脚を使って追い込んだ。一度使われて攻めの動きも良化。

 マイネルスターリーは道中、後方のインでジックリと末脚を温存する形。慌てずジックチ、何もしない道中。前が飛ばす緩みない流れは有り難かった。4角で少し手綱が動き、決して手応えは良くなかったが、直線も馬場の内めを突き、馬群のなかからジワジワと詰め寄る。ゴール前は脚色が一緒になってしまったが、重賞でも通用する脚力を見せた。追い込み一辺倒で成績は安定しないが、流れ次第でやれる。

 シングンリターンズは押しても行けない感じで、中団までポディションを下げる。結果的は流れに巻き込まれることなく、ジックリと脚をタメられた。直線を向き、手応え自体は十分。坂上で少し前が詰まったが、外めに持ち出し、一完歩毎にジワジワと脚を使って伸びた。スムーズに運べたことが大きかった。

 圧倒的1番人気のサダムイダテン。この日は10㌔減。厳寒期でそれほどハードに追われていないのにこの数字は減点材料だ。前走とは違い、好発を決める。道中は手綱をグッと抑えて後方までポディションを落とす。馬場の悪いインを避け、馬場の3分どころを通る。3,4角で馬群のなかに突っ込むのではなく、距離ロス覚悟で大外へ持ち出す。鞍上としては、外を回っても勝てるだけの力があると自信を持っていたのだろう。ジャパンCのメイショウサムソンと同じだ。直線を向き、持ったままの痺れる手応えで坂を上る。先頭までおよそ3馬身弱。坂を上った残り300㍍地点から手綱をしごいてスパートを開始させる。右ステッキが数発入り、一瞬は伸びかける。だが、そこからの持続力がない。調教と同様、頭が高く最後は脚色にもお釣りがなかった。柔らかい前脚の捌きで推進力に満ち溢れる反面、追ってからの重心が高く、完歩が小さいために脚が長続きしない感じ。4角から直線の坂上までの脚力は間違いなく一級品だが、府中の長い直線で大外を回して勝てるほどの持続力はなかった。適性はマイル以下だろう。中山の短い直線なら一瞬の脚を生かせる。デキも良くなかった。

マイネルプレーザは28㌔増。追い不足のため太め残りだった。道中も縦長の緩みない流れを先行。テンに行きたがっていた。直線を向いてもなかなか手前を替えなかったし、久々も含めれば仕方ない。調教で見せるダイナミックな走りは目を見張るものがある。

 サブジェクトは勝ち馬が手綱を引っ張った向こう正面で煽りを受け、手綱を押しては引き、押しては引きを繰り返し、リズムが悪かった。

シルクロードS(GⅢ)回顧

2008-02-20 14:39:49 | 回顧
【馬場】晴れ・やや重。Cコース。野芝約8~10cm、洋芝約12~16cm。前日に降雪で開催中止。開催が進むに連れ、内の馬場状態が悪化。外差しが決まる。時計掛かる。

12.3 - 10.6 - 10.8 - 11.2 - 11.9 - 12.3=1:09.1

【展開】快速アストンマーチャンが飛ばす形。楽に2ハロン目から10秒6-10秒8と飛ばす。それほど速い展開ではないが、先行馬はやや重に加えて内の荒れた所を通らされて想像以上にスタミナを奪われる。外差しが利く展開。

 降雪の影響で内の馬場状態が良くない。そんな中、ファイングレインは最内枠を引いてしまう。万事休したかと思われたが、幸騎手のファインプレーで最高枠に変えてみせた。発馬で行き脚がつかず、離れた最後方を追走。3角まではインで脚をタメ、4角手前から馬場の良い大外へ。強引に大外へ回すのではなく、除々に外めに持ち出すロスの少ない誘導。直線で馬場の良いところを通り、グングンと加速。一気に差し切ってしまった。抜け出す時の脚力は凄かった。マイルだと道中でハミにモタれ、どうしても最後が甘くなってしまう。この距離で決め手を手に入れた。時計の速い決着は未知数だが、高松宮記念はそれほど速い勝負にはならないはず。

 コパノフウジンは発馬後に無理することなく手綱をグッと抑え、中団の外めまでポディションを落とす。終始、馬場の良いところを通り、脚をタメる。直線でジワジワと押し上げた。パワータイプで時計の掛かる馬場状態も良かったし、デキも良かった。右回りで条件が合えば。

快速牝馬アストンマーチャンが苦しんでいる。ポンと好発を切り、馬なりのまま楽にハナへ。2ハロン目から10秒6-10秒8と飛ばす。だが、完歩が極めて小さく凄く回転の速いフットワーク。ダッシュ力に優れる反面、この走法だけに抑えが利かず一気に駆け抜けてしまう。3,4角でも一気に行き、直線半ばで早々と失速。ゴール前は完全に脚が止まっていた。2歳時は気性が安定していたために抑えが利いていたが、現在は気性もスプリンターになっている。56㌔とスタミナとパワーを奪う荒れ馬場も余計に応えた。京都の3,4角に下り坂があるのも良くない。スプリンターズSの時は大量の降雨で馬場の全てが同じ状態だったが、今回は内側だけ荒れていた。次走の高松宮記念は従来の8日間開催ではなく、10日間。その最終日だから馬場状態は想像に難しくない。息を入れるこ