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2022年は客観的な予想を心がけます。

札幌記念(GⅡ)展望

2005-08-20 23:40:10 | 見解
夏競馬唯一のGⅡ札幌記念。毎年、秋GI戦線に向けて始動する古馬、3歳の一線級が参戦するのだが、3歳の雄ストーミーカフェが神戸新聞杯、クラフトワークが股関節炎で回避と小粒のメンバーとなってしまった。人気を背負うのは昨年の菊花賞3着のオペラシチー。秋に向けてどのような競馬をするのか非常興味深い。舞台は小回り札幌2000m。基本的に先行有利のステージで、差し馬も小回りに対応できる一瞬の切れ味が要求される。


【オペラシチー】
前走の目黒記念1着はエローグの作るスローの流れを5、6番手の好位から追走。終始、折り合いもスムーズで流れが速くなった4角でも持ったままの抜群の手応え。楽勝かと思われたが、ジリジリとしか伸びず何とか競り合いを制した。レコード勝ちだったが、4角の手応えを考えればもう少し突き放してほしかった。大型馬で道中、ゆったりとした競馬が合っている。前走の内容を見ても分かるとおり決して一瞬の切れ味に長けているわけではない。平均して長くいい脚を使うタイプ。その意味では小回り2000mに替わる点はマイナスだ。まだ、キャリア9戦。3歳時は体質が弱く思うような攻めが積めなかった。休養を挟んでどれだけ成長したか楽しみだ。


【エリモハリアー】
前走の函館記念1着はブルートルネードの作る緩い流れを3番手のインと理想的な位置から追走。終始、リズム良く追走すると、4角で前を射程圏に入れる。直線で一瞬の鋭い脚で差し切った。ロスなく乗った鞍上の好騎乗も光った。前々走の巴賞が不良馬場での勝利でフロック視されていただけに、良馬場でも結果を出せたことは大きかった。小回り平坦巧者。前走は終始、経済コースを通れた恩恵も大きく、展開も向いたことも確か。ここは相手強化が課題となる。5ゲートから内をロスなく追走できれば。この中間は短期放牧を挟んでいる。やや軽めの調教で前走からの上積みは見込めない。平行線。


【コイントス】
前走のダイヤモンドS11着は1角で掛かってなし崩しに脚を使わされた。長距離戦であのような形になっては厳しい。かつては有馬記念3着の実績がある。決め手に欠ける面はあるものの、好位を器用に立ち回る。この距離なら折り合いに不安もない。


【サイレントディール】
前走の宝塚記念14着はコスモバルクとタップダンスシチーが競り合う厳しい流れを好位から追走するも、勝負どころで手応えが怪しくなり、抵抗できないまま惨敗してしまった。展開が厳しかったこともあったが、芝のGIでは荷が重かった。前々走のエプソムC4着は終始、折り合いもスムーズ。直線入り口で前を射程圏に入れるも、そこから伸びきれず。鞍上の武豊騎手によれば右前脚が落鉄していたとのこと。これ以上ない展開だっただけに悔やまれる。一瞬の決め手には欠ける。平均していい脚を使うタイプ。3走前のように平均ペースの流れを早めに抜け出す競馬が合っている。ここも勝負どころで早めに抜け出す競馬で押し切りを図る。うるさい面があり、滞在競馬で落ち着きがあるのは良い材料。


【スプリングシオン】
前走の函館記念7着はブルートルネードの作る緩い流れを4,5番手から追走するも、勝負どころで手応えが怪しくなり、直線で見せ場のないまま失速してしまった。前後半同じラップの脚しか使えない。前々走はかなり低調なレースだった。ここはGⅡで相手も揃っている。厳しい戦いになるだろう。


【ダンスインザムード】
前走のクイーンS8着は残念なレースだった。ハナを切ったスターリーヘヴンに1角で掛かって競りかける。そのまま息の入らない流れとなって共倒れしてしまった。休み明けはイレ込む傾向にある、滞在競馬なら何とかなると思ったが、馬場入りからテンションが高かった。今シーズンは気性面の難しさを露呈した惨敗を繰り返している。一度使われたことで落ち着きを取り戻しているといいのだが…。鞍上は横山典騎手。揉まれ弱いことと、前走の内容を考えれば最後方待機の策を取るだろう。


【スズノマーチ】
前走のエプソムC1着は好スタートを切るとグランリーオの作る平均ペースの流れを3,4番手のインと理想的な位置から追走。終始、内の経済コースを通ると、直線でジリジリと脚を伸ばして快勝。ただ、内の経済コースを通った恩恵は大きかった。1800~2000mを中心に使われ、気性の成長とともに末脚も安定してきた。ややズブいところがあるが、一瞬の切れ味はなかなかのもの。勝負どころで早めに動いても粘り切れる。


【チアフルスマイル】
前走のクイーンS3着は道中、縦長の淀みない流れを後方のインで末脚を温存。終始、内の経済コースを通って4角で前を射程圏に入れる。だが、直線入り口で前が壁になり、手綱を引っ張る不利。もう一度立て直して巻き返すも、真っ直ぐ追えず及ばなかった。ただ、直線での不利がなければ勝っていただろう。メンバー最速の上がり33秒8の脚は光った。瞬発力に長けている。前走から連闘となるが、一戦毎に馬体が増えて充実しており、問題ない。牡馬相手となるが、強力な馬がいないここはチャンス。切れ味勝負だけに良馬場でやりたい。


【ホウキパウェーブ】
前走後、脚元に不安が出て、ここまで復帰戦が伸びた。前走のジャパンC16着は予想外のシンガリ負け。自分から競馬をやめてしまった。ただ、菊花賞2着、セントライト記念2着で見せた長くいい脚は間違いなくここで通用するもの。勝負どころでロングスパートが決まれば。


【スムースバリトン】
今回は2歳戦以来のレースとなる。久々で初の古馬相手と条件は厳しい。素質に期待したいところ。鞍上は乗っている蛯名騎手。


【ファストタテヤマ】
長距離戦を使って中1週。テンの追走に苦しむタイプだけに余計心配である。追走が楽になる分、道悪になるのは良い。無欲の追い込みが怖い。


【ヘヴンリーロマンス】
前走のクイーンS2着は久々に加えてプラス14キロ。成長分もあるにしろ、余裕残しの馬体。道中はスタート後、押して前へ。縦長の展開を中団前目のインでスムーズに追走。勝負どころで勝ち馬よりワンテンポ遅く仕掛けると4角で外へ持ち出す。最後は鋭く迫るもクビの上げ下げで負けた。ここ数走、スローの術中に嵌っていただけに淀みない流れでスムーズに追走できたことが大きかった。小回りコース適性がどうかと感じだが、全く問題なかった。B着用で気難しいところがあるだけに速いペースを追走できたことは大きかった。持続ある流れで台頭する差し馬。GⅡ勝ちの力は伊達ではなかった。前々走、3走前はスローの術中に嵌り、流れが向かなかった。ここも平均ペースの持続ある流れになれば台頭できる。太め残りの連闘で上積みを見込むのが妥当。


【ブルートルネード】
前走の函館記念2着は内枠を利してスローの逃げに持ち込んだ。終始、スムーズな逃げで直線半ばまで抵抗するも、最後は勝ち馬の決め手に屈した。展開に恵まれたことを考えれば少々、不満も残る。ここも単騎逃げが望めるメンバー構成。別底に替わって2キロ増の56キロと条件は楽ではないが、展開の恩恵と道悪になれば。


【マチカネメニモミヨ】
前走の函館記念4着は消化不良のレース。スローの流れを後方の外を追走。残り3ハロン時点でペースが上がり、外を通って前へ進出。直線で大外に持ち出すも届かなかった。スローの流れを考えれば、もっと内を突いてほしかった。あれだけ外を通っては勝負にならない。前々走の巴賞3着も終始、外を通って直線も大外。最後はいい脚で追い上げていただけに悔やまれる。ここ2走は消化不良のレースが続いている。内枠を利して終始、経済コースを通れれば。道悪で時計が掛かるのはいい。


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