中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

ダイヤモンドS(GⅢ)回顧

2008-02-20 14:41:46 | 回顧
【馬場】野芝約4~6cm、洋芝約10~12cm。Dコース。厳寒期で芝の状態良くない。

12.9 - 12.7 - 12.5 - 12.8 - 11.8 - 12.4 - 13.0 - 14.0 - 13.3 - 12.5 - 12.6 - 12.8 - 12.4 - 12.0 - 11.6 - 11.5 - 12.8=3:33.6

【展開】マンハッタンがハナ。1周目のスタンド前で11秒8とペースアップし、ここで先行していた馬は壊滅。結局、後方で折り合いに専念した馬有利。

 もう本物と見て良いだろう。7歳にして本格化したアドマイヤモナーク。道中は縦長のスローペースを中団のインで折り合いに専念。抑えるのに苦労するほどの行きっぷりで手応えは抜群。4角でも一頭だけ手応えが違っていた。直線の坂上で進路を選ぶほどの余裕ぶり。レースのラスト2F11秒5のところを、中団から軽く手綱を動かしただけでグンと加速。アッという間に先頭に立つ。いくらスローで後方で脚をタメていたとはいえ、坂越え2回でこの脚力。凄まじい。左手前のまま突きぬけて圧勝した。57キロお背負い、中身の濃い競馬。力が違った。

 エーシンダードマンは大きなフットワークで後方で折り合いに専念。4角で他馬に接触しそうになり、大外へ膨れ、減速するロス。立て直して直線へ向くも、内へモタれてまともに追えない。そこから何度も手前を替えて差してくるも、ラスト1Fを切ってからも内へモタれる。ゴール前は3着馬と馬体を併せる形。53㌔を背負い、ベスト条件だけに惜しかった。

共同通信杯(GⅢ)回顧

2008-02-20 14:40:45 | 回顧
【馬場】Dコース。降雪の影響で日曜開催が土曜開催に。時計掛かる。野芝約4~6cm、洋芝約10~14cm。

12.5 - 10.6 - 10.8 - 11.9 - 12.7 - 13.0 - 12.2 - 11.5 - 12.4=1:47.6

【展開】出脚が鈍いショウナンアクロスがB着用で2ハロン目から掛かり気味に行き、イイデケンシンがそれに競りかける形。更に勢いが付いたアクロスが3ハロン目に10秒8と加速してテンの3ハロンが33秒9。後続を大きく引き離す形。3角でおよそ10馬身。4角で筒一杯になると、後続が一気に差を詰める。緩みない流れでどの位置からでも力を出せる展開。

 降雪による一日延期。荒削りな3歳馬にとっては余計に応える悪条件。そんな中、勝ったショウナンアルバにとっては最良の一日となった。11番枠から好発を決めるも、手綱をグッと抑えて好位の外目に控える。2ハロン目あたりからは口を割って行きたがっていたが、向こう上面中盤からは何とかなだめられる。我慢した甲斐があり、4角では絶好の手応え。終始、馬場の良い3分どころを通り、直線入り口の坂上では持ったまま先頭に並びかける。先頭に立つのが少し早い形になったが、残り300㍍地点から追い出し、一頭になってもしっかり駆け抜ける。後続に迫られても抜かれる雰囲気はなかった。まだ追ってから頭が高くビュッと切れる印象はないが、4角で持ったまま先頭に立った脚力は本物と見て間違いない。折り合いさえ付けばもっと出世できる。大きなフットワークで将来が楽しみ。落ち着きがポイント。

 タケミカヅチは1番枠からそれほど発馬は良くなかったが、インの経済コースを立ち回り、3角では中団まで押し上げる。道中は自らハミを取るやる気を見せ、鞍上が押されるのに苦労するほどの行きっぷり。直線もインに潜り込み、坂上でも手応え十分。左回りでは内にモタれる癖があるので、左ステッキと内ラチを頼りに懸命に追う。最後は逆に外へ膨れたものの長く良い脚を使って追い込んだ。一度使われて攻めの動きも良化。

 マイネルスターリーは道中、後方のインでジックリと末脚を温存する形。慌てずジックチ、何もしない道中。前が飛ばす緩みない流れは有り難かった。4角で少し手綱が動き、決して手応えは良くなかったが、直線も馬場の内めを突き、馬群のなかからジワジワと詰め寄る。ゴール前は脚色が一緒になってしまったが、重賞でも通用する脚力を見せた。追い込み一辺倒で成績は安定しないが、流れ次第でやれる。

 シングンリターンズは押しても行けない感じで、中団までポディションを下げる。結果的は流れに巻き込まれることなく、ジックリと脚をタメられた。直線を向き、手応え自体は十分。坂上で少し前が詰まったが、外めに持ち出し、一完歩毎にジワジワと脚を使って伸びた。スムーズに運べたことが大きかった。

 圧倒的1番人気のサダムイダテン。この日は10㌔減。厳寒期でそれほどハードに追われていないのにこの数字は減点材料だ。前走とは違い、好発を決める。道中は手綱をグッと抑えて後方までポディションを落とす。馬場の悪いインを避け、馬場の3分どころを通る。3,4角で馬群のなかに突っ込むのではなく、距離ロス覚悟で大外へ持ち出す。鞍上としては、外を回っても勝てるだけの力があると自信を持っていたのだろう。ジャパンCのメイショウサムソンと同じだ。直線を向き、持ったままの痺れる手応えで坂を上る。先頭までおよそ3馬身弱。坂を上った残り300㍍地点から手綱をしごいてスパートを開始させる。右ステッキが数発入り、一瞬は伸びかける。だが、そこからの持続力がない。調教と同様、頭が高く最後は脚色にもお釣りがなかった。柔らかい前脚の捌きで推進力に満ち溢れる反面、追ってからの重心が高く、完歩が小さいために脚が長続きしない感じ。4角から直線の坂上までの脚力は間違いなく一級品だが、府中の長い直線で大外を回して勝てるほどの持続力はなかった。適性はマイル以下だろう。中山の短い直線なら一瞬の脚を生かせる。デキも良くなかった。

マイネルプレーザは28㌔増。追い不足のため太め残りだった。道中も縦長の緩みない流れを先行。テンに行きたがっていた。直線を向いてもなかなか手前を替えなかったし、久々も含めれば仕方ない。調教で見せるダイナミックな走りは目を見張るものがある。

 サブジェクトは勝ち馬が手綱を引っ張った向こう正面で煽りを受け、手綱を押しては引き、押しては引きを繰り返し、リズムが悪かった。

シルクロードS(GⅢ)回顧

2008-02-20 14:39:49 | 回顧
【馬場】晴れ・やや重。Cコース。野芝約8~10cm、洋芝約12~16cm。前日に降雪で開催中止。開催が進むに連れ、内の馬場状態が悪化。外差しが決まる。時計掛かる。

12.3 - 10.6 - 10.8 - 11.2 - 11.9 - 12.3=1:09.1

【展開】快速アストンマーチャンが飛ばす形。楽に2ハロン目から10秒6-10秒8と飛ばす。それほど速い展開ではないが、先行馬はやや重に加えて内の荒れた所を通らされて想像以上にスタミナを奪われる。外差しが利く展開。

 降雪の影響で内の馬場状態が良くない。そんな中、ファイングレインは最内枠を引いてしまう。万事休したかと思われたが、幸騎手のファインプレーで最高枠に変えてみせた。発馬で行き脚がつかず、離れた最後方を追走。3角まではインで脚をタメ、4角手前から馬場の良い大外へ。強引に大外へ回すのではなく、除々に外めに持ち出すロスの少ない誘導。直線で馬場の良いところを通り、グングンと加速。一気に差し切ってしまった。抜け出す時の脚力は凄かった。マイルだと道中でハミにモタれ、どうしても最後が甘くなってしまう。この距離で決め手を手に入れた。時計の速い決着は未知数だが、高松宮記念はそれほど速い勝負にはならないはず。

 コパノフウジンは発馬後に無理することなく手綱をグッと抑え、中団の外めまでポディションを落とす。終始、馬場の良いところを通り、脚をタメる。直線でジワジワと押し上げた。パワータイプで時計の掛かる馬場状態も良かったし、デキも良かった。右回りで条件が合えば。

快速牝馬アストンマーチャンが苦しんでいる。ポンと好発を切り、馬なりのまま楽にハナへ。2ハロン目から10秒6-10秒8と飛ばす。だが、完歩が極めて小さく凄く回転の速いフットワーク。ダッシュ力に優れる反面、この走法だけに抑えが利かず一気に駆け抜けてしまう。3,4角でも一気に行き、直線半ばで早々と失速。ゴール前は完全に脚が止まっていた。2歳時は気性が安定していたために抑えが利いていたが、現在は気性もスプリンターになっている。56㌔とスタミナとパワーを奪う荒れ馬場も余計に応えた。京都の3,4角に下り坂があるのも良くない。スプリンターズSの時は大量の降雨で馬場の全てが同じ状態だったが、今回は内側だけ荒れていた。次走の高松宮記念は従来の8日間開催ではなく、10日間。その最終日だから馬場状態は想像に難しくない。息を入れるこ

根岸S(GⅢ)回顧

2008-02-06 00:18:07 | 回顧
フェブラリーS(GI)徹底研究

【馬場】不良馬場。雪解け水で高速馬場。

12.2 - 10.7 - 11.4 - 12.0 - 11.9 - 12.0 - 12.5=1:22.7

 勝ったワイルドワンダーは発馬で行き脚が今ひとつで半馬身ほどの出負け。だが、4番枠からバックストレッチで前がパカッと開き、後方で閉じ込められることなく三分三厘では先頭からコンマ8秒差まで迫る。抑え切れないくらいの行きっぷり。道中をロスなく回り、直線も内から馬3頭分のところを突く。慌てることなくジョッキーがゴーグルを変える余裕ぶり。残り1ハロン地点手前からスパートを開始させるも、前が詰まって右手綱を引いて立て直す。この時に右手前から左手前に替えて一旦は減速。すぐさま右手前に替えてエンジンが掛かる。スパッとは切れなかったが、ジワジワ詰め寄り差し切った。久々で貫禄勝ち。ただ、道中のコースや位置取りは恵まれた。直線の不利があったとはいえ、もう少し突き放してほしかった。

 脚抜きの良いダートでスピード全開だったタイセイアトム。3走続けて大外枠からスピードの違いでスッとハナへ。スプリント並みのハイラップを刻む。3角入り口からジョッキーが手綱をグッと抑える。最初は口を割って行きたがったが、4角手前からは12秒0としっかりと息を入れ、折り合うことができた。決してスピード一辺倒ではない。手応えを残したまま4角から直線を向き、スッと右手前に替える。そこから番手馬に並ばれるどころか、二の脚を使い突き抜ける。ゴール寸前まで粘りに粘ったが、あと一歩及ばなかった。緩急ある逃げ戦法を手に入れ、二の脚を使えるようになった。他馬の競り合いがないことが条件だが、これならマイルの本番でも楽しみはある。スピードは間違いなくNO.1。

 アドマイヤスバルは悔やまれる敗戦。道中は14番枠から好発を決め、ジワッとポディションを下げて中団の外め。流れを考えれば正解。だが、3角で故障馬の煽りを受け、他馬と接触。手綱を引いて大外へ膨れ、最後方までポディションを落としてしまう。万事休すほどの致命的不利。ここで終わって当然のケース。しかも、直線入り口では前がビッシリと壁になり、大外へ持ち出すロス。全く持ってスムーズな競馬ができなかったにもかかわらず、最後は大外から鋭い末脚で突っ込み、際どいところまで迫ってきた。スムーズなら勝っていただろう。それ程、3角の不利は致命的だった。負けて強し。

 トーセンブライトは道中、中団やや前めのポディションで、インの経済コースを上手く立ち回りロスのない競馬。4角から直線にかけての手応えも十分。だが、追い出されてからの反応は案外で、ジリ脚。ずっと左手前のままだった。ロスのない競馬を考えればもっと弾けなければ。

 カフェオリンポスは58㌔を背負い、後方からよく追い上げている。大きなフットワークで切れは感じないが、一完歩毎にジワジワと脚を使う。

 メイショウバトラーはテンに掛かっていたし、3角ではバッチン食らった。苦手の冬場ということを考えればよく頑張っている。

 マイネルスケルツィは好位から絶好の手応えでの追走。3角で手綱を引っ張る不利はあったものの、4角から直線にかけての手応えも十分。だが、直線でいざ追い出されてからの反応が全くない。最後は完全に脚が止まっていた。この内容だと16㌔増で太め残りと考えるのが普通だろう。馬体の増減が大きいタイプ。安定しない。

 エイシンロンバートはテンに行けなくなっている。気難しい。走ることに嫌気を差しているか。

師匠・大谷内泰久さんの予想はこちから 
Q&Aはこちら
ブログなどはこちら




京都牝馬S(GⅢ)回顧

2008-02-05 22:51:23 | 回顧
馬場】Cコース。野芝約8~10cm、洋芝約12~16cm。

12.9 - 11.5 - 11.9 - 12.2 - 11.9 - 11.7 - 12.0 - 11.9=1:36.0

【展開】テンは各馬が出方を伺う形。2ハロン目からシェルズレイがハナを主張し、スンナリ隊列が決まる。スロー。1番人気のブルーメンブラットは後方で終いを生かす形に専念。勝ち馬は好位から早めの競馬で乗り切る。流れと馬場を考えても先行馬有利。

 凍えるような寒さにスタミナを奪う道悪。闘志に火が付いたアドマイヤキッスが悪条件を克服して久々の勝利を手にした。決して発馬自体は良くなかったが、道悪のために馬群がバラけたお陰で進路がバッと開き、二の脚で好位へ。ソラを使うなど集中力を欠く悪癖があるが、この日はグッと顎を下げ集中した追走姿。4角まではインで手綱をシッカリ抑えて末脚を温存。前のポディションをキープしつつ脚をタメる理想の形から直線で馬場の良い大外へスッと誘導する。右手前のまま前のザレマに並びかけると、そこから左手前に替え、もうひと押し。ゴール前でグイッと突きぬけた。中間の調教から集中した姿を見せ、デキは良かった。鞍上のペース判断と位置取りも絶妙だった。ソラを使う癖があるので、馬体を併せられたのも功を奏したし、他馬の一瞬の切れを削がした道悪も良かった。アンカツは、テン乗りよりも連続騎乗が抜群に上手い。

 ザレマにとって道悪で時計の掛かる条件は、切れる脚のない同馬にとっては大きなプラス材料だった。好発から他馬の出方を見ながらハナへ。2ハロン目から外、内と競られる。坂の手前で外の馬が控え、内のシェルズレイとも間隔があったためにプレッシャーの掛からない展開。坂の頂上でムキにならず、スッと息を入れられた。単独2番手からソロッと下り坂をクリアし、4角でスパート開始。直線入り口で荒れ馬場に屈することなくグイグイ加速。残り1ハロン地点から勝ち馬に馬体を並べられてからも渋太く粘った。道悪、緩い流れ、54㌔と恵まれた面も大きいが、直線入り口の加速や鞍上に従順な姿は評価できる。

 桜花賞馬キストゥヘヴンは底力を見せて3着。道中は中団馬群の中からの追走。顎をグッと下げ、首を上手く使い集中力を感じさせる。抜群の行きっぷりだ。直線を向き、中団勢とほぼ同じ位置からの追い比べ。上位2頭が先行して抜け出すなか、後方からただ一頭末脚を伸ばした。折り合いを考えればマイル向きだし、復活の兆しはある。どうしても折り合いに気を使うタイプ。中山マイルのようにゴチャつくコースよりも、バックストレッチが長いコース向きだろう。内枠が良い。

 1番人気のブルーメンブラットは大外枠からスッと好発を決めるも、手綱を抑えて後方から3番手の位置。大外を通り、4角の下り坂からジワッと仕掛けを開始させる。直線も大外へ持ち出すと、右手前のままでジワッとしか伸びない。結局、手前を替えないままゴールを迎えてしまった。道悪でもうひとつのギアを引き出せなかったか。前走で後方から切れる脚を使ったので、鞍上としても控えざるを得なかった。前後半1秒差ある後傾ラップ。これを後方から大外を回っては届かないし、手前も替えなかったのも敗因のひとつ。同馬は完全なピッチ走法で、そこから凄い切れ脚を使う。マイルは長いし、1200㍍、1400㍍馬だと思う。

 ローブデコルテは久々のうえに58㌔を背負い、道悪。いかにも厳しい条件。ジョッキーも大事に乗っている感じだった。道中は後方で折り合いに専念し、他馬が動いた3角の下り坂でも動かず、4角では最後方。タメてからの直線勝負で、ジワジワと脚を使った。底力の一旦は示した。攻めの動きを見ると、まだ本調子にはない。叩かれて注目。

 カタマチボタンは軽い走りをするタイプで、道悪は大きなマイナス材料だった。

 ランペイアはトモが甘いために、どうしても発馬が安定しない。この日も出負けし、焦った鞍上が手綱を押したためにモロに掛かった。3角で3番手まで押し上げてしまう。下り坂でもなし崩しに脚を使っている感じ。タメを作る場面がなかったし、トビが大きく、トモが甘いタイプ。道悪は良くない。

東京新聞杯(GⅢ)回顧

2008-02-04 00:20:58 | 回顧
【馬場】野芝約4~6cm、洋芝約8~12cm。Dコースの開幕週。


12.4 - 11.0 - 11.6 - 11.5 - 11.2 - 11.5 - 11.7 - 11.9=1:32.8

【展開】ローレルがハナ。3ハロン目からスンナリの流れ。4角手前で掛かったアポロがハナへ立ってペースが上がるも、基本的には直線の決め手勝負。

〝最強の一勝馬〟ローレルゲレイロが府中マイルで堂々の逃げ切りV。中間の坂路では半マイル50秒台を連発。6㌔増の馬体も成長分で、デキは最高潮だった。7番枠からスッとハナを奪うと、2ハロン目で外から来られて若干速くなったものの、3角からしっかりと息を入れ、ペースを落とす。4角手前から掛かったアポロノサトリが競りかけてハナを奪われるも、鞍上の藤田は慌てることなくジッと2番手に控える。内、外の間隔があったので、それほどプレッシャーにはならなかった。直線を向き、絶好の手応えで先頭に踊り出ると、追い出されてからも極端に脚が鈍ることなく、ラスト1Fを11秒9と踏ん張る。最後はギリギリ凌いだ。開幕週のパンパン馬場で、スムーズな展開。恵まれたのは確かだが、1分32秒8の勝ち時計は優秀だ。CP着用とハナへ立つことで集中力がグンと増している。攻めで見せる絶品の動きからも、もともとの潜在能力は相当。それに精神面がついてきた形だ。

 リキッドノーツは発馬直後に意識的に下げて後方に控える形。押して進まないカンパニーとは対照的。3角手前では先頭から8馬身くらいのところ。前走とは違い、外々を通らされることなく、ロスなく脚を温存することに成功。直線を向き極力ロスのない誘導で大外へ出すと、ピッチの利いた回転の速いフットワークでグンと加速。坂を上りきったところで左手前に替え、もうひと押し。開幕週で先行馬有利の流れ。後方の大外からよく追い上げている。上がり3F33秒4の脚は際立っていた。中途半端に前へ行くより極端な競馬が合うようだ。今までの詰めの甘さが嘘のよう。

 タマモサポートは久々だが、年明けから坂路で入念に乗り込まれ、仕上がっていた。1番枠からスッと馬なりで先行。ハミにモタれることなく、リラックスした追走姿。終始、絶好の手応えで経済コースを立ち回る。4角から直線にかけて痺れる絶好の手応えで2番手集団から抜け出す。スパートを開始させた時点で勝ち馬とは2馬身ほど。手応えからすると差し切れる雰囲気だったが、いざ追い出されてからの反応は案外で、ジリジリとしか脚を使えず。ゴール前でギリギリまで迫ったが届かず。鞍上によれば「坂が全然ダメ」と。平坦向きのようだ。開幕週で経済コースを立ち回れた恩恵は多大だが、4角の脚力は本物。力む癖があるので距離短縮はプラスに左右した。スピードの持続性を生かせるタイプ。

 1番人気に推されたカンパニー。仕上がりは良好だった。だが、レースでは発馬直後から手綱を押しても全く進まず。後方に置かれる。ようやく流れの緩んだ3角で馬群に取り付くと、そこから4角まではインに潜り込み、極力ロスを回避。直線で右手綱を引いて大外へ誘導する。だが、そこから外のハイアーゲームにビッシリと競られる厳しい形。なかなか抜け出せないものの、一完歩毎にジワジワ伸びる。残り1ハロン地点では、内から突進される不利。それでも、長く脚を使って際どいところまで迫った。58㌔を背負い、形は作った。年齢から来るズブさでテンに行けなくなっている。マイルの時計勝負では限界がある。今なら2000㍍ないと厳しいし、直線も長いほうがいい。狭いところを割る一瞬の脚力は影を潜めた。次走予定の中山記念も取りこぼす可能性は十分。

 ハイアーゲームは2500㍍を使われた直後だったが、発馬直後から抑え切れない感じ。テンは少し掛かり気味で先団を伺う形。折り合いを大事にした鞍上は手綱をグッと抑えて3角で後方までポディションを落とす。その甲斐あって4角では手応え十分。直線で大外へ持ち出すと、カンパニーと馬体を接触させて激しい攻防。外から2着馬にも来られ苦しい形。それでも、長く脚を使って追い込めたのは評価できる。開幕週の時計勝負でよく脚を使っている。流れに合わせることなくメリハリを大事にした鞍上の好判断。

 ジョリーダンスは本当に惜しかった。道中は10番枠から中団馬群に取り付き、3角あたりでは行きたがっていたが、前に馬を置いて壁を作ることに成功。折り合って脚をタメられた。4角から直線にかけての手応えも十分で、馬群に突っ込む。だが、前横ともにビッシリと壁になって抜け出すスペースがない。残り1ハロンを切ったところで寄れたエイシンとコイウタの間にできた僅かな隙間に突っ込む。残り80㍍あたりで右ステッキが入るとグンと加速。一気にごぼう抜きした。完全に脚を余した格好だ。行きたがる面があり、テンに脚をタメられるかがポイント。1400㍍がベスト。

 エイシンデピュティ8番枠からジョッキーが重心を低くして先行。マイル2戦目ということでスンナリ行けた好位の外めに取り付く。ズブいタイプで、4角で早くも手綱が動き始め、直線を向いてもスッとは反応できない。前脚を突き上げる独特のフットワークで渋太く伸びる。右→左→右→左と直線で何度も手前を替えていたように、余裕はない。しかも、残り1ハロン地点で内の馬が寄れたのを過敏に反応して外に膨れる悪癖を出す。ゴール前は決め手の差が出て一気に差された。元々マイルは短いが、1分32秒台の高速決着では限界があった。

 サイレントプライドは大外枠発走からテンは中団に取り付く。かなり内の馬とは間隔があったが、3角で仕掛けて好位の外めに入る。流れに合わせて動く形になったし、終始、外を回らされる展開だった。残り1ハロン地点では内から突進される不利が。決め手がないだけに流れが落ち着いたのも響いた。ベストは中山1800㍍だろう。

 カネトシツヨシオーは直線で内へモタれる感じでジョッキーが満足に追えていなかった。右回りで見直しが必要だ。

 本命視したリザーブカードは、11番枠から抑え切れない感じの行きっぷりで中団馬群からの追走。手応え十分で期待を抱かせた。だが、直線で前にズブいエイシンデピュティがおり、その外側の進路を狙うもサイレントプライドにビッシリ競られて抜け出せない。残り2ハロン地点で一度手綱を引っ張りシーンがあったし、残り1ハロン地点では寄れたエイシンに突進される致命的な不利が。一旦後方に下がりながらも、最後まで集中した走りをしていた。次走でも狙い。

東京新聞杯(GⅢ)最終結論

2008-02-01 23:59:19 | 最終結論
日曜日は予想していないため更新できません。予めご了承ください。来週以降、頑張ります。

東京新聞杯(GⅢ)調教診断はこちら
東京新聞杯(GⅢ)展望はこちら

東京11R 東京新聞杯(GⅢ 芝・1600㍍)
◎リザーブカード
○カンパニー
▲エイシンデピュティ
△ハイアーゲーム
×マイケルバローズ
×ローレルゲレイロ
☆カネトシツヨシオー

【見解】
 充実一途のリザーブカードを狙い打つ。前走の仲冬S1着は、重心が後ろになりながらも何とか発馬を決めた。道中は中団馬群のなかで抜群の行きっぷり。直線を向き、ゴーサインを出されてから瞬時の脚で突き離した。14㌔増はまるまる成長分と見ていいだろう。陣営は「落ち着きが見られ、心身ともにバランスが取れてきた」と。それを象徴するかのように、今週の南Wでの最終追いは、獲物を捕らえるかのような凄まじい集中力で併走馬を瞬時に突き放した。四肢を目一杯に伸ばしたダイナミックなフォームが目に付いた。一気の相手強化だが、楽しみだ。
 
 カンパニーは、天皇賞2着の実績はここでは断然の存在。前走のマイルCS5着は、道中の行きっぷりが悪く、終始手綱を押しどおしで直線も馬場の悪い内めを突くしかなかった。それでも、5着まで差してきたのは底力。今なら左回りのほうが走りやすいし、長距離輸送でイレ込むこともない。決め手はNO.1。厳寒期の久々は厳しいが、今週の坂路追いの動きなら動けるはずだ。

 エイシンデピュティはとにかく今が充実期。今週の坂路追いでも、前脚を高く突き上げパワフルな動きだった。絶好調。前走の京都金杯1着は、テンに手綱を押して何とか先行し、4角でズブさを見せた一瞬は置かれた。それでも、直線で渋太く伸び返したのは立派だった。3角手前の上り坂から息を入れられたのが良かった。マイルのスピード勝負になると辛い面はあるが、このメンバーなら極端に速くなることは考えられないし、府中のマイル戦なら3,4角で息を入れられる。58㌔でも上位争いは必至。

 ハイアーゲームの有馬記念は、距離が長く想像以上にスタミナを要する馬場。以前はダービー3着、青葉賞勝ちなど中距離で活躍してきたが、完歩の小さいピッチ走法になった現在、ベストパフォーマンスは1800㍍前後。マイルに替わるが、こなせるスピードを持っている。勿論、左回りの府中も歓迎。坂路での動きも相変わらず絶好だ。開幕週のパンパン馬場で巻き返す。

 マイケルバローズにとって、何より府中の長い直線は魅力。長く良い脚を使えるタイプで、富士S2着はいつになくテンから脚を使いながらも最後まで粘り、前々走の京成杯AH4着は、出負けで大外を通らされるロスがありながら最後は良い伸び脚だった。開幕週の馬場を考慮しても、負けて強しの内容。久々になるが、速い時計を出さないタイプが、今週は坂路でテンからビッシリやられてきた。ヤネは武豊で不気味。

 ローレルゲレイロは、相変わらず坂路で絶好の動きを見せている。昨秋は他馬を気にする面が邪魔をして能力を発揮できなかったが、ハナを切った阪神Cが今まで見せたことのない粘りを見せ、直線で二の脚も使えた。ここもハナを切れるメンバー構成。デキが良いだけに、府中マイル戦でも逃亡劇がある。


 カネトシツヨシオーの前走・京都金杯3着は、先行馬の流れを後方から追い込んだ。直線で前を捌くのに苦労するシーンがあったし、手前を替えるのが遅かった。スムーズならもっと際どかった。府中のマイル戦は魅力的なステージ。

師匠・大谷内泰久さんの予想はこちから 
Q&Aはこちら
ブログなどはこちら



東京新聞杯(GⅢ)展望

2008-02-01 09:11:53 | 見解
東京新聞杯(GⅢ)調教診断はこちら

エイシンデピュティ
前走の京都金杯1着は、久々のマイル戦ということもあり、8番枠から手綱を押して押して前に行くも、なかなか行き脚がつかない。ようやく3ハロン目から流れに乗ると、外めの2番手に取り付く。掛かったキンシャサに外から絡まれるなど、決して楽な競馬ではなかったが、3角手前の坂の頂上地点で1ハロン12秒3と流れが落ち着いたところで息を入れることに成功。残り800㍍を切った下り坂からレースの流れが急激にアップ。自身も下りを利用して問題なかったものの、4角で11秒3と上位2頭がペースを緩めなかったことでズブさを見せて一旦は後方に置かれる。万事休したかと思われたが、そこから鞍上の懸命なアクションに応えて盛り返す。残り300㍍地点でようやくエンジンが掛かると、一完歩毎にグイグイ伸びる。前脚を高く突き上げ、四肢を目一杯伸ばしたダイナミックな走りで一気に駆け抜けた。今回は3角手前で息を入れられたことが向いた。前々走の鳴尾記念2着は、大きなフットワークからハナへ。番手のレインダンスが手綱を引っ張ったために無理な競り合いはない。3ハロン目で掛かったクラウンが競りかけてきたが、直後の3角から12秒6-12秒5-12秒3とたっぷり息を入れる。直線を向き、前脚を高く突き上げる独特のフットワークから粘りに粘る。迫ってきたレインダンスを振り切り、坂上でも脚色が衰えることなくゴール前まで先頭をキープしたが、差された。マイルでは幾らかスピード不足。前走は3角の坂の頂上で息を入れられたのが良かった。府中のマイル戦なら3,4角でそれができるか。それほど流れは速くならないほうがいい。充実期。

ジョリーダンス
前走の阪神C2着は、平均ペースの流れを中団のインで我慢。前に馬を置き、タメを作ることに成功。3,4角でも抑え切れない感じで手応え十分。直線を向き、エンジンが掛かると、勝ち馬と併せる形で凄い伸び脚を見せる。牝馬にしては叩き良化型。テンに気分良く行き過ぎる面があり、変に前へ行ったり、緩い流れだったりすると道中なし崩しに脚を使わされて不発に終わるケースが多い。ベストは1400㍍だろう。安田記念のような強豪相手で、テンから一貫した流れのほうがむしろ競馬がしやすい。後方で脚をタメてそれを生かす競馬が合っている。

ピンクカメオ
前走のクイーン賞5着は、ダートのため度外視。前々走のマイルCS9着は、GIにしては落ち着いた流れを例によって最後方からの競馬。直線を向き、外ラチ付近まで大外へ持ち出し、自身もマズマズの脚を使っているものの、突き放された。前々走の秋華賞14着は、後方追走から4角でゴチャつく不利はあったものの、いかにも不満の残る内容だった。前々走のローズS4着は、抜群の気合い乗りと力強い後肢の踏み込みが印象的で、さすがはGI馬と思わせるものだった。道中は中団の外めを追走し、ジックリと脚をタメる。4角で除々に加速し、直線でスッと左手前に替える。そこから良い感じの脚力を見せたが、ラスト1ハロン手前で右手前に替えてからが案外の伸び脚。伸びずバテずだった。今春のNHKマイルC1着では、雨馬場で先行馬がいい位置を取ろうと、テンから激しい攻防が繰り広げられる展開を最後方追走。極力ロスを避け、外を通るのではなく最短距離を通る。直線でも他の差し馬が仕掛けても、尚もワンテンポ遅らせた仕掛け。満を持して大外へ持ち出すと、先行馬がバテたラスト100㍍のところを豪快に差し切った。鞍上の巧みなペース判断とコース取りも光ったが、自身も桜花賞時の栗東でのトレーニングが奏功し、動きが良化。馬体も絞れていた。牝馬離れした筋肉質のボディーを持ち、いかにも流れの速いマイルで活躍しそう。2ハロンの短縮は勿論、歓迎。上がりが掛かってほしい。秋3走は関西への輸送競馬。仕方ない面もあった。今回はGI勝ちのある東京マイル戦。言い訳のできない舞台だ。理想は上がりの掛かる展開。暮れに波乱を起こした国枝&蛯名コンビが、再び厳寒の府中で熱い走りを見せる。

コイウタ
前走のマイルCS14着は、一線級牡馬相手に力負けの感。前々走の富士S8着は、スプリント後だけあって道中は折り合いに専念。自然と位置取りは後方になった。中団馬群から直線を向きスパート。だが、追ってからの反応が今ひとつで、ジリ脚。ゴール前は完全に伸び負けした。前々走のスプリンターズS11着は、スプリントの速い流れに戸惑うことなく好位追走。だが、肝心の追ってからの反応が全くなく、馬群に沈んでしまった。4走前のヴィクトリアM1着は、生涯最高のデキで大仕事をやってのけた。一週前に南Wで64秒0-11秒9を出し、最終追いでは坂路でピッチの利いた抜群の動きを披露。陣営もデキの良さに太鼓判を押し、自信を持っていた。道中はアサヒの作る平均ペースの流れを好位追走。前々走の敗因を胸に刻み、鞍上は慌てず脚をタメることに専念。直線で逃げ馬が馬場の4分どころを通る異様な雰囲気のなか、その内目のギリギリ馬場の良い所を通る。残り2ハロン手前で仕掛けを開始させると、一瞬の脚で先団へ。逃げ馬も11秒2と速い脚を使っていただけに捕らえるのは容易ではなかったが、残り100㍍のところで追い付き、突き放した。勝ち時計は1分32秒5。高速馬場を考えても優秀だし、残り400~200㍍のところでは10秒台の脚を使っている。テンも速かったし、最後の決め手は強烈だった。久々でどこまで仕上がっているか。

カンパニー
前走のマイルCS5着は、9番枠から道中は手綱を押しても前に進まず、最後方に近い位置取り。終始、手綱のアクションにも余裕がなく、追走に精一杯の感。本来なら4角で馬場のいい大外へ持ち出したいところだが、その脚も残っておらず、仕方なく馬場の悪いインを突く。直線入り口で外からトウショウに寄られ、内へモタれ気味になる。そこから立て直し、ピッチの利いた回転の速いフットワークで一瞬は脚を使うも、ゴール前は上位馬のほうが脚色はよかった。4角の不利はそれほど関係ない。鞍上の言うように久々の右回りが影響したか。前々走の天皇賞秋3着は、仕上がりは良好だった。道中は6番枠からスッと後方に下げる。馬場の良いギリギリの所を選び、馬群のインで我慢。福永のスムーズな誘導で、直線もロスのない馬場の3分どころへ。だが、前のバルクが外へ膨れ、狙っていた外側の進路を諦め、その内側の進路を突くも、今度はバルクが内側へ切れ込む。仕方なく強引に手綱を引いて外へ誘導する。そこからピッチの利いた回転の速い脚捌きでグンと加速。残り1F地点では勝ち馬に迫るかの勢いだったが、ゴール100㍍手前で筒一杯となり、最後は突き放されて2着馬にも差された。少し2000㍍は長かった。前々走の関屋記念1着は、緩みない流れを後方のイン追走。4角から直線入り口にかけてスムーズに大外へ持ち出すと、ピッチの利いた回転の速いフットワークでグングン加速。一頭だけ離れる苦しい競馬だったが、上がり3F33秒3の切れ味で圧倒した。とにかく強かった。天皇賞2着の実績はここでは断然の存在。決め手も鋭いし、直線の長い府中向き。今なら輸送によるストレスも問題ない。あとは、厳寒期の久々ということ。

ローレルゲレイロ
常に坂路調教で絶好の動きを見せる。実践ではなかなか力を発揮できなかったが、ようやく復調してきた。前走の阪神C4着は、3番枠からスッとハナへ立つ。他馬の競り合いもなく2ハロン目から息を入れ、3角では手綱をグッと抑えて11秒6と息を入れる。4角から直線にかけてスーッと加速。坂上で一旦は迫られるも、左ステッキがもうひと伸び。ゴール前ギリギリまで粘り、見せ場を作った。控える競馬では頭が高く、追ってからの反応がない。CPを着用し、他馬を気にする面がある。藤田Jは「ハナ行くとフォームからして違う」と。確かに、前走は頭を上げず、首を上手く使ったフォームだった。ここは強力な先行馬不在の組み合わせ。ハナへ行ける公算が高い。

サイレントプライド
前走の中山金杯6着は、好発からスーッと好位を取る。終始、折り合いもピタリでペースの上がった三分三厘でハミをかけ直して進出を開始。だが、4角での勢いに力強さがなく、直線で馬群に沈んでしまった。2000㍍が合わなかったのか、緩急のあるペースに戸惑ったのか。切れる脚がないために前々走のような前崩れの速い流れが理想。マイルならスタミナも保てる。

ハイアーゲーム
前走の有馬記念14着は、道中は最後方に控える形で脚をタメる。道中は手応え良く運べていたものの、三分三厘で仕掛けてからの反応が鈍く、馬群から取り残される。既にフットワークに余裕がなかった。かつてのダービー馬だが、最近は完歩の小さいピッチ走法になっており、スタミナを要する馬場での2500㍍は厳しかった。前々走の鳴尾記念1着は、4番枠から緩い流れに乗じて好位をキープ。道中は抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。3角で3,4番手のインへ潜り込み、直線へ。進路がなかなか開かず、抜け出せなかったが、手応えに余裕があるので焦ることはない。残り1F地点で逃げ馬とレインダンスの隙間を突き、グンと一瞬の切れ味で加速。小気味良いフットワークで差し切った。3走前のアルゼンチン共和国杯6着は緩みない流れを好位からの追走。少し気負った走りで、抑え切れない感じの道中。持ったまま直線の坂上で追い出しを開始させると、グンと一瞬は抜け出して見せ場を作る。だが、ゴール前で脚色が鈍ってしまった。以前はダービー3着、青葉賞1着の実績が示すとおり中距離戦線で活躍してきた。だが、年を重ねるに連れて完歩が小さくなり、回転の速いピッチ走法を手に入れた。それを生かすには1800㍍前後がベストと感じる。一気の距離短縮は微妙も、府中ならこなせるか。

マイケルバローズ
前走の富士S2着は、一貫した緩みない流れを好位から積極的に追走。終始、馬群の外めを通らされるロスもあったが、最後まで粘り強く伸びた。テンからある程度脚を使わされながらよく頑張った。前々走の京成杯AH4着は出負けして後方からの競馬。中山マイルの外枠だけに、想像以上にロスは大きかったし、開幕週の高速馬場ならなお更だ。しかも、4角から直線にかけては大外に膨れるロスが。絶望的な位置だったが、一完歩毎にグイグイ伸びて鋭く迫った。負けて強しの内容。とにかく長く良い脚が使え、直線の長いコースでこそ。府中マイルはベストベスト舞台。久々だが、時計を出さないタイプにしては最終追いで目一杯追われてきた。ヤネは武豊。

カネトシツヨシオー
前走の京都金杯3着は道中、後方に下げて折り合いに専念。手綱を短く持ち、手応え十分に追走。4角から直線にかけて馬群のなかに突っ込むも、反応が鈍いうえに前が壁になる。仕方なく立て直して大外へ持ち出すと、右手前のままグングン加速。鞍上の右ステッキに応えてゴール前100㍍のところで左手前に替えもうひと伸び。届かなかったものの、最後の脚色は完全に上回っていた。もう少し早く手前を替えていれば。マイルは合っている。一線級相手でも通用する決め手があるし、陣営によれば「トモ力が付いてきた」と。使い込まれても疲れを見せないのは、ソフトな攻めが功を奏してる。ここでも。

ダイレクトキャッチ
前走の中日新聞杯2着は、道中5番枠からジックリと後方の馬群なかに入り脚をタメる。テンこそ速い流れになったものの、向こう正面では極端にペースが落ち、馬群がギュッとひと塊。向こう正面中盤から外めに持ち出そうとするも、外から被されて出られず。結局、3,4角でも被されて動けず。直線に入っても前が壁になって手綱を引っ張るシーンが。ようやく大外へ持ち出して鋭く追い込むも、レースのラスト2Fが11秒8-11秒4の流れでは仕方なし。脚を余した。久々を含めて申し分ない内容だった。左回り巧者で昨冬には、強かったフサイチホウオーと接戦を演じている。長く脚が使えるので府中の長い直線も魅力的だ。

リザーブカード
前走の仲冬S1着は、平均ペースの一貫した流れを中団馬群から抑え切れない感じで追走。三分三厘でも引っ張り切りの手応え。直線でグイッと突き抜け、坂上で瞬時に突き放した。14㌔増でパワーアップしていた。前々走の奥多摩S13着は発馬で大きく出遅れ、道中も追走に精一杯という感じで全く力を発揮できなかった。前走でも発馬で重心が後ろになっていた。重賞の速い流れのほうが折り合いは付けやすい。今週の南Wでの最終追いでは、四肢を目一杯伸ばしたダイナミックなフォームで併走馬を突き放した。以前よりも落ち着きが増し、力を付けている。

師匠・大谷内泰久さんの予想はこちから 
Q&Aはこちら
ブログなどはこちら


東京新聞杯(GⅢ)調教診断

2008-02-01 01:56:52 | 調教診断
東京新聞杯(GⅢ)調教ベスト6
1.リザーブカード
2.エイシンデピュティ
3.ハイアーゲーム
4.サイレントプライド
5.ローレルゲレイロ
6.ピンクカメオ

【アポロノサトリ】○ 久々も仕上がる
南Pを単走で5ハロンから。直線でスッと右手前に替えるとスピード感に溢れた動きでグンと加速。集中力も感じさせた。久々で攻め量が不足気味だが、牧場で乗り込まれていたのだろう。

エイシンデピュティ】◎ 絶好の動き
岩田騎手を背に坂路を単走で。前脚を高く突き上げ、パワフルな動きで登坂。不良馬場で半マイルを53秒8-12秒7。相変わらず絶好の動き。今が充実期。

【カネトシツヨシオー】○ 好調キープ
長距離輸送を考慮し、Bで単走を5ハロンからサッと流す。キャンターに毛が生えた程度だが、集中力を感じさせたし、動きに硬さは見られない。攻めはいつもこんな感じなので心配いらない。好調キープ。

【カンパニー】○ 好仕上がり
久々の一戦になるが、年明けから熱心に乗られている。最終追いは福永を背に坂路を単走で。ゴール前でハミをかけ直す程度で、余裕残しの手応えで半マイル52秒7-12秒5。キビキビとしたフットワークで力強かった。好仕上がり。

【コイウタ】△ シャープさに欠ける
南Pで2頭併せを5ハロンから。直線でスッと手前を替え、併走馬を突き放したものの、良い頃に比べるとまだ重心が高く、シャープさに欠ける感じ。少し重いかもしれない。

サイレントプライド】◎ 動きパワフル
横山典を背に坂路を2頭併せ。パワフルなフットワークでグイグイ加速。いつものように首を上手く使って推進力に満ち溢れた。余裕残しで半マイルを49秒8-12秒1。デキ落ちはない。

【ジョリーダンス】○ 好調キープ
南Pで2頭併せの内を5ハロンから。抑え切れない感じの3,4角。直線を向き、スッと手前を替えて躍動感溢れる動き。グイッとは引き離せなかったが、きっちりと1馬身先着。好調キープ。

【タニノマティーニ】△ トモ甘い
ジョッキー騎乗でDWを単走で。目一杯に追われて6Fから重馬場で80秒台なら優秀。トモが甘く、フットワークにもう少し柔らか味がほしい。

【タマモサポート】○ 乗り込み入念
坂路を単走で。前脚の出は今ひとつだが、掻き込みの強いフットワークで不良馬場に屈することなく最後まで踏ん張った。年明けから入念に乗り込まれ、仕上がっているか。

ハイアーゲーム】◎ 文句なし
坂路で3頭併せの大外から追走。相変わらずピッチの利いた回転の速いフットワークで抜群のスピード感。余裕残しで3ハロンから36秒0-11秒7。文句なし。

ピンクカメオ】◎ 好仕上がり
ジョッキー騎乗で坂路を2頭併せ。上手く首を使い、集中力に満ち溢れた走り。終始、余裕残しの手応えでリズミカルなフットワークが目に付いた。NHKマイルC時と同様の動き。久々でも仕上がった。

【フジサイレンス】△ 重心高い
坂路で2頭併せ。重心が高く、見た目の迫力は今ひとつ。横幅の狭いフットワークで完歩も小さい。強調材料は見当たらない。

【マイケルバローズ】○ 時計優秀
武豊を背に坂路で単走。テンに掛かったためにラスト1Fは14秒1を要し、完全に脚が止まっていた。それでも、半マイル52秒5は不良馬場を考えれば優秀。ビシッとやられることが少ないだけに、強調材料になる。

【リキッドノーツ】○ 時計優秀
南Pで2頭併せの内を追走。完歩の小さい走りで見た目の迫力は今ひとつだが、余裕残しの手応えで5ハロンから64秒台は優秀。自らハミを取っていたし、集中力があった。

リザーブカード】◎ 非の打ち所なし
ジョッキー騎乗で南Wを2頭併せの外を4ハロンから。引っ張りきりの絶好の手応えで3,4角を回り、獲物を捕らえるかの様な凄まじい集中力。瞬時に併走馬を突き放し、四肢を目一杯に伸ばしたダイナミックなフットワーク。非の打ち所がない。

ローレルゲレイロ】◎ 手先軽い
藤田を背に坂路を単走で。テンから飛ばし、最後は頭が上がって苦しくなりながらも1Fを12秒7で踏ん張った。相変わらずピッチの利いた弾むようなフットワーク。手先が軽く、どこまでも伸びていきそうな感じだった。

師匠・大谷内泰久さんの予想はこちから 
Q&Aはこちら
ブログなどはこちら